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■ 初心者の方は、流れ弾にご注意ください。(^_^ゞ ■
同じ邦題の1949年作品があって、ジョン・アイアランドがボブ・フォードを演じていますが、
こちらは「三人の名付け親」が、ワイラー版の「砂漠の生霊」(1929)に続いて1936年に映画化
されたものです。
「砂漠の生霊」は四人組の強盗がニュー・エルサレムの町の銀行を襲ってから、悪人の最後の
一人がよろめきつつ赤ん坊を町に連れ帰って息絶えるまでを描いていますが、この作品はニュー
・エルサレムを頭領株のボブ(チェスター・モリス)の生まれ故郷にしており、ボブが仲間の
ドク(ルイス・ストーン)とガス(ウォルター・ブレナン)と一緒に故郷に帰って来て、銀行強盗
に先立って町の人々と交わる経過を設けてあります。
ボブは以前の恋人に会ったりしますが、故郷の人々はボブをやくざ者として嫌っているようです。
ドクとガスはクリスマスの夕食会に出て、ここでガスが野人ぶりを発揮して笑わせます。
年長のドクは肺を患っているらしく咳をすることがあり(喀血まではしないけれど)、哲学博士
だそうで鞍袋にシェイクスピアやショペンハウエルの本を入れているインテリです。銀行強盗の
際に肩を撃たれて衰弱し、沙漠で動けなくなって、仲間二人と別れの握手をして彼らを行かせ、
マクベスか何かの台詞を口ずさみながらピストル自殺します。「荒野の決闘」のドク・ホリディ
の造形に、このドクの影響があるのではないでしょうか。
ボブは赤ん坊を沙漠に置いて行こうとしたりして、卑劣で利己的なところがある男ですが、結局、
そのボブが命を捨てて赤ん坊をニュー・エルサレムに届けるのが印象的です。