| (13) 天使イブリーズ(イスラム教) |
投稿者:ジュン
MAIL
URL
|
名称:絶望、断念 役割:人間を悪の道に誘う
人間にひざまかず、神の怒りを買った天使 イブリースの別名は ・エブリース ・ハリース である。
この天使はイスラム教のなかでも一風変わった天使として知られている。
キリスト教的な解釈をすれば、彼は明確に”堕天使”といえるだろう。
しかもイブリースはサタンの役目を演じているのである。
さて、すでに述べたように、神が最初の人間であるアーダムをつくり、彼にあらゆる事物の名前を教えて”神の代理人”とし、天使たちの上位に人間を位置させた。
「コーラン」では、アッラーが陶土をこねて人間の形をつくり、それに息を吹き込んで生命を与えたのち、周囲の天使たちに、人間の前にひざまずき、礼拝するように命令した。
天使たちは一斉にひれ伏したのに、イブリースだけはひれ伏せなかった。 イブリースの主体は妖霊ジン? ところで、このイブリースは神がつくった天使ではなく、イスラム以前からアラブ社会の俗信として存在したとされている妖霊ジンであるという説がある。
「アラビアン・ナイト」でランプをこすると出現する巨人、あれもまたジンの一種である。さて、ジンには悪いジンと善良なジンの二種類があるとされる。
ふだんは不可視の存在だが、凝結すると煙が雲のような気体状となり、やがて固体になるという。
蛇をはじめとする動物に姿を変えることがすくなくない。
彼らジンは、神によってアーダムがつくられるより2000年前につくられたとされ、その知力、体力は人間に勝ることから、さまざまなエピソードを生みだしている。
いたずら好きで、ときには人間を死にいたらしめたりすることから、人々は護符としてスライマーン(ソロモンのこと)の名前を使う。
また、ジンに取り憑かれた人間のことをマジュヌーン(狂人)と称する。
憑かれた人間は、雄弁多才とされ、詩人、歌手、巫女、占いなどに能力を発揮するという。
”憑かれ者”が聖者あつかいされる例もすくなくない。
ついでに、アラブでは三種類の精霊が認められている。天使、ジン、そして悪魔である。
以上がイブリースです。
|
|
2002年11月17日 (日) 01時42分 |
|