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[1627]新・ことばの路地裏 第406回「心持ち」「気持ち」の副詞的用法 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2015年01月08日 (木) 04時23分

「心持ち」「気持ち」の副詞的用法

 テレビから「気持ち大きめに切ってあげてください」という声が聞こえた。以前にも耳にしたことがある「気持ち」の副詞的用法である。自分自身はこのような場合「心持ち」を使う。「心持ち大きめに切ってあげてください」のように。このような場合「心持ち」と「気持ち」のどちらを使うかと妻に聞くと、「気持ち」のほうだと言う。5歳年下だけなのに世代差か、と驚いた。
 『三省堂国語辞典』は第6版(2008年)から「気持ち」のこの用法を載せている。「心持ち」については初版(1960年)から載せている。
『日本国語大辞典 第2版』「きもち【気持】」の語誌に次のような説明がある。

   (1)類義の「心持(こころもち)」は一三世紀末に使われ始めたと見られるが、「気持」は遅れて一五世紀末に見え始める。((2)と(3)は省略。)(4)明治期には「心持」が日常語となって多用されたが、「気持」は俗な感じが強かったため、用例は少ない。(5)昭和初期では「気持」が圧倒的に優勢になり、特に第二次世界大戦後は「心持」の使用が大きく減って、現在では若い人の間ではほとんど使われなくなっている。

 「心持ち」と「気持ち」の発生に時代差がある。戦後は「心持ち」があまり使われなくなった。こういうことが分かった。
 『新潮文庫の100冊』を検索してみた。時代差を表す作品で以下のような結果が得られた。

野菊の墓(1906)こころもち34 きもち7
こゝろ(1914)こころもち57 きもち4
小僧の神様(1917)こころもち16 きもち164
羅生門(1915)こころもち40 きもち3
放浪記(1928)こころもち2 きもち151
路傍の石(1937)こころもち4 きもち107
新源氏物語(1978)こころもち15 きもち176  

 明治・大正期の作品には「心持」が多数であり、昭和期の「放浪記」「路傍の石」では「きもち」が多数になる。志賀直哉の「小僧の神様」(他の短編も含む)は大正期の作品だが、「気持」の方が優勢である。「新源氏物語」は描かれている時代が古いけれども、「気持」の方がはるかに優勢である。
 用例数は以上のようであるが、副詞的用法に限ると、予想通り「きもち」には見られない。「こころ」では57例中次の2例が副詞的用法である。

   私はすぐ両肱を火鉢の縁から取り除けて、【心持】それをKの方へ押し遣るようにしました。
   Kの顔は【心持】薄赤くなりました。

 「野菊の墓」と「小僧の神様」には見られない。「路傍の石」に3例、「羅生門」に4例、見られた。「心もち」の表記の用例は、全部で78例あるが、そのうち副詞的用法は約半数の36例あり、「花埋み」「雁の寺」「金閣寺」「国盗り物語」「草の花」「太郎物語」「冬の旅」「風立ちぬ」「羅生門」「路傍の石」「楡家」に使用例が観察される。
(2015年1月8日)



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