音楽家を目指したその若者は、高校卒業後、名門ジュリアード音楽院に入学する。クラリネットとピアノを専攻した後、2年後に中退し、ヘンリー・ジェローム・バンドに加わり、プロのサックス奏者としてのキャリアを始める。そこで彼は、ジャズ演奏で即興演奏ができないなどの苦手はあったものの、音楽家としてまずまずの才能を示す。しかしやがて、音楽よりも自分に向いているものがあることに気付く。数字が好きな彼は、バンドの会計の仕事もするようになり、経営学や経済学への関心を高める。1年間の全米ツアーの後、バンドとの契約は終了し、彼は音楽から足を洗って経済学を学ぶためにニューヨーク大学へ入学する。
・・・それから半世紀後。米国は彼と同様にクラリネット演奏が得意な大統領のもとで好景気に沸き、繁栄を謳歌していた。しかし、その好景気の功績は、若き大統領ではなく、主に彼に帰せられていた。FRB議長の座にあり、絶妙の金融政策の手綱さばきでマエストロと呼ばれて世界中から賞賛されていたユダヤ人の彼の名は、アラン・グリーンスパンといった。

ということで今回のお題は前FRB議長。主演はウッディ・アレンしかないですな（容貌、ユダヤ系、クラリネット演奏など共通点多し）。