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守りたいモノ |
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にゃお
(1709)投稿日:2004年03月24日 (水) 01時10分
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空気の澄み渡ったある日の午後、俺とホークアイ中尉は大佐を待っている。
まったく時間にルーズな男だ。
俺とホークアイ中尉は無言のまま、どれくらいの時間待たされているのだろうか?
滅多に言葉を交わしたことがない、だから何を話しかければ良いのかがよく分からない。
というより、誰もが近寄りがたい雰囲気をかもしだしているせいもあるのかも しれない・・・。
重い時間が流れる。そして俺も重い口を開く。
「ホークアイ中尉・・・」
「何でしょう?エドワード君?」
う〜ん・・・やっぱり、ひとことひとことが棘があるというか・・・次の言葉を発しにくい。
「ホークアイ中尉はどうして軍部になってなったんだ?」
「・・・・・」
マズイところに触れてしまったらしい・・・。黙り込んでしまった。しばらくすると、ゆっくりとホークアイ中尉の口が開いた。
「ただ・・・そこに守りたい男(ヒト)がいたから・・・。それだけ・・・」
守りたい男・・・それは大佐のことなのだろうか?聞いてみたい気はしたが、それ以上は野暮というものだ。これ以上は聞くまい・・・。
「そうですか・・・」
「エドワード君だって同じでしょう?守りたい者の為に、軍の狗と呼ばれてでも国家錬金術師になったのでは?そりゃ、軍に入隊する理由は色々あるでしょうけど、でも守りたい者がいるからこそ軍部に・・・ってこともあるんじゃないかしら?私やエドワード君、ヒューズ中佐のようにね・・・」
全てを見透かされたような気分になった。ホークアイ中尉は壁を作ってる訳じゃなかったんだ・・・。ただ立ち位置を見失わずに、まわりをじっくり見ていただけだったんだ。
ホークアイ中尉は何も変わらず、待っているんだ。ずっとそこで・・・。
そう大切なモノ、守りたい者の為に・・・。
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