1969年製作だから、グレン・フォードのかなり後期の作品ですね。説教師である主人公は町で
納屋を借りて教会にし、日曜日には人を集めてためになる話をしていますが、前身は拳銃使いで、
今でもいざとなればピストルに物を言わせるのを辞さない人物です。

　牛飼いの大牧場主と羊飼いたちの抗争が背景にあって、大詰めで大衝突でも始まりそうな成り
行きですが、説教師の尽力でそれは回避され、ちょっと拍子抜けです。

　共演はキャロリン・ジョーンズが酒場の経営者で主人公の以前の恋人、デイヴィッド・キャラ
ダインが大牧場主のドラ息子、バーバラ・アシュレイが羊飼いだった父親をキャラダインに殺さ
れたインディアン娘、などです。

　ドラ息子がインディアン娘を納屋に閉じ込めて襲い、主人公に殴り倒される、などの事件が
あって、アシュレイとキャラダインは仇敵の間柄かと思ったら、二人はこの作品の後パート
ナー同士になって、子供もできているんですね（結婚はしてないようだけど）。映画の役柄と
実生活は別物です。

　キャロリン・ジョーンズの酒場は売春宿でもあるんですね。私の大雑把な印象では、西部劇に
売春宿が大っぴらに描かれるようになったのは、1960年代からじゃないでしょうか。それまでは
あまりそういうものは現れなかったと思います。