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[165] 事件はリアルタイムで起きていた
投稿者:びっぐ
投稿日:2010年02月27日 (土) 14時47分
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2009年の大晦日夕方。新宿三越の宝石店に、男がやってくる。指輪を買うふりをして指に嵌め、そのまま逃走する。
同じ頃、学生時代の同期3人が、恒例の年越しのため、新宿に向かい、それぞれ東横線、丸の内線、中央線に乗っている。3人が新宿の恒例の集合場所で顔を合わせたその瞬間、指輪強盗犯が何食わぬ顔でその横を通り過ぎる。もちろんお互いをしらないし、それと気付くこともない。
宝石店から通報を受けた新宿署が、非常線を張り、新宿の街中に警官を配備する。
同期3人は、取りあえず歌舞伎町に向かい、学生時代に通った解体予定の映画館の前で暫し感慨に耽る。そして、警官の多さに気付き、何事かと首をひねる。
まんまと逃げおおせた犯人は、成田エクスプレスの中でくつろいでいる。その一方、犯人の手掛かりが掴めない新宿署は、焦燥を募らせる。
同期3人は、いつもの飲み屋に行くが、オーナーが変わって店がグレードダウンしたことに驚く。また、23:30に閉店することを知り、ぼやく。
0:00になった瞬間、同期3人は、レンタル屋のエレベータの中にいる。そこで一転して、ジャマイカのリゾート地にいる日本人が突然映し出される。彼は時計で日本時間の0:00を確認し、年越しのジャンプをする。その際、ポケットから写真が転げ落ちる。そこにカメラがズームインして、彼が新宿の3人の同期であることが観客に示される。一方、同じ瞬間、強盗犯はソウルへの機上で転寝していた。
共通点(オチ):皆その瞬間地上から離れていた。
…という感じで、まったく無関係の出来事をパラレルに描く。犯人逮捕記念に、久々に自主映画っぽい小ネタ(注:逃走部分とジャマイカ部分は想像です)。
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