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[5697] GIST RFS – GIST無再発生存期間の推定法 Sunny南加 - 2011/11/19(土) 10:42 -

先日“GIST無再発生存期間 RFS: Recurrence Free Survival” を推測する計算尺がある事を知りました。

このノモグラムを作ったDr. DeMatteo の言葉ですが、これでGIST腫瘍再発無しの可能性が推定でき、アジュヴァント療法選択の判断の助けに用いられる一般的なガイドの一つになるでしょう。質問4の彼の答えに「再発の危険性が高いならば、医師はアジュヴァント イマチニブが投与されなければならないと決めるかもしれません。 逆に再発の危険性が非常に低いならば、観察を続行し、すぐ補助療法をしないことも可能でしょう。」 と書かれています。

このノモグラム、計算尺は下をクリックし、最初に出てくるブルー枠の図です。
http://www.gistsupport.org/ask-the-professional/gist-nomogram-to-predict-recurrence-free-survival.php

これは摘出手術された腫瘍の次の三つの特性をもとに2年、5年間の再発なしの可能性を推測するモノグラムです:
腫瘍径    Size(cm)
有糸分裂率 Mitotic Index(腫瘍組織を顕微鏡HPF50カ所で見つかる有糸分裂数)
原発臓器   Site

使い方はこのサイトを下にスクロールすると例が出てきます。

上の三つ各々の特性からポイント数値を出し、それらの合計数値(Total points)を使いその下のRFS、Refraction Free Survival, 2年間、5年間内の再発無しのパーセント可能性が読み出せます。

例は、7cm の胃原発GIST腫瘍で、有糸分裂率が5/50HPFより大きい患者さんです。
ポイント数値は 30(7cm) + 0(胃原発) + 80(有糸分裂率が>5/50HPF) = 110。

110の数値を使いPointsの下を見ると 手術後2年間の再発無しの可能性は55%ほど、そしての5年間の再発無しの可能性は30%ほどになります。

この裏を読むと手術後2年間内の再発可能性は
45%(=100%−55%)、そして5年間内の再発可能性は
70%(=100%−30%)になります。

原発臓器: 胃はStomach、 大腸はColon、 直腸は Rectum、 小腸は Small intestine です。
食道は Others に入るのでしょう。

このモノグラムによると有糸分裂率の再発の可能性の比重が相当大です。そしてその限界は5/HPF でこれは他のリポートなどで統計的に同じ結果がでていると書かれています。

このモノグラムによる再発の可能性予想は摘出手術後にグリベック服用なしの127人の患者さんのデータベースから作られ、スペインのGEIS 212人と Mayo Clinic の148人の患者さんのデータベースをテストし統計的な正確さが確認されたと http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=19793678[uid]&cmd=DetailsSearch に書かれています。

このモノグラムを作られたRonald P. DeMatteo医はGIST外科医とアメリカで一番よく知られ、GIST治療に熱心な医師で「GIST101」の筆頭著者です。

私の場合:  20(腫瘍径3.5cm)+0(0/50HPF)+0(食道)=20 で再発が認められたのは7年後。このモノグラム、当たっています。2004年からグリベックを服用し、単体腫瘍はCT面積で25%以下に縮小し安定化しています。

ちなみに、
http://bbs4.sekkaku.net/bbs/?id=gist&mode=res&log=1063
の下の
[5657] 「GIST変異ゲノムタイプとグリベックの効果率」

[5658] 「腸原発GIST予後はExon9に深い関係がある」
も参考に読んで下さい。

[5698] Miettinen分類 Sumito - 2011/11/20(日) 02:55 - MAIL HOME

Sunny南加さん
いつもありがとうございます。

GISTに限らず、がんと診断された患者は、まず自分の腫瘍が良性なのか悪性なのかということを一番に気にすると思いますが、良性、悪性を分類するということではなく、再発リスクを基本において作成された基準がFletcher分類です。日本ではGIST症例の臓器別リスクを示すデータが少なかったこともあって、しばらくはこのFletcher分類のみが有用されてきました。
このへんはSunnyさんが一番気にされていた部分かと思いますが、昨年の癌治療学会などでは腫瘍径、核分裂像数に加え原発臓器を考慮したMiettinen分類とノモグラフを日本人の切除症例で検証したグループもあり、Miettinen分類を有用する動きが増えてきました。そのため昨年11月に改訂された「GIST診療ガイドライン(第2版補訂版)」では、Miettinen分類とFletcher分類が併記されるようになっています。
http://www.gist.jp/shindan/0101.html
http://www.gist.jp/shindan/0301.html
ただし推奨度はつけ難いとしていますが。。

Fletcher分類でもMiettinen分類とノモグラフを使った先のグループの発表でも、欧米に比べ日本を含むアジア人の再発率は低い傾向にありますので、今後国内の臨床データを基にした日本での分類が出来上がる事が望まれます。
ただ患者としては基準を少し下回ったからといって、服用しなくて良いかどうかは判断しがたいでしょうね。




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