[69] 2007/5/19(土)CBCミュージックフェス「ナガシマスパーランド」 |
- 管理人N - 2007年05月25日 (金) 08時34分
★2007/5/19(土)CBCミュージックフェス「ナガシマスパーランド」 ■出演:SHOWTA.、椿屋四重奏、ヤムヤムオレンジ、ナイトメア
整理券に記された集合時間の12:00よりかなり前にライブが行われる、というスパドーム前に到着。 スパドームは遊園地のプールゾーンの入り口にあり、ゲートで整理券を係員に見せてそのゾーンへ足を踏み入れた。 それまでに散々絶叫マシーンに乗りまくり、腹ごしらえもそこそこに、準備は万端、来るなら来いや!という、わけのわからない異常なテンション(笑)でやってきた私だったが、ドームの下ろされた分厚いシャッターの前を通り過ぎる時、どこかから聞いたことのあるメロディーがかすかに耳をとらえた。
「LOVER」だった。
一度この耳で生の演奏を聴きたい、と切望しつづけてきた曲がこんなにあっさりとライブ前に聞こえてくるなんて……と信じられないような気持ちで耳をシャッターに押し当て、その音のみから向こう側の様子を脳内で想像する。
曲は最後まで行かずに中断され、今まで歌を歌っていた声が何やら指示を出しているのだが、その言葉までは聞き取れない。
やがて中からは「紫陽花」が。
音に気づいた人たちがわらわらとシャッターの前に近づいてくる。 ある男女数人のグループの男の子の一人がこれは「紫陽花だ」と仲間に解説している。 グループのメンバーも口々に「知ってる、知ってる」と。 女の子に「ファンなの?」と尋ねられ、「ファンと言うほどではないけど知ってる曲は沢山ある。椿屋カッコ良いよな」と言う言葉が。 なんだ、ファンじゃないのか、と少しがっかりしながら、でもなんだか嬉しい気持ちになった。
「紫陽花」も中断した後「螺旋階段」のイントロが。 先のグループの男の子二人が「螺旋階段だ!」「めっちゃカッケエ!!」を連発する。 うん。本当にカッコ良い音だよねー。 ステージ見たら、もっとカッコ良いよー、と内心にっこりしながら、突然ストップして、そのまま音が聞こえなくなったシャッター前から、集合場所へ移動する。
実は整理券配布時間の朝8:00に間に合うように家を出たつもりだったのだが、結局到着したら9:00を過ぎていて、整理番号は400番台後半に。 会場は椅子席だということだったので、前で暴れる(笑)のをすっかり諦めて、まったりモードで400〜と書かれたプラカードの列に大人しく並んだ。
私たちのいた番号のあたりには、出演を予定されている4組のファンが比較的まんべんなく混ざり合って並んでいた感があったが、その前の列の1〜300番台の場所には思い思いの衣装に身を包んだお嬢さんたちが。 その一見バラバラなようでいて、実はある法則に則って揃えられているかのようなコスチュームがいちいち素敵で可愛くて、見ていて飽きることがない。 そういえば、午前中も遊園地のあちらこちらでもよく見かけたなあ。 今日はきっとトリであるだろう彼女たちのお目当てのアーティストは演奏は一切無しの「トークライブ」だということで、きっと朝早くから(多分一部は前夜から)気合十分に着飾って集まるファンがこんなにいるバンドの演奏を見ることができないということが本当に残念だった。
振り返って(笑)わが精鋭たちは……? 着飾ったお嬢さん達の他は、いったい誰がどのバンドのファンなんだか……なんとなーく雰囲気からわかるような……けれど厳密なところ全然わからないような……私や息子のように椿屋Tシャツを着た(頑張り過ぎ 笑)人も本当に数えるほどしか居ず……まあ、場所が場所ですから当たり前なんですが……なんとなーく寂しい思いが(笑)。 こういうイベントの時こそ、自分の主義主張をはっきりさせようよー、みんなー。 ナイトメア・ファンの子達はファンであることをしっかりと主張して、そのことに誇りを持っているということを感じるにつけ、椿屋ファンももっと頑張ろうよう……とこれは、ただの椿屋バカの戯言なので、軽くスルーして下さい。はい。
そんなこんなで、やがて整理番号100番づつの列が、集合場所から係員に引率されて、先ほどリハーサルの音が聞こえてきていたシャッターのある建物へと誘導されることに。 結局、その時点で600番代ぐらいまでの列が出来ていたように思うが、それって果たして多いのか少ないのか……事前に電話で現地の事務所に問い合わせた時は、 「キャパが埋まる、ということはまずありませんのでご安心下さい」 という説明だったのだが、誘導された建物内前方には目視で間口約14、5メートル(AXが約14メートル、渋公が約20メートル)の立派なステージが。 入り口で4組のグループのフライヤーを手渡され、椿屋さんのそれをそこで初めて(笑)見ることに。他にはナイトメアさんの複雑な折り方をされたフライヤー(?)で、彼らがこの秋初めての武道館ライブを開催することを知る。 朝早くから、しかも「トーク」のためだけに気合を入れて着飾って来るファンの子たちが、自家用車でなければ決して交通の便が良いとは言いがたい場所にこんなに大勢集まるという状況があって、初めて「武道館」というものが実現するのだなあ、と……少々変な実感の仕方ではあるが、非常に納得をした。それから考えると、椿屋さんは本当にまだまだ……まだまだこれから始まったばかりなんだなあ、と、少々遠い目に(笑)。 いや、こちらもいつかは絶対に実現するんだけどね。
会場のフロアにはパイプ椅子が整然と並べられ、整理番号順に次々と着席させられる。 前後2ブロックに分けられたその2ブロック目の前の方に着席し、4組の最新シングルと思しき曲が順番にグルグル流され続けている会場で、ひたすら開演を待ち続ける。
やがて司会のCBSラジオのパーソナリティ女性のとんでもなく甲高い声で様々な注意がレクチャーされる。 曰く、これはラジオの公開録音でもあるので、拍手はとにかくしっかりとするように、会場にはイベントが終了するまで、しっかりと残っているように……などなど。 入ってすぐに、ステージ上に非常に見慣れた赤いドラムセットが見えたので、ヤムヤムオレンジさんよりは出番が前だ、とはわかったものの、その他のアンプ……特にやっちんのものがなんだか見慣れたものではないような気がして一抹の不安を感じつつ、出演の順番は、SHOWTA.くん、椿屋さん、ヤムヤムさん、ナイトメアさん、の順だと告げられる。
SHOWTA.くんの曲はなんとなく知っていたものの、シングル4曲をカラオケで歌う彼の歌唱力にびっくり。CBSラジオでレギュラー番組を持っているとは信じられない19歳のトークの幼さ(笑)とは比べ物にならないその歌声に、この人は音楽こそが自分を表現する一番の武器なのだろうなあ、と妙な感心の仕方をしたりして。 そして、この後に出てくる我がロックスター、せめてトークでは(笑)お兄さんなところを見せてくれ、などとこれまた妙な緊張を強いられることに。 内心、このSHOWTA.くんの素晴らしい歌を聴いた直後に、我がロックスターの歌声がどのように私の耳に届くのか、という楽しみも持ちつつ、ステージ袖でSHOWTA.くんと司会の女性との軽いトークのバックでスタッフがせわしなく楽器をセッティングしていく。
やがて、セットアップが終了し、 「次は椿屋四重奏の皆さんです。カッコいいよぉ!!」 という司会の紹介の後、しばらくして照明が落ちた中、無音のまま(笑)、いつもの順番(りょうちん、やっちん、たかしげ、中田君)で椿屋さん、ゆっくりとステージに登場。 ……ただ、登場が「無音」であったため、よく昔の漫画で使われていた 「しーーーーん」 という表現がぴったりな登場シーンに……それぞれが楽器を持ちスタンバイする間もその「無音」状態が続く。 ステージ登場のタイミングが非常に微妙だったため、会場はどのようなリアクションをすればいいのか、完全に戸惑った状態で彼らを迎えることになり、私も何か声出したいのだが、そのタイミングも掴めない……と、中田君がステージ中央でギターのストラップを担ぎ上げながらマイクの前に歩み寄って、一言 「おい、静かだな」 ……非常に兄貴なその口調にナイトメアさんのファンに埋め尽くされた会場前方はざわめき、私はニヤリ、と頬が緩む。 そして、 「あー、俺たち、一応ロックバンドなんで、みんな、立って、立って下さい」 という声に応じて、全員立ち上がる。 なんかね、この時の中田君の口調がとても余裕が感じられて、その前に年若いSHOWTA.くんを見たばかりだったから余計にそう感じたのかもしれないのだけれど、メンバーもものすごく頼もしいお兄さん集団に見えて本当に大変失礼ながら、正直に言ってすごくびっくり(笑)。 なんか、本当に大人になったねえ、としみじみしている間もなく、「幻惑」のコードがジャーン!と鳴り出したのだけれど、リズムが何か変(笑)。 案の定、ワンフレーズで直ぐに音がストップして、 「はいっ……というわけで、みえ(三重)ーっ!!……椿屋四重奏です。」 客席はここでドッと沸く。 そのハズしのタイミング、間が絶妙で、隣の男性にも 「何だ、コイツ、おもしれえ!」 と大受け。
掴みはオッケーね。
で。改めて「幻惑」がスタート。
この「幻惑」がまたちょっとびっくり。 まず、テンポが少し遅くて音がすごく重い。 そして、リズムがよりダンサブル。 テンポによって「ロック」な曲と思われている「幻惑」だけれど、実は元々サンバのリズムだったりするこの曲。そういえば「小春日和」も実は完全なるサンバで、和風メロディーがあのリズムに乗るところがなんともいえない魅力であるのだけれど、こうしてあらためてそのリズムをしっかりと強調されると、「腰でヨコに乗る」椿屋の音楽がとても素敵なことを改めて認識しなおす。 ただ……私より前のお嬢様方は乗り方がわからない(?)のか棒立ちの姿も多く見受けられてちょっと残念。 その中にもちらほらと腕を高々と突き上げてピョンピョン飛び上がってる同士を見て、私も勇気を貰い、それまで少し遠慮していた気持ちをそっと棚の上に置いて、いつものノリで音を楽しむことに専念する。
次の曲は只今絶賛売り出し中のシングル「LOVER」 この流れは4月9日のオールナイトニッポンイベント“らいぶはじめまAX!!”と同じで、曲世界の繋がりとしても最強のカップリングだと思われる。 この曲はやっちんのレスポールのアルペジョから始まるが、この日のそれは、その直前の「幻惑」の遅めのテンポのせいもあったのか、少しばかり遅すぎて、横に並んだ中田君がピックを持った手をグルグル回して「巻き」を促す場面も……しかし、そのテンポも完全に戻りきらないうちにリズム隊も加わり、こちらもかなり重い「LOVER」に。 元々重い曲が更に重くなり、こちらは完全に「ノる」というよりは「拝聴」(笑)という状態に。 ずっと音源を聴き倒してきて、ここにきて、初めて生の演奏で聴けることになった「LOVER」。 想像の上では、とにかく「重い」のだろうなあ、という漠然としたイメージしか沸かなかったのだが、こうしてその「重さ」を実感すると、そのトンでもなさにひたすら圧倒される。 この日の音響は、ホールの壁の素材や高い天井もあったと思うが、残響が強く、特にエコーが強調されたボーカルは、少しばかり惜しい気がしたが、悪くはなかった。 ただ……やはり少しテンポが重すぎたことがボーカルに非常に負担が掛かったのだろう、ラスト近くファルセットになるべき声がちゃんと出ていなかったのがちょっぴり残念だった。 けれど、TVで切り売りされた薄口の「LOVER」に欲求不満が溜まりに溜まっていた私にとって、この日の正に「ドロドロ」とした「LOVER」はその世界を十分に堪能することができ、とても満足できるものだった。
ここで中田君はギターを下ろし、スタンドマイクの調節をして「紫陽花」に。 その前に、 「こんばんはー、あ、こんばんは、じゃないか。」 と、自分突っ込み(笑)。 俺たち真夜中が似合うバンドなんで、こんな時間に起きていることがない……というようなことも。そして、 「聴いて下さい、紫陽花」
この曲も、やはりテンポゆっくり目(?)。 そして、この時ほど、ボーカリスト・中田裕二のその歌唱力を実感したことはない。 先のSHOWTA.くんの透き通った声や抜群のリズム感にすっかり感心していた私だが、この中田君の会場全体を巻き込んで包み込んでしまうような伸びやかな声と“椿屋サウンド”が作り出す大きな世界の美しさと、そして何よりもセンターにバンドを背負って立つ中田君のその存在感に、改めてこのバンドのファンを続けてきて良かった、と嬉しくなってしまう。
この日の中田君はいい感じに肩の力が抜けていて、非常にリラックスして所謂「アウェー」の会場の雰囲気を十分に楽しんでいるように見えた。 ナカノから半年、こんなに椿屋四重奏に会えなかったのは、2005年の春にファンになってから初めてのことで、実はこの日も信じてはいたものの、一抹の不安を抱えながらの今年の椿屋初ライブだったので、本当に嬉しかった。
ここまでは、先月のAXと同じセットリストであったわけだが、ここで、ハンドマイクになった中田君が 「サイレンス!」 と叫ぶ。
「えっ?」
と不意打ちを食らった思い。 まさかこの曲が来るとは。
この後同じくハンドマイクの螺旋階段に繋げるのなら、同じくハンドマイクの曲の方が流れがスムーズなのだろうし、曲のテンポや客層から考えると同じくハンドマイク曲の「熱病」や「共犯」よりはマッチしているのだろうと思うのだが……ここで、やらかしてしまいましたよ(笑)御大将は。
曲の半ば、「回転灯にサイレン……」のあたりから歌詞が怪しくなってきて、私のところからステージまではかなりの距離があったのだけど、中田君の口元が緩んでいるのが見える(笑)。 ……その後、歌詞は完全に「宇宙語」に……(笑)
多分、初めてのお客さんには何もわからず、ギターリフが強調されたちょいとイカれた曲、という印象を与えたに過ぎないのではないかと思うのだが、歌詞の失敗のために、中田君はいつもの「狂気」に完全に入り込めず、ただの言葉遊びをしているだけの曲、という感じになってしまっているのが本当に残念だった。 この曲は、どうせ歌詞にそんなに意味がないのだから(失礼 笑)「宇宙語」になっちゃったのならそのままの「宇宙語」でトコトンイッちゃえば(笑)それもまた面白かったのに……とも思うわけなのけど、中田君、こういうところが妙に「真面目」(笑)でアドリブが利かない。そこがまた良いところなんだけど(笑)。 まあね。 これだけライブをしていないと「ライブ筋」や「ライブ勘」がかなり落ちているだろうから、仕方が無いのかもしれないけれど……しかし、それまで完全に椿屋四重奏の世界を作り上げてきていただけに、返す返すも残念だなあ、と。 今度見るときは、いつもの「いっちゃった★サイレンス」が見たいなあ。
で。
「これで最後です」 ……シーン…… 「おいおいおい………」 会場、どっと沸く。 「……これで最後になります」 「エ゛〜〜〜〜〜〜っ??!!」 「ありがとう(にっこり)。螺旋階段です」
というコミカルなやり取りがあって、「螺旋階段」。
ここで中田君、会場にオーバーヘッドハンドクラップを促す。 皆さん、それに従う。良い人たちだ。本当にありがとうございます。 先ほど他のバンドファンの男の子たちに「カッケー」を連発させていた曲。 そして、これもまたばりばりのラテンのリズム。 ステージ上のうた歌いはその幅いっぱいに左右に歩き回り、何時もにも増して派手なジェスチャーで報われない恋に翻弄される男の姿を歌う。 そのポーズの一つ一つがいちいち決まっていて、改めて 「成長したねえ……」 としみじみ。
この日の音は終始、「重かった」です。うん。 やっちんのアンプヘッドがオレンジじゃない……先日のNHKミュージック・ジャパン出演時はいつもの機材だったように思うのだけど、もしかして変えた?それに、もしかすると、中田君のも変わってる???でも……ステージから遠いからはっきりとは解らないなあ……もしもご存知の方がいらっしゃったら教えていただきたいですが、そういうことも影響しているのか、とにかく「重厚」という言葉がぴったりのサウンドで、たったの5曲ととても短いパフォーマンスでしたが、物足りない、という気持ちよりむしろとても満たされていた自分に自分で驚くほどでした。 やっとのことで久しぶりに聴けた音が予想以上にエキサイティングなもので、来月の「熱視線」が本当に楽しみなものとなりました。
その後のエピソードについては、後述するとして、とりあえず、ここまでを第一弾としてUPさせていただきます。
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