| (27) 「ロミオとロミオは永遠に」 |
恩田陸
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図書館でなんとなく借りてみました。恩田陸の本がいっぱい揃ってたんだが、ボーイズラブ臭ただようこれが一番気になったので。ロミオとロミオ…。
内容すごかったです。私の知ってる恩田陸ではなかった。つっても「球形の季節」と「ネバーランド」しか読んだことないんだけどさ。もっとこう…恩田陸独特の儚い感じというか…抽象的な雰囲気というか…そういうのを想像してたんだが、すごく吹っ切れたコメディだった。恩田陸につきもののノスタルジーは少なめ(この本のテーマはノスタルジーなのに…←ネタバレ?)でしたが、でもおもしろかった!
近未来、「大東京学園」というエリート学校で「卒業総代」に選ばれる事だけが身の保証になるという、先の見えない暗い日本が舞台なんだが、その試験のありえなさがすごい。無重力状態でイスとりゲームをしたり、学園全体でハンカチ落しをしたり(ハンカチは爆発する)、装甲車でドッヂボールをしたり…ケガ人続出、死者も出るというまさに命がけの試験。全国から集まったエリートたちを無意味に危険にさらす意味はわからないが、夢中になって読んでしまった。
そんでまた他人を蹴落とさなければいけないそういう状況で友情を貫こうとする主人公たちとかね、脱走を企てようとアンダーグラウンドで動く先輩たちとかね、そういうのが面白くてどんどん引き込まれてしまいます。魅力的なキャラばっかだよ!個人的には眠り病のオワセ君がお気に入りでした。
ラストは批判が多そうだが、私は好きです。ラスト近くでいろんなものが混沌と動き出すところとか…最後まで飽きないで読めました!
でも今は戦争があったりいろいろ不安定な時代なので、こういう世界も絵空事ではないんだよなーとか、読んでる途中ブルーになったりもしました。娯楽が規制される世界なんて耐えられない!
(2003年4月13日)
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