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[124] ある政治家の悲劇 投稿者:びっぐ 投稿日:2006年09月27日 (水) 22時05分
1980年代後半から1990年初めにかけて、政治家として彼は世界のヒーロー、アイドルだった。無名の存在から一躍ソビエト連邦の外相に抜擢され、3歳若い最高指導者の書記長とともに、「新思考外交」と呼ばれるそれまでのソ連の常識の殻を打ち破る外交政策を繰り広げ、冷戦を終結させた。鳩のような独特の白髪の風貌と相俟って、彼は西側世界でもてはやされ、KGBの弾圧にめげずにユダヤ人の妻を持ったことが美談として日本のバラエティ番組で放送されたりした。1990年に、書記長との路線対立が一因となって、独裁の復活の危機を訴えて辞任したときも、身を挺してソ連ならびに世界に警告し、クーデターを(少なくともその時は)食い止めたものと西側では好意的に受け止められた。

それから10余年後。かつてソビエト連邦の一部であり、スターリンを生んだ故国グルジア、その大統領官邸に彼はいた。汚職政治を糾弾し、不正選挙を非難して辞任を要求するデモ隊が取り囲む中で。なぜかつての改革の旗手、世界に平和をもたらした男が、腐敗した独裁者に成り下がってしまったのか・・・。世界が半ば困惑しながら奇異な目で見つめる中、彼はついに辞任し、長期政権に不満と怒りを溜めていたグルジアの人々は歓喜に湧いた。
その後、統一の恩人として受け入れを表明したドイツへの亡命を断り、彼は故国で回想録を書くことに没頭する・・・。

ということで、今回のお題はエドゥアルド・シェワルナゼ。一方のゴルバチョフは、たまに来日してバラエティ番組に出たりしていますな。




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