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高野
(10)投稿日:2004年08月20日 (金) 14時37分
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電気工作物の設置者は、工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主任技術者を選任しなければなりません(電気事業法第43条)。
<電気事業法 第四十三条> 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、経済産業省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。 ただし、自家用電気工作物のうち7000V以下で受電する需要設備であって、工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務を委託する契約を、別に告示する要件に該当する者又は大臣が指定する法人と締結している場合、承認を受けて電気主任技術者を選任しないことができます(電気事業法施行規則第52条第2項)。
<電気事業法施行規則 第五十二条 第2項> 自家用電気工作物であって、出力千キロワット未満の発電所(原子力発電所を除く。)のみに係る前項の表一、二、三若しくは七の事業場、七千ボルト以下で受電する需要設備のみに係る同表三若しくは七の事業場又は電圧六百ボルト以下の配電線路を管理する事業場のみに係る同表七の事業場のうち、当該発電所、需要設備又は配電線路を管理する事業場の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務を委託する契約(以下「委託契約」という。)を※別に告示する要件に該当する者又は別に告示する通商産業大臣が指定する法人と締結しているものであって、保安上支障がないものとして通商産業大臣(事業場が一の通商産業局の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する通商産業局長。次条第一項において同じ。)の承認を受けたもの並びに発電所、変電所及び送電線路以外の自家用電気工作物であって鉱山保安法が適用されるもののみに係る同表三又は七の事業場については、同項の規定にかかわらず、電気主任技術者を選任しないことができる。
この電気事業法施行規則第五十二条第二項の委託契約の相手方の要件等については、昭和63年通商産業省告示第191号で告示されています。 ・告示第一条では、委託契約の相手方の要件が定められており、その内容は次のとおりです。 電気主任技術者免状の交付を受けていること。 電気工作物の工事、維持又は運用に関する実務に従事した期間があること(免状交付日前は1/2換算)。 第一種電気主任技術者免状の交付を受けている者=3年 第二種電気主任技術者免状の交付を受けている者=4年 第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者=5年 次の機械器具を有していること(ト、チ、リは需要設備、配電線路に係る保安監督業務のみを受託する場合は不要)。 ---略--- ・告示第二条では、大臣が指定する法人が定められており、その内容は次のとおりです。 財団法人 北海道電気保安協会 財団法人 東北電気保安協会 財団法人 関東電気保安協会 財団法人 中部電気保安協会 財団法人 北陸電気保安協会 財団法人 関西電気保安協会 財団法人 中国電気保安協会 財団法人 四国電気保安協会 財団法人 九州電気保安協会 財団法人 沖縄電気保安協会 このように、現在のところ自家用電気工作物の保安監督業務を外部委託できる先は、一定の要件を満たした個人(一般に電気管理技術者と呼んでいます)か、財団法人の電気保安協会に限られていますのでご注意ください。 なお、承認の条件は、通達「主任技術者制度の運用について」(平成7年12月1日七資公部第418号、最終改正:平成11年9月1日一一資公部第278号)のII項で定められており、その概要は次のとおりです。
委託契約の内容 委託契約の相手方が行う点検を、一定頻度以上(主に月1回以上)受けるよう定めていること。 災害、事故その他非常の場合における委託契約の相手方との連絡その他電気工作物の保安に関し、設置者及び委託契約の相手方の相互の義務及び責任その他必要事項が適切かつ明確に定められていること。 当該事業場について電気工作物の保安のため必要な事項を委託契約の相手方に連絡する責任者を選任するべきことを定めていること。 承認に当たって保安の確保上支障となる場合が多いと考えられるもの 火薬類製造事業場、炭坑の一部の電気工作物の場合 電気管理技術者が他に職業を有するとき 電気管理技術者又は指定法人が他にも委託契約を結んでいる場合であって、その量が極端に多いとき ---略---
<ご注意>外部委託をされている/検討されている皆さまへ(H15.3.7)〜外部委託先にご注意〜 最近、「『経済産業局公認』と称したり、『規制緩和により参入が可能となった』と称して、法人・団体が自家用電気工作物の保安監督業務の受託に向けた営業活動をしているが、制度が改正になったのか。」という問い合わせが、管理技術者や自家用電気工作物の設置者から、時々あります。 また、「H15.2.5の新聞記事に『きっかけとなったのは、四年前、国の規制緩和で電力会社系の「保安協会」に独占されてきた高圧受電設備の保安点検業務に、だれでも新規参入できるよう法改正されたことだ。』とあるが、制度が改正されたのか。」という問い合わせがありました。 更には、「『平成12年の法改正により有資格であれば民間企業も電気保安管理業務が可能となった。当社は国の認可を受けた電気保安管理事業者である』とのファックスが届いた。」との問い合わせもありました。 このページで紹介したとおり、自家用電気工作物の保安監督業務を委託することにより電気主任技術者を置かなくて良いのは、一定の要件を満たした個人(電気管理技術者)か財団法人の電気保安協会と契約し承認が得られた場合に限られています。
外部委託先として認められているのは、以前から、電気管理技術者(知識と経験を有するなど一定の要件を満たした個人)か中部電気保安協会など全国10の保安協会(財団法人)であり、ある団体に独占されているようなことはありません。
承認の手続きは、自家用電気工作物の設置者から、「主任技術者不選任承認申請書」と関連書類を経済産業局に提出いただき、審査のうえ承認が得られた場合には、経済産業局長から承認書が自家用電気工作物の設置者あてに発行されます。 外部委託をされた場合には、中部経済産業局長の押印のある承認書「主任技術者不選任承認について」が届いているか御確認ください。 そのほか、点検業務を適切に履行していない例や、受託している電気管理技術者ではない者が点検業務を行っていた例など、安全上問題がある事例が立入検査等によって発見され、是正をお願いしたケースもあります。(今年度の立入検査でも発見されました。)
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