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[89] 生活 四季 - 2004/07/30(金) 09:06 -

七月の頭のある日
ジリリリリリー!!
朝7時を知らせる目覚ましが鳴る。
「・・・・」
ベットの中の少年は、まだ起きない。しかし目覚ましは容赦無く鳴っている。
「ん・・?」
少年の手が目覚ましを掴み、壁へと投げる。
こうして目覚ましの一生は終わった・・・。
「だぁー、眠い・・・。」
と言いながらも身を起こす。同時に全身が筋肉痛を知らせる。
「ぎゃー!・・・痛い!」
叫ぶ。その目には涙。しかし、その体を動かし湿布を探しに薬箱を開ける。
この少年は安匠桂吾。
近所の県立進学校に今年入学
三年間続けたソフトテニス部に所属
身長が高い所為か後衛から前衛に転属。
昨日は二泊三日の合宿から帰ってきたところだ。
「てか、普通あんな合宿の後に一日の練習なんて入れるか?しかも前にされるし!確かに175はあるけどさぁ」
部活の愚痴を呟きながら体中に湿布を貼る。
さすがに臭い。
しかし本人はもう慣れているのか。何とも無いようだ。
「よし、飯でも食うか」
階段を下りていく。

[94] 四季 - 2004/09/28(火) 22:23 -

階段を下りて食卓へと行くと朝食が並んであった。
そして紙切れも…
「ワリィ。アレだ。友達とぶらついてくる!Byやさしい従兄の隆也」
そう、彼は従兄と二人暮しをしているのだ。
しかし、親が居ないわけではない。
旅行マニアなのだ。なので家どころか日本に居ることすら少ない。
親の代わりに従兄の所で昔から世話になっているのだ。いわば隆也は兄弟以上、親未満なのだ。
そんな親代わりの置き手紙を見てみる、観てみる。
「こんな時間に何処行く気さ…」
呆れてしまい。
それとなく裏に返してみると「何処行くかって!?燃える漢のフィッシングさ」なんて書いてあったりする。今度は何も言う気は起きなかったようだ。
かわりに紙切れはグシャグシャに丸められ、ライターで燃やされた末に庭に埋められた…。
そして気を取り直して朝食を取り、部活に行くために玄関へと急いだ。

[96] 四季 - 2004/10/02(土) 23:19 -

お気に入りのシューズを履き、弁当しか入っていないカバンを手に持ち玄関を勢いよく飛び出す。
学校は近い。
信号を五個ほど過ぎれば着く程度だ。
「時間的にも余裕があるからコンビニにでも行くか」 入り口に立ち、トビラに手を掛けたその時、
「おぃ!!桂吾!」
後ろから声がかかる。
振り替えると、
「なんだ…夕也かぁ」
幼なじみ&同級生&同じ部活&同じ誕生日の真田夕也が居た。おそらく早く着過ぎたので暇を潰しにきたのだろう…。
「よぅ、この前の約束守れよ?う○い棒全種奢るの」
「は?何の話しだよ?」
「忘れんな!!俺の100貸したろ!?そん時言った!!」
まぁ、夕也は結構ガキっぽかったりする。身長は大した差は無いのだが…
「あぁ、アレはノリだよ」
「ざけんな!?んじゃ、今返せ〜」
「んじゃ、来週な。隆也兄さんが来週給料日なんだよ。すなわち俺の金が入る日だな。」
「まじ!?」
「あぁ、まじ〜」
かと言って半年も延ばされたことも沢山あるのだが…夕也は気が付いてない。
ふと時計を見ると時間が近づいている。むしろ急がなくてはならない。
「んじゃ、行くか〜。話しが過ぎたな。」
「マジだ!?ヤベ!!」
二人は学校に向かって走って行った。



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