投稿日:2014年10月30日 (木) 04時50分
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第396回 あーね
あいづちを打つとき、「そうなんだ」「なるほど」「へーえ」などが使われる。これらのあいづち表現に、「あーね」という語が加わった。福岡県の女子高校生が使い始めたものが、全国に広がったとされている。 「あーね」は「ああ、なるほどね」の短縮形。思い切って短縮したものだ。「とりあえず、まあ」を短縮して「とりま」という若者ことばもある。 文字に書くと「あーね」だが、これを発するときの声の調子や長さや顔の表情等によって複数の用法が区別される。 (1)比較的長めに明るい声で相手を見て「あーね」というのが本当に納得している様子をあらわす。笑顔になったりする。 (2)短く「あね」のように、面倒くさそうに言うと、とりあえず聞いたといった程度の、無関心のあいづちである。 (3)関わりたくない、早く場を去りたいというようなときに、一応「あーね」と言っておいてそそくさと相手の前から消える、あるいは、自分の関心事に向き合うといった行動をとる場合もある。 この語はNHKのテレビ番組「ろーかる直送便」で「方言バラエティ あ〜ね!」として放送された。(2014年5月26日)その映像から前記の用法を理解した。 番組の中で福岡女学院大学の二階堂整教授が次のように解説していた。「2004年ごろは“うそ”や“まじ”という言葉が流行していた」(字幕)が、これは響きがきつく感じられた。それが「“あ〜ね”という言葉の軽さや曖昧さが今の時代の若者にうけた」(字幕)。 韓国から来た留学生が、韓国語でも「あーね」とよく似た形式があいづちとして使われると教えてくれた。 (2014年10月30日) |
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