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[71] replace りんな - 2004/03/07(日) 13:23 -

「ハァハァ…やっぱり『来栖りん』ちゃんは歌も上   手だし演技も上手いな〜。」
と、アニメ番組『らぶらぶ♪アーチャー』のエンディングを見ながら萌えているのは有沢神慰遊(ありさわ かみーゆ)16歳。
「やっぱり声優って素晴らしいな、お前もそう思うだろ?」
「は?私は別に興味ないわ。それにお兄ちゃん、いい年してアニメなんて見ないでよ。」
小学6年生の少女は冷たく兄に言い放っていった。そして鋭い眼光で
「二菜、お前は何もわかってない…確かに俺は高校1年生だ、でも年齢なんて関係あるのか?俺たちの父さんを見てみろ!!!!」
「うっ…」
二菜は恐る恐るゴッツイ体の男の方を見て
「あんな奴の血が混ざってると思うとムシズが走るわよ!」
「バカヤロー!俺たちの父さんはとてもすごい人だと思う。」
神慰遊にそう言われた父親は照れながら
「ま、神慰遊とはジャンルが違うけどアニメ好きなことにはかわりないな。」
このゴッツイ体の父親はロボットアニメが大好き。
家中にプラモデルが飾ってある。
「でもアニメが好きなことにはかわりないよ。俺はやっぱり萌え系が好き♪」
「あひゃっはっはっは!」
男二人が大笑いしてるのを鋭い眼光で見ている二菜、やがて呆れた顔をして自分の部屋に行った。
「それにしてもお前、声優好きなんだからもちろん声優を目指してるわけだよな?」
「んー…俺は確かに声優好きだけれども演技したりするの苦手でなー。」
「来栖りんちゃんと共演したいだろう?」
神慰遊は下を向きながら
「もちろん、でもやっぱり苦手だよ。だからアニメーターにでもなろうかなって思ってるよ。」
「まぁお前の人生だ、好きにしなさい。」
そんな”親子らしい会話”をしていた。急に父親が頬を赤らめながら
「ところで神慰遊よ、お前何属性だ?」
「はい!?なんだろ、わかんないや…」
「妹属性なのか?」
父親はニヤニヤしながらいやらしい目で聞いてきた。
「ん〜…それは絶対にないよ。」
「そうだよな、お前が妹属性だったらとっくに二菜を…。」
「・・・・・。」
この親父、相当キテるなと思いつつ神慰遊は自分の部屋に戻った。
部屋にはフィギュアがいっぱい棚の上に置いてあり、アニメのDVDはもちろん声優のライブのDVDもずらっとアイウエオ順に置いてある。本は数え切れないほど多く本棚に敷き詰められている、その中に同人誌もちらほら・・・。
壁には声優のポスターやアニメのポスターやゲームのポスターも貼られている。
「来栖りんちゃん…あぁ、君はどうしてそんなに美しい声をしているんだ、もし俺がその声で女の子だったら絶対に声優になってるだろうなぁ…。」
神慰遊はポスターを見ていたら眠気が襲ってきた。
「そろそろ寝るかな、りんちゃんオヤスミィ〜。」

神慰遊はその夜いつも以上に『来栖りん』への想いが強かった。自分が来栖りんだったらどんなに楽しいんだろう他の有名声優と一緒に演技をするってどんな気持ちなんだろう。そんな想いが神慰遊の頭の中をかけめぐった。
そして一番強い想い
それは…『来栖りん』になりたい…。

朝、神慰遊は目を覚ます
「ん〜ぁ〜〜・・・・え!?」


つづく!

[73] 『来栖りん』 りんな - 2004/03/10(水) 21:23 -

来栖りん―――。
現在23歳で22歳の時にアニメ『くノ一エンジェルズ』でデビュー。
『くノ一エンジェルズ』で『希汰那(キタナ)』という役をやっていた。
その愛らしい声に誰もが萌えた。
そして、子どもと一緒に見ていた父母や祖父母も萌えた。
りんが人気声優なのは、その愛らしい声だけじゃなく演技も評価されている。
やがて『くノ一エンジェルズ』も終わり、りんは初シングルCDを出した。史上初、声優ソングがオリコンで1位という快挙も成し遂げた。
りんはラジオのパーソナリティとしても活躍しており、いつもメールやFAXが殺到する。

『来栖りん』は声優でNo.1と言っていいほど人気のある声優なのだ。
そんな『来栖りん』の日常生活とは…。

りんは今日もアニメ『らぶらぶ♪アーチャー』のアフレコをしている。りんは主人公役の『アミー』という役を演じている。
「さぁ、死をもって償え!」
格好よく決めゼリフを言った。今は敵を倒すシーンのようだ、アミーが弓を敵に向かって射った。
「この、ブス〜〜〜!覚えてろよー!!」
敵は体から光を放ち消えてなくなった。
なんとも口の悪い敵だ。
「ハイ、OKです。お疲れ様でしたー。」
アフレコが終わったようだ。
「おつかれさまでしたぁー。」
りんは出演者のみんなに一礼をした。
監督がりんに駆け寄ってきた。
「いやー、りんちゃん今日もよかったよー。この調子で次もお願いしますよ。」
「はい、次もがんばります♪」
りんはそのアフレコ現場を立ち去った。
そして、りんが向かった場所はラジオ局だった。
りんがパーソナリティを勤めるラジオの収録をするためだ。
「こんばんはー、今週も始まりました『りんのクラッシュタイム』みんな、今週もいっぱいのメールやFAXをありがとう♪」
りんは上機嫌で番組を進行していく。やがて番組も終盤にさしかかってきた。
「さあ、今週も楽しんでもらえたかな?そろそろお別れの時間です、お相手は来栖りんでした。また来週お会いしましょう、バーイバーイ。」
ラジオの収録も終わり、りんが帰宅したのは午前0時だった。りんはほぼ毎日この時間に帰宅をするのだ。
「はぁー、毎日疲れちゃうなー…好きな仕事が出来て多くのファンがいてくれてありがたいのはわかってる、でももう少し休みが欲しいよー…。」
りんは毎日がハードスケジュールで体はボロボロだった。アフレコをしたりラジオの収録をしたりアニメ雑誌のインタビューに答えたり歌の収録をしたり声優雑誌で掲載する写真を撮ったりと、とにかく忙しい日々を送っていた。
「そろそろ寝ようかなー…んにゅぅ〜。」

その夜、りんは休みが欲しいという想いがいつも以上に強かった。たまには友達と買い物にいったりカラオケにいったりと、そういう『遊び』がしたいのだ。
りんは声優になってから遊ぶヒマなんて全然なかった。とにかく友達と遊びたいのだ。だからこそ、休みが欲しいという願いが日に日に強くなっていった。
そして今夜その想いが絶頂になった。
休みが欲しい…。
本当に少しの休みでいいの…。

朝、りんが目を覚ます
「あ〜〜あ〜〜あ〜〜…あー!?」


つづく!

[74] パニック りんな - 2004/03/12(金) 00:41 -

「何だコレ!?」
神慰遊は自分の声の異変に気付いた。いつもは高校生とは思えないほどの少年声だが今日は違っていた。
「こ、この声はもしかして…来栖りんちゃん!?」
神慰遊は自分が今どういう状況なのか理解できなかった。それもそのはずだ、朝起きたら自分の好きな声優の声になっていたのだから。そして、神慰遊は何とかこの状況を理解しようとベッドから上体を起こし辺りを見渡した。そこは神慰遊の部屋ではなかった。ぬいぐるみがベッドの中に置いてあったり、化粧品が鏡台に置いてあったり、そして匂いが違っていた。この部屋の匂いはシャンプーと香水の匂いが混ざったような匂いがした。それは神慰遊にとって女の子らしい匂いだと感じた。とりあえず神慰遊は近くに置いてあった手鏡を見た。
「まぁ、大体この状況からいくと展開はわかっていたよ…これって夢だよね?」
そう言うと神慰遊は自分の胸に逆水平チョップを喰らわせた。
「うん、危なく心臓が止まるところだった。それにしても…。」
いつもなら胸も痛いが手も痛い。しかしやはり今回は違った。神慰遊の本来の体にはない二つのふくらみが手の痛みを感じさせるのではなく、心地よさを感じさせてくれたのだ。
「俺って今、りんちゃんの胸を…?!!?????!?!?!?」
神慰遊は顔を赤らめつつも、この状況をどうにかしなければと思っていた。そこで自分の家に電話をすることを思いついた。神慰遊は電話機の方へと向かって歩いた。受話器をとり、自分の家の電話番号をプッシュした。
ピポパポペポ…トゥルルルルルル、トゥルルルルル、ガチャ!
「もしもし、有沢ですけど。」
「あ、もしもし、お母さん?」
「はい?」
どうやら相手は母の冨美のようだ。しかし母は間違い電話かと思った。何しろ娘の二菜は居間でテレビを見てるので確実に自分の娘ではないことは確かだ。自分の娘以外の人に女の子声で『お母さん』なんて呼ばれたら、やはり間違いだと思ったのである。
「俺だよ、神慰遊だよ!」
「えっと…あ、わかったわ。今流行の”オレオレ詐欺”かしら?」
「違うよ!」
納得してもらえるわけもなかった。何しろ神慰遊は男であるから、明らかに声が違ったのである。
「違うって言われても…神慰遊は今自分の部屋で寝ているしねぇ…。」
「え、じゃあその神慰遊に代わって!」
「じゃあやっぱりあなたは神慰遊じゃないってわけでしょ?」
「俺は神慰遊だよ!!」
「あ、わかった、あなたもしかして神慰遊の彼女?」
「んなわけないだろ!俺は男だー!!!!」
「どう聴いても女の子にしか聴こえないけど…まぁ、いいわ、どうせあなたとこのまま話しててもラチがあかなさそうだしね。」
神慰遊は小声で
「あなたが低脳なだけでしょ…。」
「何か言いました?」
少しキレ気味で母は言った。
「いえいえ、それより早くその神慰遊と代わってください。」
「わかったわ、ちょっと待っててね。」
母は神慰遊を起こしに神慰遊の部屋に向かった。そしてドアを叩き中へ入っていった。
「ほら、起きなさいよ!いつまで寝てるつもり?あなたに電話がきてるわよ!」
神慰遊と呼ばれる男は目を覚ました。
「あ〜〜あ〜〜あ〜〜…あー!?」
神慰遊と呼ばれる男は何かビックリした様子だった。
「さっさと下に来なさいよ。」
母はそう言って1階に行ってしまった。
「さっきの人…だれ?え、ここってどこなの?それに何よこの声は!?」
りんがオドオドしていると下から声が聴こえた。
「早く降りてきなさい!早く出てあげないと切られちゃうわよ?」
「え?は、はい。」
とりあえず今は下に下りることが一番優先しなくちゃいけないことらしいと、りんは思ったので一階へ下りて行った。
その途中に自分の体を見て、何で男の子の体になってるの!?と思いつつも早く電話に出なくちゃ、さっきの人に殴られるような気がしたので電話機のあるほうへ向かった。


つづく!

[78] 初遭遇 りんな - 2004/03/16(火) 23:53 -

りんは恐る恐るその受話器を持った。
「も、もしもし・・・?」
神慰遊はその声を聴いて驚きを隠せない様子だった。
「俺の声じゃん!」
そしてまた、りんもその声を聞いて驚いた。
「わ、私の声?え、もしかしてあなたがこの体の主なの?」
「え、あ、そういうことになりますね・・・っていうか、俺りんちゃんと今話してるぅーーーー!」
神慰遊は、大好きな人と話してると言うことで、かなりテンションが上がっていた。
今にも受話器を抱きしめんばかりの勢いだった。
「え、私のこと知ってるですか?」
やはり声優を知ってる人は限られてくるものだ。しかし、自分を知ってると言われて、りんの顔が嬉しさほころんだ。
「俺、すっっっっっごく、りんちゃんのファンなんです!!!『くノ一エンジェルズ』の時からずっと好きでした!あと、ラジオも毎週聴いてますよ!!」
りんにとってその言葉はとても嬉しかった。
「ありがとうございます!これからも応援してね♪」
「元の体に戻れたら・・・ね。」
「そ、そうよね。んー、どうしよぅ・・・とりあえず、あなたと会いたいわ。それから色々と試してみましょうよ。」
神慰遊はその”色々と試してみましょう”という言葉に敏感に反応をした。
「その・・・色々ってどういうことでしょうか?」
「んー、あ、例えば二人で手を繋いだりとか、見つめ合うとかかなぁ・・・。」
「そ、そうですよねー。」
それだけかよーーーーーーー。
神慰遊は心の中で絶叫した。思い描いてたものと少々違っていたからである。
「キ、キ、キスとかで直ったりして、あはは・・・。」
「・・・。」
りんは無言だった。神慰遊はこれはマズイと思って前言撤回をした。
「ご、ごめんなさい!冗談ですからね?ホントごめんなさい!!」
「え、どうして謝るの?もしかしたら有りうるかもしれないよ?」
神慰遊は、その言葉を聞いて安心をした。と、同時にますます、りんのことを好きになった。
「そうだ、りんちゃんさ、うちの家族の人たちを説得できる?俺が何を言っても無駄なんだよねー。」
神慰遊は先ほどの母との会話を思い出し、何とか理解してもらう方法はないかと考えたが、自分が何を言ってもダメなものはダメだったので、りんに説得してもらうようにと思った。
「あなたが言ってダメなものを私が言って理解してくれるかしら?」
りんは、神慰遊に対して”あなた”と言ったのが自分の中で気に入らなかった。初対面の人に失礼だと思ったからである。
「あなたっていうのは失礼よね、お名前教えてくれる?」
神慰遊は自分の名前をあえて言わなかった。
「俺の名前は『好声(こうせい)』だよ」
りんは、この名前を聞いてピンと来た。
「好声さんだったの!?うわぁ〜、いつもメールありがとうね!」
りんがパーソナリティをしてる番組に毎週メールを送ってくれるので、りんも覚えていたのだ。
「俺のこと知ってるなんて、くぁーーーー嬉しいっす!」
「私だってメールに目を通してるのよ?あ、それから本名のほうを教えてほしいなー。」
「あ、そうだね。本名知らないと何もできないですものね、俺の名前は有沢神慰遊と言います。」
「珍しい名前ねー、よろしくね神慰遊くん。」
神慰遊は今度は声に出して絶叫した。
「うぉ〜〜〜〜俺の名前を呼んでくれたー・・・でもこれって俺の声だぁー・・・。」
「自分で自分の名前を言ってみたらどう?」
神慰遊は自分が、りんの体になってるのを今フルに活用できる時だと思い、自分に自分の言って欲しい言葉を言った。
「大好きだよ、神慰遊くん。」
うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!
神慰遊は今自分が言った言葉を録音したい気分だ。
「あのぉ、神慰遊くん?とりあえず私、神慰遊くんの家族に説得してみるから、神慰遊くんは仕事に行ってくれる?」
「えっ!?俺が仕事に行くってことはアテレコをするってことですか!?」
「うん、そうなるわね。」
あっさりとりんは言い放った。
「わ、わかりました。大好きなりんちゃんの頼みだ、行きます!」
「ありがとう神慰遊くん!とりあえずもう仕事の時間だから行ってくれるかな?」
「は、はい。とりあえず行ってきますね!説得よろしくおねがいしますよ。」
「任せておいて、こっちはこっちで何とかするわ。」

ピッ
こうして電話を切った。とりあえずそこら辺にあった服を着た。
「ブラジャーのつけ方わからない・・・もうどうしたらいいんだー!!」
神慰遊の方は悪戦苦闘をしている。
10分後、神慰遊はなんとか服を着た。そして次に化粧をしようと鏡台の前に座った。
神慰遊は全く化粧の仕方なんてわからなかった。下手に化粧をして変な顔のりんの姿は見たくなかった。
「りんちゃんはノーメイクでも十分可愛い。」
そう自分に言い聞かせて、バッグを持ち外に出た。
「ここってマンションだったんだなぁ。」
神慰遊はジロジロと扉を見て戸締りをして、これからスタジオに向かおうとしたが、スタジオの場所がわからない。
神慰遊が困って突っ立っていたら、隣の扉から人が出てきた。
「おはよー!」
神慰遊に挨拶をしてきたので
「あ、おはようございます。」
神慰遊は一礼をして顔を上げた。そしてその隣人の顔見て神慰遊は驚いた。


つづく!

[80] 先輩 りんな - 2004/03/25(木) 01:29 -

 そこにいたのは、スラっとした体型の女性だった。髪の長さは肩まであり、ツヤツヤしたその
髪は黒々してて、まるで碁石のような輝きを放っていた。
「し、しずっ・・・!」
 神慰遊はクマにでも会ったのかと思うほど体をビクっとさせて驚きのあまり声が出なかった。
 
 崎山 雫(さきやま しずく)―――。
 りんより3歳年上の先輩の声優で、『らぶらぶ♪ティーチャー』で共演し、りんのことを妹のように
可愛がっているのだ。ある日のアフレコの時に、りんがセリフをつっかえてばかりで落ち込んでた時に
アドバイスをしてくれたりするのである。
 りんが監督にセクハラされた時には、雫が監督に上段蹴りを喰らわせて
「もう二度とこんなことをしないと誓いなさい!そして、りんに謝りなさい。そして私のこ
とを女王様と呼びなさい!」
 と雫は言い放った。雫は少々Sッケがあるようだ。それ以来監督は、りんと雫を他の声優達と接す時
の態度より優しくなった。しかし監督は、雫に上段蹴りを喰らったのが悔しく、りんへのストーカー
行為を始めたのだ。だが、りんは誰かにつけられているというだけで、監督にストーカーされてるとは
思ってもいなかったのだ。りんは、気味が悪いということで雫に相談して、雫はりんの住んでる隣の
部屋に住むことにした。
 
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。それよりも、りんも早く行かないと遅刻しちゃうよ。」
 雫はそう言うと、神慰遊の手を引っ張り走り出した。そのうちに駐車場が見えてきて、雫が神慰遊の
手を離し、駐車場に停めてある乗用車の鍵を開け運転席に乗り込んだ。
「なにボーッと突っ立ってるのよ、さっさと乗ってよ。」
 雫は唾を飛ばしながら神慰遊に車に乗るように言い、神慰遊は慌てて助手席に乗った。
「それじゃぁ、スタジオまで直行よ!」
 雫は言葉をいい終えた瞬間エンジンをかけてすぐ、タイヤが空回りする音が聞こえて急発進をした。
「うわぁー。あ、安全運転でいきましょうよー!」
 神慰遊が『らぶらぶ♪ティーチャー』で演じてる、おっとりとした役とは正反対な雫の行動に戸惑っ
ていた。
「何言ってるのよ、間に合わなくなっちゃうじゃないのー。」
 信号が赤にかわったのにもかかわらず時速200キロで突っ走っていく。
「ま、まずいですよー。スタジオに着く前に警察に捕まっちゃ、もっと遅くなっちゃいますよ!」
 神慰遊は半泣き状態で雫に訴えたが、雫は無言のままさらにスピードをあげていく。神慰遊は顔を
真っ青にしながら死と隣り合わせの通勤を味わった。
「ほら、もうついたわよ。」
 10分もしないうちに目的地についた。安全運転をしていれば30分はかかる距離である。
「私の運転技術も捨てたもんじゃないでしょ?」
 そんな雫の問いに神慰遊は、まだ顔を青くしつつ雫の顔を見て、
「もっと早く起きますからぁー・・・安全運転をしてくださいねぇー・・・。」
 神慰遊はゆっくり歩きながらスタジオの中に入った。
「おはよー、りんちゃん。」
 そう声をかけてきたのは監督だった。監督は、少々息が切れてる感じだった。監督はスタジオに来る
に車の中で、りんの写真を見て、想像をふくらましてふくらまして如何わしいことをしていたのだ。
「それじゃ、声優さんみんな揃ったのでまずはテストに入りたいと思います。」
監督はハァハァ言いながら元の座ってた場所に腰を下ろした。
 テストでも緊張するな・・・。
 神慰遊はアテレコをするということが初めてのことなので、かなり緊張している。
「あ、あの、すみません。ちょっとここで台本見直してもいいでしょうか?」
 『らぶらぶ♪ティーチャー』の台本を見るということはテレビでまだ放送していない話を見るのだか
らネタバレになるので本当はあまり見たくないのだが、台本に目を通さなくては全くこれっぽっちもわ
わからないので、渋々台本を見始めた。
 こんな展開になるのかー、これを家のテレビで見たかったなー。
 そんなことを思いながら台本に目を一通り通した。
「そろそろテストのほういいかな?」
 監督はまだハァハァいいながら神慰遊に問い掛けた。
「ええ、OKです。それじゃよろしくおねがいします。」
 雫がこちらの方を見て、
「いつも通りにやればいいからね、リラックスして。」
 と、励ましてくれた。
 そして、とうとうテストがスタートした。



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