投稿日:2013年10月24日 (木) 04時52分
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筆順と書き順
標題について違いを尋ねられたので調べてみた。 一般的には書き順と呼んでいるように思われるが、インターネットで「筆順」「書き順」を検索すると、書き順(筆順)、筆順(書き順)、筆順・書き順といった表記が見られ、また、「筆順フォントで漢字の書き順を勉強しよう」という表現もあった。 文部省が昭和33年(1958年)に『筆順指導の手びき』という書物を出した。その目的を次のように記している。
学校教育における漢字指導の能率を高め,児童生徒が混乱なく漢字を習得するのに便ならしめるために,教育漢字についての筆順を,できるだけ統一する目的を以て本書を作成した。(1.本書のねらい)(注 句読点はコンマ(,)と句点(。)で表記されている)
これに先立って、筆順の定義をしている。
筆順とは文字の形を実際に紙の上に書き現わそうとするとき,一連の順序で点画が次第に現わされて一文字を形成していく順序であるといえよう。(1.本書のねらい)
筆順といえば漢字のものと考えられているのではないかと想像するが、同書に「漢字ばかりでなく,かな,ローマ字等についても,同じことが言える。」と記されている。 また、小学校学習指導要領国語には、「各学年における書写に関する事項」の「第1学年及び第2学年」に「点画の長短や方向,接し方や交わり方などに注意して, 筆順に従って文字を正しく書くこと。」と決められている。 以上のことから筆順という用語は文部省(当時)が作ったものであり、現在も学習指導要領において使われていることが分かる。 しかし、文字を書く順序という意味で書き順。これの方が筆順より言いやすいし、小学校低学年の児童にも分かりやすい。 「飛」「必」の筆順は大学生のころに自覚したように思う。カタカナの「ヲ」の筆順も大学生のときに教わった。「凹」や「凸」は何画か、「淵」や「肅」や「壺」はどういう順序で書くかなど、悩んだことがあった。現在では「漢字の正しい書き順(筆順)」というサイトがあり、漢字だけでなくひらがな、カタカナ、数字、アルファベットの書き方も教えてくれる。(http://kakijun.jp/) (2013年10月24日) |
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