風邪をひきました
こんこん
咳が出ます
こんこん
誰かがドアをノックしてくれたら
治るかな
こんこん
だれもきませんね

春がいきなり顔を出す
ツクシさんこんにちは
幼子が話しかける
まだ眠いよと言いながらツクシは背伸びする
ぱっと胞子が散って春の香りをたてる

心を締め付けられるように
攻撃を仕掛けてくる君の罠に
私はいつも心臓が痛むのです

我慢の限界が来ます
突然の怒りに身を震わせてしまうのです

こうかつな罠に私は壊れてしまうのです

閉まった扉はさび付いてあかないけれど
鍵をなくした訳じゃない
どっちに回したら良いのか忘れてしまっただけ
それだけだけど・・・

ただ一人
やりきれなさを胸に
立ちすくんで
秋空を眺める