小説を書こう!
小説!
みんなも、どんどん小説作っていってくださいねー!一応、新しくつく人は、新スレを立てて書いてください。一度書いている人は、次回から、自分の所にレスを立てて続きを書いていってくださいね^^
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「消える、消えると・・・、言うのかぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」フォルテュナを倒した。レンズも砕いた。これで、良いんだ。これで・・・、良いんだよな・・・・・・。全てが終わった。みんな、消えていく。「有るべき姿と場所に戻る」、・・・って言った方がいいのかな。みんなが戻って、オレが一人、残された。今まで生きてきた中で、一番寂しい想いをしたのは今ぐらいだと思う。ハロルド・・・・・・・・・。ハロルドは、天地戦争時代に戻るんだっけ。また沢山、悲しい想いをするのかな。カーレルさんが死んだり、仲間が死んだり。自分が作った武器で沢山の人が殺されたり・・・。でも・・・・・・・・・。大丈夫。ハロルドは強いんだ。オレなんかが心配しなくたって。大丈夫。大丈夫、絶対。ナナリー・・・・・・・・・。ナナリーは、ホープタウンに戻るんだよな。『アイグレッテみたいに裕福な所は性に合わない』、・・・・・・・・か。今なら、その言葉に頷ける。オレがナナリーだったら、オレもそう言う。偽りの幸せは、本当の幸せじゃ無いって、わかったから。・・・・・・・・出来れば、ナナリーの料理、もう一度食べたいな・・・。ジューダス・・・・・・・・。初めて会った時、オレも正直、『なんだか冷たい人だな』って、思ってた。でも違った。本当は、とても暖かい人だった。何だかんだ言ってオレ達の心配、してくれたし。また、会えたらいいな。会えたら、『ありがとう』って言いたい・・・・。ロニ・・・・・・・・・・・。ロニとオレは、同じ街、同じ時代で生きてるから、また出会える。新しい世界だったら、父さんも生きてるし。もっと楽しい日々が送れる。でも・・・・、新しい世界でも、オレの親友でいてくれるかな。『歴史が修復されると共に、この旅の事も忘れる。』ハロルドが言ってたっけ。でも、それは悲しくない。記憶が無くなっても、オレ達の絆の存在は真実だから。みんな、有るべき姿と場所に戻っていった。でも、彼女は「消えた」。もう会えないかも知れない。でも、また会えるかも知れない。・・・・・・・・・・・・。いや、「会える」。オレは、そう信じる。信じたい。『奇跡』を・・・・・・・。・・・・・・・・・やっぱり、オレも戻るんだな。みんなとの旅、辛い事も沢山あったけど、それ以上に、すごく楽しかった。『みんな揃って旅に出る』。そんな『奇跡』も、オレは信じたい・・・・・・。
「・・・・・。此処は・・・。」空間。何処だ、此処は。解からない。しかし、心が安らぐ。何も無い。壁も。大地も。・・・いや、有る。それは、『漆黒の扉』・・・・・・。「・・・『扉』?」ジューダス、いや『リオン=マグナス』は、見えない何かに、『漆黒の扉』に、導かれるように、手を伸ばし、扉の取っ手に手を掛けた。途端に。「!」彼の目に飛び込んできたのは、誰かの視界。見覚えが有る。「何だ、流れ込んでくる。 これは・・・、僕の・・・、」『キオク』・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・。「・・・う、ん・・・・・・。」何故だ。僕はスタンに敗れ、洪水に呑まれ、死んだ筈だ。なのに何故、僕は生きている。それに此処は・・・・・・、『ストレイライズ大神殿』・・・・・・。雰囲気が全く違う。それに僕の体は見知らぬ黒衣を纏っている。これは一体・・・。「目が覚めましたか。『リオン=マグナス』。 その服、お気に召しましたか?」目の前には見知らぬ『男』と『女』。僕は上半身を起こす。「貴様等、何者だ?僕に何をした!」「貴方を『蘇生』させて頂きました。 無論、勝手だとは重々、承知しております。」「『蘇生』・・・、だと?訳が解からんが、 確かに勝手だな。余計な真似を・・・。」「余計?まさかそんな事を言われるとは、 心外ですね・・・。」「僕は私欲の為にスタン達を裏切り、 そして己の非を悟り、甘んじて死を受け入れた。 だから余計だと言ったんだ!」僕は、付近の机に置かれていた『シャル』を素早く手に取り、構えた。「『蘇生』が事実だとしても、 如何にして蘇生させたかは知らないし、 興味も無い。無論、礼も言わんぞ。」『シャル』の柄をぐっと握る。「僕に何をさせるつもりだ?」その『女』は、白い顔に、冷たい笑みを浮かべた。フン、気味の悪い奴等だ。「そこまで察しが付くとは・・・。 流石は『天才剣士』、と言った所でしょうか。」「・・・・・・聞こえていないようだな。 問うているのは僕だ。答えろ!」「良いでしょう。私達に協力して頂きたいのです。 『天才剣士』と謳われた貴方に・・・。」「フッ、この僕に協力を乞うか・・・。 己の名も言わずにか?とことん勝手な奴等だ。」「それは失礼・・・。私は『エルレイン』。 彼は『バルバトス』です。 私達は世界を幸福で包む為、 日々活動している者です。」『バルバトス』・・・だと?「『シャル』・・・・・・。」「・・・バト・・・・天・・・に裏・・・り・・・、 ディ・・ロスが・・・殺・・・。」「・・・・・・そうか。」「・・・どうでしょう、協力して頂けますか?」「その前にもう一つ問う。特殊な能力を持ち、 天地戦争時代に地上軍を裏切った 『バルバトス』が仲間だとなると、 ボランティアでは無い様だな。真の目的は何だ?」「・・・過去に移動し、歴史を変えるのですよ。 この世界を豊かにするには、 根本から世界を変えなければいけない。」「『過去に移動』・・・、 それも特殊な力の賜物か。 ・・・ろくな話じゃ無いな。断る!」僕はマントを翻し、外に通じる扉に歩む。「何処へ?」「言った筈だ。僕は貴様等と組む気は微塵も無い。 これから一切、僕に付き纏うな。あと・・・、」更に背で語りかける。「スタン達ならば良いだろう。 だが、貴様等が僕を殺すつもりなら・・・、」『僕が貴様等を殺す。』バタン・・・・・・。「・・・勝手なのはお互い様、ですね・・・。」「あのガキ、気に入らんな・・・。 逃がして良いのか? 何なら俺が斬り刻んで・・・。」「いえ、結構。彼一人では何も出来ないでしょう。 が・・・・・・・、」『一応、彼のかつての仲間、"四英雄≠、 消しておきましょうか・・・・・・。』・・・・・・・・・・・・・・・・・。ドンッ!!「お見事、流石は坊ちゃま! あの巨大な竜も一刀両断!」「騒がしいぞ、『シャル』・・・。」竜の血に塗れた剣、『ソーディアン・シャルティエ』が僕に語りかけてくる。「でもまさか、 『バルバトス』が生きているとは・・・。 しかもそれを可能にしたあの『女性』。 奴等、何者なんでしょうねぇ。」「僕が知る訳が無いだろう。」「・・・・・・あの女性、美人でしたね?」「折られたいか?」「お断りします。」「なら、黙っていろ。気が散る・・・。」「・・・坊ちゃま、先程から何を?」先程倒した魔物の戦利品の短剣で、竜の首を斬り落とし、頭の皮や肉を削いでいく。黒衣が、みるみる深紅に染まる。「酷いですねぇ、坊ちゃま・・・。」「魔物に掛ける慈悲は生憎、 持ち合わせていないんでな、・・・・・・良し。」骨のみとなった竜の頭を小川の水で濯ぎ、マントで拭いた後、僕の頭に被せた。「それは、『仮面』・・・ですか? 何故、そんな物を・・・。」「・・・僕はスタン達に詫びるつもりで 甘んじて死を受け入れた。」「はぁ・・・・・・。」「しかし理に背き、現世に蘇ってしまった。」「『仮面』と如何な関係が・・・、」「僕が話しているんだ。黙っていろ。」シャルを手に携えつつ、立ち上がる。「だが折角取り戻した命。それを捨てる程、 僕は莫迦では無い。」空を見上げ、青天に手を伸ばす。「だから、僕はこの『仮面』で僕を封じ、生きる。 生きる意味を探す為に・・・。」「・・・・・う、うう・・・・・。」「・・・・・・シャル?」「坊ちゃま、ご立派になられて・・・。 嬉しい事、この上有りません・・・!」「お前は毎度、大袈裟な奴だな・・・。」『それに、生きていれば良い事も有るだろうしな。』そして僕は、カイル達と出合った。嬉しい事、この上無い。あの青天を見た、あの時。生まれて初めて、『生』を感じた。カイル達との旅の日々、『絆』。僕を覆い尽くす、青い空。僕は忘れてしまうのだろう。でも、忘れない。「坊ちゃま・・・・・・。」「ああ・・・・・・、行こう、シャル・・・。」『扉』に伸ばした手、空に伸ばした手。同じだった事も、忘れない。
「・・・・・・あれ?ここ・・・・・。」砂漠。大地を覆い尽くす、黄金の砂。やはり、見覚えが有る。そう、此処は・・・、「『カルバレイス』・・・・・・?」何故、今、己が此処に存在するのか理解できない。ナナリーは、辺りを見回す。「・・・・・・あれは・・・・・・、 『ホープタウン』!」ナナリーは、聞こえぬ声に、黄金の大地に、導かれるように、『ホープタウン』に向かって、歩みだした。直後。「きゃっ・・・・・・・・・。」砂嵐。刹那の。うっすらと目を開ければ・・・・・・、「・・・やっぱりここ、『ホープタウン』だ!」しかし、妙な感覚が付き纏う。この感覚、何処かで・・・・・・、「おい、見ろ!砂漠に子供が倒れてるぞ!」思考に耽っていた彼女は、はっと我に返った。「何処だよ!」「そっちじゃ無ェよ!あっちだ、あっち!」「二人だ!子供が二人いるぞ!」『子供』が・・・、『二人』・・・?それって、もしかして・・・・・・、『あたしと、”ルー=x・・・・・・?ここは過去のホープタウンで、あの子供はあたしとルー?いや、違う。過去じゃ無い。『キオクの中の、世界』?宿。「お前、アイグレッテから来たんだってな。 病気の弟を連れて。」「うん・・・。」「どうしてこんな所まで来たの? アイグレッテならルーちゃんの病気、 治せるかも知れないのに・・・。」色々聞かれて、正直参っていた。中には、似たような質問が何度も。でも、聞かれたからには答えないといけないし。構ってくれるのは、ありがたいんだけどね・・・。「ここに来る事は私達二人で決めたの。 アイグレッテで病気を治してもらったりすると、 一生アイグレッテで 生きていかないといけないでしょ? そんな縛られた生き方が耐えられなくて・・・。」「両親は?」『知らない』。私達の両親は、行方を暗ませた。ルーが病にかかった直後。理由は大体、察しが付く。『見捨てた』んだ。そうだと言われた訳じゃ無いけど、『見捨てた』としか思えない。許せない。私を見捨てたから許せないんじゃ無い。ルーを見捨てたから許せないんだ。「父さん達、 いつになったら帰って来るのかな・・・。」ルーの、この言葉を聞く度に怒りが込み上げてくる。何故、ルーを見捨てたんだ。体は病で穢れてても、心は純粋な、この子を。夜。「姉ちゃん・・・。」「何?」「僕、夜空が見たい。」「だめ!ルーは病気なんだよ?」「・・・お願い、少しだけでいいんだ。」「だ〜め!」「・・・姉ちゃんのケチ・・・・・。」「・・・・・・・・・・・・。」小さくため息。「・・・・・・もう、わかったよ。 本当に少しだけだからね?」「見て、星がいっぱいで綺麗だよ、姉ちゃん。」「うん、綺麗・・・。・・・・・・あっ!」「流れ星!」・・・・・・・・・・ように。・・・・・が治りますように。ルーの病気が治りますようにっ!「・・・・・・・・・・・・・・・・。」「姉ちゃん、願い事、ちゃんと三回言った?」「えへへ〜♪もちろん!」「姉ちゃんは、何をお願いしたの?」「秘密!ルーは?」「多分、姉ちゃんと同じかな?」「姉ちゃん・・・?」「何?ルー。」「僕、病気が治っても、 ここで暮らしたい。姉ちゃんと。」「・・・うん。私も。」「病気が治ったら、村の人達にお礼、しないとね。」「・・・うん。」「約束だよ?」「・・・うん。」『神様』が実在するのなら、心の底から『神様』を恨んだだろう。村のみんなが、ルーの『墓標』に集った。みんながすすり泣く声が、私を包む。もう、両親に対する怒りなんてない。私に有るのは、『後悔』の念。それだけ。『病気を治してもらえばアイグレッテで一生、 生活する事になっても、 私はルーとずっと一緒にいれたかもしれない。』でも、その想いは間違ってるって、カイル達と旅をしてきて、ようやく悟った。アイグレッテでルーの病気を治してもらっていたら、私は後悔しなくても、あの子が後悔してたかも知れない。あの子があたしを恨んでたかも知れない。あの約束は、無かったかも知れない。無かった。姉ちゃん、バカだよね。またアンタに、恥ずかしい所、見られちゃったね。あたしは、もう大丈夫。迷わない。村が消えていく。黄金の風があたしを覆う。・・・でも、まさか自分が惚れた人とまた、流れ星に願うなんてね。まぁ、あんな忌々しい流れ星じゃ、叶う物も叶わないだろうけど。でも、叶ってほしい。みんなとまた、出会いたい。『アイツ』とまた、出会いたい。姉ちゃん頑張るから、アンタもちゃんと見守っててよ?『ルー』・・・・・・。『涙』が、流れ星のように、あの時の、星空のように、美しく輝いた。その光はまるで、あたしたちが生きてきた『証』。『旅の想い出』。その光を見て思う。『自由と命の尊さ』を・・・・・・・・・。