[113] ある兵士の悲劇
投稿者:びっぐ
投稿日:2005年11月27日 (日) 19時07分
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とある軍事独裁制国家の一兵士。苛酷な生活に耐え切れず、軍を脱走した彼は、外国の貿易船に乗り込み、何とか国外脱出に成功する。脱走先の国で不法入国の罪で拘束された彼は、5年後にようやく難民申請が認められ、その国に滞在を認められる。しかし、密航した船の船長が、彼の母国で7年近くスパイ容疑で拘束されて大きな外交問題になったこともあり、彼に対する周囲の目は必ずしも温かいものではなかった。異国での生活に馴染めず、元々の乱暴な気質もあり、荒んでいく自分を抑えることができない彼は、窃盗や暴行や痴漢で何度も逮捕された上、逮捕された留置所からの脱走騒ぎまで引き起こしてしまう。その脱走騒ぎから1ヶ月余り後、将来に絶望した彼は、ついに留置所で首吊り自殺を遂げる。そのズボンのポケットには知人と所長宛ての「迷惑をかけてごめんなさい」という2通のメモが入っていた。故国脱出から20年後のことであった。
・・・気付いた人は気付いたと思うが、我々が高校時代に密入国で騒ぎになり、昨年自殺した閔洪九という人の話ですな(年齢も我々と数歳しか違わない)。ネットでちょっと調べてみると、確かにどうしようもない奴だったらしく、厳しい意見も多いですが、時代に翻弄されたという面も無くもないように思います。映画化するとしたら、セロンがアカデミー賞を取った「モンスター」のようなタッチになるのかな。
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