投稿日:2015年01月01日 (木) 05時02分
|
したことは間違いない
テレビでニュースを聞いていると、事件の容疑者が「〇〇したことは間違いない」と供述したと報じているのをしばしば聞く。容疑者は本当にそのような文言で供述しているのだろうか。疑問である。捜査当局がこのような型にはめて記者発表しているのではないかと想像される。 想定される取り調べの問答では、警察官が「〇〇したのではないか」と尋ねるのに対して、「はい」とか「やりました」とかの返事をするのではないか。「〇〇したことは間違いないか」と尋ねるのに対して、「はい」と答えると調書に「〇〇したことに間違いない」とか「〇〇したことに間違いありません」と書かれることになるのだろう。 具体的には、「切り付けたことは間違いない」「火を消さなかったことは間違いない」などと容疑を認めたことが報道されている。 「ことは間違いない」という表現そのものは事件の報道だけではなく、一般的に使われる。「〇〇であることは」「〇〇ていることは」「〇〇ということは」「〇〇することは」などの形式が使われる。これが事件性を帯びると過去形に限定して使われることになるというのが特徴である。ただ、過去形の表現がすべて事件性を帯びているわけではないことは間違いない。 (2015年1月1日) |
|