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- 富山直人 - 2010年06月03日 (木) 18時52分
まずハッキリ言っておこう。私から言わせればボアアップを組むならまず「必ず焼き付く」事を前提にしておいた方がいい。
なぜならボアアップをすればボアとストロークの比率が変わり実質ストロークが短くなりショートストロークエンジン化して
高回転型エンジンになるからだ。まぁ〜そのボアアップシリンダーのポート形状やタイミングではその限りではないがボアが
大きくなると言う事は比率でストロークが短くなるのと同じなので高回転型エンジンになりやすいという事だからだ。
それでは本題に入るが君が言うバリ取りは当然だがピストン等も角になる部分はペーパーやオイルストーンで丸くしてピストン
リングなどもした方がいいだろう。それとピストンは少なからず首を多少は振る、それによりピストンスカート部がシリンダーに
接触しそこで摩擦熱が発生しやすくなる。だからピストンスカート部の角はもちろんだがスカート部も全体にペーパーを
賭けた方がいいだろう。まぁ〜ピストンの全長の下半分ぐらいは擦っていてもいいんじゃないかと思う。この時、ピストン
スカート部にオイルが保持しやすいように斜めにクロスするように擦らなければならない。縦だとオイルが保持しにくく流れ
やすく横だと引っかかりやすいからだ。まぁ〜シリンダーにヒットするよりはましだから縦でも横でも当たらなければどっち
でもいいんだが最善をつくすなら斜めにクロスになるようにした方がいいだろうな。ここまでは私もしている。これ以上は
した事がないがもしこだわるならボーリングマシーンで少しだけボアを広げてその後にホーニング加工でクロスハッチを
入れるか、ホーニング加工のみで気持ちボアを広げる程度もした方がいいだろうな。ボアアップは純正シリンダーに比べ
シリンダーとピストンのクリアランス(隙間)が小さい物が多く、より機密性をよくしている物が多い。その為、熱で膨張して
クリアランスが少なくなりピストンが動きにくくなり摩擦熱がより高くなり焼きつきやすくなるからだ。だからそれを防ぐ
為の加工だ。まぁ〜ボーリングは専用業者に依頼しないといけないがホーニングマシンはオークションなどでも安く売って
いるからそれを使うのもいいかと思う。ただし機械を見る限り技術がいりそうだがな。あとはピストンにWPC加工や
モリブデンショットなどを依頼してやってもらうなどだな。WPC加工は効果はありそうだがモリブデンショットは一時的な
ような気はするがやらないよりましだろう。WPC加工をしないのなら自分でドリルでピストンの焼き付きやすい箇所、
だいたいは排気側だが窪みや穴を開けてオイルが通りやすい、あるいはオイルが留まりやすいようにするのも手だろう。
そしていいオイル、を使う。できれば化学合成油にしてガソリンタンクにもタンク用量の100分の1ぐらいのオイルを入れて
おいたほうがいいだろう。それとあまり排気量の大きいボアアップを選ばない事だ。どうしても排気量を大きくしてパワーを
上げたいと思うがそれだけ焼きつきもしやすいという事だからな。ちなみに私はJOGアプリオにAXIS90エンジンだが
AXIS90エンジンはノーマルで82cc、そしてボアアップキットは96ccの物が多く、ほとんどがその排気量だが
私はあえて89ccのボアアップに抑えている。レースならいいだろうがやはりストリートを走るわけだし、それで通勤もして
いる。それで焼きつきなんて事になれば会社も遅刻してしまい社会人としての信用もなくなるからな。まぁ〜君がどれだけの
ボアアップを組むかは知らないがこれだけやっても完璧ではないんだから気を付けて組んだくれ。それと言うまでもないが
どんな対策をしてもセッティングが出ていなければ何をやっても一緒なのでセッティングだけはちゃんとしろよな。
それと専門用語と加工方法などを色々書いたがここで書くと長くなるので(もう十分長いが・・・)それは自分で調べてくれ。
特に加工方法は大ざっぱに書いたが加工箇所を間違うとエンジンとして機能しなくなるのでどこをどう加工するかは自分で
調べてくれ。一応下記にピストンの加工やシリンダーの加工を紹介しているサイトがある。こちらも参考にしてもいいだろう。
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