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[299] ある女優の悲劇
投稿者:びっぐ
投稿日:2020年09月27日 (日) 21時16分
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第二次大戦前のフランス映画でファム・ファタール女優として活躍した主人公。特にジャン・ギャバンを不動のスターに押し上げたジュリアン・デュヴィヴィエ監督の映画でヒロインを演じたことにより、世界的にも有名になった。だが、大戦により彼女の運命は暗転する。恋多き女性だった主人公は、戦時中にドイツ人士官と恋に落ちる。ナチスドイツに見切りをつけたその士官は、主人公と共に逃れたモナコで米国側と接触を図る。しかし、彼らの隠れ家にやってきたのは米軍ではなく自由フランス軍だった。抗弁むなしく衣服を剥がれて殴打される2人。主人公は恋人の目の前で凌辱される。2人はニースに移送され、投獄される。やがて2人は釈放され、彼女を凌辱した者も罰せられたが、2人の中が戻ることは無く、また、周囲の彼女への視線も冷ややかなままだった。戦後、彼女は1本だけ映画に出演したが、キャリアを取り戻すことはなく、神経症など複数の病に苦しみつつ残りの人生を送り、皆に忘れられたまま寂しく生涯を閉じた。ただ彼女は、会う人に対しては、自分の人生に後悔はなく、生まれ変わっても同じ人生を送る、と言っていたという。
・・・というわけで、先日スターチャンネルでペペルモコを40年ぶりくらいに観て、そのヒロインを演じた女優の悲運をネットで知ったので今回取り上げてみました。ただ、日本語のサイトには詳細な記述が無かったので、フランス語のwikipediaを英語に翻訳して元ネタとした次第。
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