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[152] Traveller's Rest 投稿者:びっぐ 投稿日:2009年01月27日 (火) 19時42分
主人公は休暇を終え、再び戦場へ向かう。そこでは、やむことの無い砲弾の応酬が繰り広げられている。しかし、奇妙なことに、敵の姿を目撃したものはいない。
同僚の軍人は、最新鋭のミサイルを撃ち込んだところ、その10〜20分後に、敵も最新鋭のミサイルで応戦してきた、と主人公に報告する。それに対抗して、こちらはさらに強力な攻撃兵器を使う準備に取り掛かっている。
主人公は、ふと疑念に駆られる。攻撃している相手は、実は存在しないのではないか、と。そこにあるのは、撃ち込まれたものをタイムラグを置いて同等の速度で跳ね返すバリアだけで、我々が受けている砲弾やミサイルは、実は我々自身のものではないか?
もしそうだとしたら、現状に至るきっかけは多分小さなことだったのだろう。誰かがそこに石を投げたか銃を撃ち込んだかしたら、跳ね返ってきた石もしくは弾で、怪我をしたか死んでしまった、とか。それについて、慌て者が、すわ、敵がいる、と勘違いして攻撃を仕掛けたのではないか? そして攻撃が跳ね返ってきたのを見て、強力な反撃を受けた、と警察の応援を呼び、警察は軍隊を呼び、どんどん話がエスカレートしてしまったのではないか?
しかし、主人公は、その考えをそれ以上追究することはなく、短編もそこで終わる。

…というストーリーの短編を桐朋時代に読んだのをふと思い出したので、某所でどなたか心当たりないですか、と訊いてみたら、親切な人に“デイヴィッド・I・マッスン「旅人の憩い」です”と教えてもらったとさ。




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