投稿日:2014年01月02日 (木) 05時59分
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「冷え切る」と「冷め切る」
人が住まない冬の家の廊下はとても冷たい。冷たさが足元から上に伝わってくる。家全体が冷え切っているのだ。真夏のビールは「よく冷えてますよ」と言われるのが美味しい。しかし、冷え切ったビールはどうだろう? 熱くて飲めないお茶なども少し時間を置くと冷めて飲めるようになる。しかし、ペドロ&カプリシャスの「別れの朝」の一節、「別れの朝 ふたりは さめた紅茶 のみほし」の「さめる」は味気ないものだろう。二人の関係が冷え切ったのか冷め切ったのか。 『デジタル大辞泉』には「冷え切る」の項はあるが、「冷め切る」の項はない。「冷え切る」も「冷め切る」も「愛情・熱意などがすっかりなくなる。」(デジタル大辞泉「冷え切る」)という意味を持ち、「冷める」の意味にも「高まっていた感情や興味が衰えたり薄らいだりする。」(デジタル大辞泉「冷める」)というのがある。だとすれば、「冷め切る」を立項してもよさそうなものなのに、それがない。不思議。 「冷め切る」にこんな例があった。
夫婦で金第1書記の後見人を務めてきたが関係は既に冷め切っていたとされ、9日の張氏の解任発表では「複数の女性との不適切な関係」も理由に挙げられた。(共同) http://sankei.jp.msn.com/world/news/131209/kor13120916180005-n1.htm
この例のように、「冷め切る」はごく日常的に使われると思うのだが。 (2014年1月2日) |
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