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[1530]新・ことばの路地裏 第326回「というふうに思います。」 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2013年06月27日 (木) 04時58分

20130627 というふうに思います。
 思っていること、考えていることを引用するとき、その内容を助詞「と」で表示する。これはだれでも知っている文法で、日本語を学んでいる外国人もこの規則に従って「なになにと思います。」と表現している。
 いつのころからか、引用のマーカー「と」が「というふうに」の形になって、「なになにというふうに思います。」と表現されるのを聞くようになった。「と」による引用が直接引用だとすると、「というふうに」による引用は引用内容をぼかしたものだとみなされる。「ふう」は事物や事柄をそのものズバリに表現するのではなく、「そういう様式である、そういう外見である、その傾向がある、などの意を表す」(デジタル大辞泉)形式である。「大学生の男」と言えば、その男は大学生だが、「大学生ふうの男」と言えば、大学生ではない可能性もある。
 引用内容を直接的に示さないやり方は、含みを残していると言えなくはないが、事柄を曖昧にしている、主張としては腰が引けているともとられかねない。
 国会会議録検索システムで「というふうに思います。」を検索してみた。検索期間は第1回の国会が開かれた昭和22(1947)年6月23日から平成24(2012)年12月31日までである。1年刻みで検索してみると、昭和35(1960)年までは、昭和29(1954)年だけ110件ヒットするが、あとは二ケタである。三ケタになるのは昭和36(1961)年以降である。
 5年単位でまとめて、その平均使用数を比べてみると、昭和37年から昭和56年までほぼ漸増傾向にあることが分かる。(グラフ省略)

 昭和57(1982)年から幾分減少して平成元(1989)年前後の5年間に著しい落ち込みが見られたあとは、再び増加に転じ、平成9(1997)年以降の10年間は急増している。
 このような近年の増加傾向は、国会における会議という日常的とはいえない発話場面における、静かなブームとでも呼べるのではないかと思われる。(今こうして「のではないかと思われる」と表現すること自体が断定を避けている。)思考内容を直接的に表現すると非難を受けるリスクも伴う。そのために含みを持たせた表現をする。巧みなテクニックである。
 「というふうに」の形式は、思考だけでなく、「言われています。」「書いてある、」「報じられておりまして、」のような形でも引用している。この場合には直接引用をして間違いだと指摘されるのを予防して、含みを持たせているのだろう。「なになにというふうに確信しています。」と言われると、確信の度合いを疑いたくなる。(2013年6月27日)



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