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一度書いている人は、次回から、自分の所にレスを立てて続きを書いていってくださいね^^


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[64] Tales Of The New Destiny クランジッド=ライアー - 2004/02/15(日) 08:48 -

「消える、消えると・・・、言うのかぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」


フォルテュナを倒した。
レンズも砕いた。これで、良いんだ。

これで・・・、良いんだよな・・・・・・。


全てが終わった。

みんな、消えていく。
「有るべき姿と場所に戻る」、
・・・って言った方がいいのかな。

みんなが戻って、オレが一人、残された。
今まで生きてきた中で、一番寂しい想いをしたのは今ぐらいだと思う。


ハロルド・・・・・・・・・。
ハロルドは、天地戦争時代に戻るんだっけ。
また沢山、悲しい想いをするのかな。
カーレルさんが死んだり、仲間が死んだり。
自分が作った武器で沢山の人が殺されたり・・・。
でも・・・・・・・・・。
大丈夫。ハロルドは強いんだ。
オレなんかが心配しなくたって。
大丈夫。大丈夫、絶対。


ナナリー・・・・・・・・・。
ナナリーは、ホープタウンに戻るんだよな。
『アイグレッテみたいに裕福な所は性に合わない』、
・・・・・・・・か。
今なら、その言葉に頷ける。
オレがナナリーだったら、オレもそう言う。
偽りの幸せは、
本当の幸せじゃ無いって、わかったから。
・・・・・・・・出来れば、
ナナリーの料理、もう一度食べたいな・・・。


ジューダス・・・・・・・・。
初めて会った時、オレも正直、
『なんだか冷たい人だな』って、思ってた。
でも違った。
本当は、とても暖かい人だった。
何だかんだ言ってオレ達の心配、してくれたし。
また、会えたらいいな。
会えたら、『ありがとう』って言いたい・・・・。


ロニ・・・・・・・・・・・。
ロニとオレは、同じ街、同じ時代で生きてるから、
また出会える。
新しい世界だったら、父さんも生きてるし。
もっと楽しい日々が送れる。でも・・・・、
新しい世界でも、オレの親友でいてくれるかな。


『歴史が修復されると共に、この旅の事も忘れる。』
ハロルドが言ってたっけ。
でも、それは悲しくない。
記憶が無くなっても、
オレ達の絆の存在は真実だから。


みんな、有るべき姿と場所に戻っていった。
でも、彼女は「消えた」。
もう会えないかも知れない。
でも、また会えるかも知れない。

・・・・・・・・・・・・。

いや、「会える」。
オレは、そう信じる。信じたい。
『奇跡』を・・・・・・・。


・・・・・・・・・やっぱり、オレも戻るんだな。
みんなとの旅、辛い事も沢山あったけど、
それ以上に、すごく楽しかった。

『みんな揃って旅に出る』。
そんな『奇跡』も、オレは信じたい・・・・・・。

[65] 『記憶』 〜漆黒の扉〜 クランジッド=ライアー - 2004/02/16(月) 20:58 -

「・・・・・。此処は・・・。」

空間。

何処だ、此処は。解からない。

しかし、心が安らぐ。

何も無い。壁も。大地も。

・・・いや、有る。それは、

『漆黒の扉』・・・・・・。

「・・・『扉』?」

ジューダス、いや『リオン=マグナス』は、

見えない何かに、『漆黒の扉』に、

導かれるように、

手を伸ばし、

扉の取っ手に手を掛けた。

途端に。

「!」

彼の目に飛び込んできたのは、

誰かの視界。

見覚えが有る。

「何だ、流れ込んでくる。
 これは・・・、僕の・・・、」

『キオク』・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「・・・う、ん・・・・・・。」

何故だ。
僕はスタンに敗れ、洪水に呑まれ、死んだ筈だ。
なのに何故、僕は生きている。
それに此処は・・・・・・、

『ストレイライズ大神殿』・・・・・・。
雰囲気が全く違う。
それに僕の体は見知らぬ黒衣を纏っている。
これは一体・・・。

「目が覚めましたか。『リオン=マグナス』。
 その服、お気に召しましたか?」

目の前には見知らぬ『男』と『女』。
僕は上半身を起こす。

「貴様等、何者だ?僕に何をした!」
「貴方を『蘇生』させて頂きました。
 無論、勝手だとは重々、承知しております。」
「『蘇生』・・・、だと?訳が解からんが、
 確かに勝手だな。余計な真似を・・・。」

「余計?まさかそんな事を言われるとは、
 心外ですね・・・。」
「僕は私欲の為にスタン達を裏切り、
 そして己の非を悟り、甘んじて死を受け入れた。
 だから余計だと言ったんだ!」

僕は、付近の机に置かれていた
『シャル』を素早く手に取り、構えた。

「『蘇生』が事実だとしても、
 如何にして蘇生させたかは知らないし、
 興味も無い。無論、礼も言わんぞ。」

『シャル』の柄をぐっと握る。

「僕に何をさせるつもりだ?」

その『女』は、白い顔に、冷たい笑みを浮かべた。
フン、気味の悪い奴等だ。

「そこまで察しが付くとは・・・。
 流石は『天才剣士』、と言った所でしょうか。」
「・・・・・・聞こえていないようだな。
 問うているのは僕だ。答えろ!」
「良いでしょう。私達に協力して頂きたいのです。
 『天才剣士』と謳われた貴方に・・・。」
「フッ、この僕に協力を乞うか・・・。
 己の名も言わずにか?とことん勝手な奴等だ。」
「それは失礼・・・。私は『エルレイン』。
 彼は『バルバトス』です。
 私達は世界を幸福で包む為、
 日々活動している者です。」

『バルバトス』・・・だと?

「『シャル』・・・・・・。」

「・・・バト・・・・天・・・に裏・・・り・・・、 ディ・・ロスが・・・殺・・・。」
「・・・・・・そうか。」

「・・・どうでしょう、協力して頂けますか?」
「その前にもう一つ問う。特殊な能力を持ち、
 天地戦争時代に地上軍を裏切った
 『バルバトス』が仲間だとなると、
 ボランティアでは無い様だな。真の目的は何だ?」
「・・・過去に移動し、歴史を変えるのですよ。
 この世界を豊かにするには、
 根本から世界を変えなければいけない。」
「『過去に移動』・・・、
 それも特殊な力の賜物か。
 ・・・ろくな話じゃ無いな。断る!」

僕はマントを翻し、外に通じる扉に歩む。

「何処へ?」
「言った筈だ。僕は貴様等と組む気は微塵も無い。
 これから一切、僕に付き纏うな。あと・・・、」

更に背で語りかける。

「スタン達ならば良いだろう。
 だが、貴様等が僕を殺すつもりなら・・・、」


『僕が貴様等を殺す。』


バタン・・・・・・。

「・・・勝手なのはお互い様、ですね・・・。」
「あのガキ、気に入らんな・・・。
 逃がして良いのか?
 何なら俺が斬り刻んで・・・。」
「いえ、結構。彼一人では何も出来ないでしょう。
 が・・・・・・・、」


『一応、彼のかつての仲間、"四英雄≠、
 消しておきましょうか・・・・・・。』


・・・・・・・・・・・・・・・・・。


ドンッ!!

「お見事、流石は坊ちゃま!
 あの巨大な竜も一刀両断!」
「騒がしいぞ、『シャル』・・・。」

竜の血に塗れた剣、
『ソーディアン・シャルティエ』が
僕に語りかけてくる。

「でもまさか、
 『バルバトス』が生きているとは・・・。
 しかもそれを可能にしたあの『女性』。
 奴等、何者なんでしょうねぇ。」
「僕が知る訳が無いだろう。」
「・・・・・・あの女性、美人でしたね?」
「折られたいか?」
「お断りします。」
「なら、黙っていろ。気が散る・・・。」
「・・・坊ちゃま、先程から何を?」

先程倒した魔物の戦利品の短剣で、
竜の首を斬り落とし、頭の皮や肉を削いでいく。
黒衣が、みるみる深紅に染まる。

「酷いですねぇ、坊ちゃま・・・。」
「魔物に掛ける慈悲は生憎、
 持ち合わせていないんでな、・・・・・・良し。」

骨のみとなった竜の頭を小川の水で濯ぎ、
マントで拭いた後、僕の頭に被せた。

「それは、『仮面』・・・ですか?
 何故、そんな物を・・・。」
「・・・僕はスタン達に詫びるつもりで
 甘んじて死を受け入れた。」
「はぁ・・・・・・。」
「しかし理に背き、現世に蘇ってしまった。」
「『仮面』と如何な関係が・・・、」
「僕が話しているんだ。黙っていろ。」

シャルを手に携えつつ、立ち上がる。

「だが折角取り戻した命。それを捨てる程、
 僕は莫迦では無い。」

空を見上げ、青天に手を伸ばす。

「だから、僕はこの『仮面』で僕を封じ、生きる。
 生きる意味を探す為に・・・。」
「・・・・・う、うう・・・・・。」
「・・・・・・シャル?」
「坊ちゃま、ご立派になられて・・・。
 嬉しい事、この上有りません・・・!」
「お前は毎度、大袈裟な奴だな・・・。」




『それに、生きていれば良い事も有るだろうしな。』




そして僕は、カイル達と出合った。
嬉しい事、この上無い。

あの青天を見た、あの時。
生まれて初めて、『生』を感じた。


カイル達との旅の日々、『絆』。
僕を覆い尽くす、青い空。

僕は忘れてしまうのだろう。

でも、忘れない。

「坊ちゃま・・・・・・。」

「ああ・・・・・・、行こう、シャル・・・。」


『扉』に伸ばした手、空に伸ばした手。

同じだった事も、忘れない。

[66] 『記憶』 〜黄金の大地〜 クランジッド=ライアー - 2004/02/17(火) 12:16 -

「・・・・・・あれ?ここ・・・・・。」

砂漠。

大地を覆い尽くす、黄金の砂。

やはり、見覚えが有る。

そう、此処は・・・、

「『カルバレイス』・・・・・・?」

何故、今、己が此処に存在するのか理解できない。

ナナリーは、辺りを見回す。

「・・・・・・あれは・・・・・・、
 『ホープタウン』!」

ナナリーは、

聞こえぬ声に、黄金の大地に、

導かれるように、

『ホープタウン』に向かって、

歩みだした。

直後。

「きゃっ・・・・・・・・・。」

砂嵐。

刹那の。

うっすらと目を開ければ・・・・・・、

「・・・やっぱりここ、『ホープタウン』だ!」

しかし、妙な感覚が付き纏う。

この感覚、何処かで・・・・・・、

「おい、見ろ!砂漠に子供が倒れてるぞ!」

思考に耽っていた彼女は、はっと我に返った。

「何処だよ!」

「そっちじゃ無ェよ!あっちだ、あっち!」

「二人だ!子供が二人いるぞ!」

『子供』が・・・、『二人』・・・?
それって、もしかして・・・・・・、

『あたしと、”ルー=x・・・・・・?

ここは過去のホープタウンで、
あの子供はあたしとルー?

いや、違う。過去じゃ無い。

『キオクの中の、世界』?



宿。

「お前、アイグレッテから来たんだってな。
 病気の弟を連れて。」
「うん・・・。」
「どうしてこんな所まで来たの?
 アイグレッテならルーちゃんの病気、
 治せるかも知れないのに・・・。」

色々聞かれて、正直参っていた。
中には、似たような質問が何度も。
でも、聞かれたからには答えないといけないし。
構ってくれるのは、ありがたいんだけどね・・・。

「ここに来る事は私達二人で決めたの。
 アイグレッテで病気を治してもらったりすると、
 一生アイグレッテで
 生きていかないといけないでしょ?
 そんな縛られた生き方が耐えられなくて・・・。」
「両親は?」




『知らない』。




私達の両親は、行方を暗ませた。
ルーが病にかかった直後。
理由は大体、察しが付く。
『見捨てた』んだ。
そうだと言われた訳じゃ無いけど、
『見捨てた』としか思えない。許せない。
私を見捨てたから許せないんじゃ無い。
ルーを見捨てたから許せないんだ。

「父さん達、
 いつになったら帰って来るのかな・・・。」

ルーの、この言葉を聞く度に怒りが込み上げてくる。
何故、ルーを見捨てたんだ。
体は病で穢れてても、心は純粋な、この子を。



夜。



「姉ちゃん・・・。」
「何?」
「僕、夜空が見たい。」
「だめ!ルーは病気なんだよ?」
「・・・お願い、少しだけでいいんだ。」
「だ〜め!」
「・・・姉ちゃんのケチ・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」

小さくため息。

「・・・・・・もう、わかったよ。
 本当に少しだけだからね?」


「見て、星がいっぱいで綺麗だよ、姉ちゃん。」
「うん、綺麗・・・。・・・・・・あっ!」
「流れ星!」

・・・・・・・・・・ように。

・・・・・が治りますように。

ルーの病気が治りますようにっ!

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「姉ちゃん、願い事、ちゃんと三回言った?」
「えへへ〜♪もちろん!」
「姉ちゃんは、何をお願いしたの?」
「秘密!ルーは?」
「多分、姉ちゃんと同じかな?」


「姉ちゃん・・・?」
「何?ルー。」
「僕、病気が治っても、
 ここで暮らしたい。姉ちゃんと。」
「・・・うん。私も。」
「病気が治ったら、村の人達にお礼、しないとね。」
「・・・うん。」
「約束だよ?」
「・・・うん。」




『神様』が実在するのなら、
心の底から『神様』を恨んだだろう。




村のみんなが、ルーの『墓標』に集った。
みんながすすり泣く声が、私を包む。

もう、両親に対する怒りなんてない。
私に有るのは、『後悔』の念。
それだけ。




『病気を治してもらえばアイグレッテで一生、
 生活する事になっても、
 私はルーとずっと一緒にいれたかもしれない。』




でも、その想いは間違ってるって、
カイル達と旅をしてきて、ようやく悟った。

アイグレッテでルーの病気を治してもらっていたら、
私は後悔しなくても、
あの子が後悔してたかも知れない。
あの子があたしを恨んでたかも知れない。
あの約束は、無かったかも知れない。無かった。

姉ちゃん、バカだよね。
またアンタに、恥ずかしい所、見られちゃったね。
あたしは、もう大丈夫。迷わない。


村が消えていく。
黄金の風があたしを覆う。


・・・でも、まさか自分が惚れた人とまた、
流れ星に願うなんてね。
まぁ、あんな忌々しい流れ星じゃ、
叶う物も叶わないだろうけど。

でも、叶ってほしい。
みんなとまた、出会いたい。
『アイツ』とまた、出会いたい。




姉ちゃん頑張るから、
アンタもちゃんと見守っててよ?



『ルー』・・・・・・。




『涙』が、

流れ星のように、

あの時の、星空のように、

美しく輝いた。

その光はまるで、

あたしたちが生きてきた『証』。

『旅の想い出』。

その光を見て思う。

『自由と命の尊さ』を・・・・・・・・・。



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