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[1518]新・ことばの路地裏 第314回「あたぼう」 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2013年04月04日 (木) 05時37分

第314回 あたぼう

 中学生のころに「あたぼうよぉ」という形で使ったような、おぼろげな記憶があるけれど、ほとんど使わない言葉だ。中野翠「この世は落語 5 『あたぼうだあ』『大工調べ』」(『ちくま』2011年4月号481、pp.34-37)というエッセイを読んで、この言葉を思い出した。古今亭志ん朝の落語『大工調べ』が紹介してあったのでCD録音(注)で聞いてみた。

  棟梁「八百ばかり御の字だよぉ。あたぼうだてんだよぉ」
  与太郎「なんだい、そのあたぼうってのは」
  棟梁「じれってぇなぁ、てめぇは。あたりめぇだべらぼうめをつめると、あたぼうとなるだろ?」

 国語辞典にも同様の説明がある。「あたりまえ、の意の近世の俗語。『あたりまえだ、べらぼうめ』をつづめて言ったものという。」(デジタル大辞泉)
 縮約表現には一定のルールがある。複合した要素のそれぞれの初めの二音節分を結合するのが一般的で、東京電力を東電、京都大学を京大というのがその例である。名古屋大学は「なダイ」とならないで、「名」を音読みにして「メイダイ」と略す。いわば変種である。しかし、これ以外の結合方式もある。
 大阪大学は前のルールに従うと「おおダイ」となるはずだが訓読みと音読みの結合になる。あるいはメイダイ方式を採ると「ダイダイ」「大大」となる。これはいずれも具合が悪いと考えられたのだろう。前項要素「大阪」の後半部分を残し、それを音読みにして「ハンダイ」と略している。
 かなりユニークな例だが、「ケンチキ」という略語がある。「ケンタッキーフライドチキン」のことである。外来語「チキン」はこれで1要素となり、「チキ」と「ン」とに分割できないはずだが、和語や漢語にはない、外来語の事情がある。オリエンテーションを「オリテ」と略すのも外来語ならではの縮約表現である。
 話がそれたが、構成要素の後半部分を残して結合する縮約表現として、「ブンタ」の例がある。これはタバコの銘柄「セブンスター」のことである。「セ【ブン】ス【タ】ー」と書き表すと分かりやすい。
 さらに、前の部分を東電、京大方式とし、後の要素をブンタ方式にしたものがここに取り上げた縮約表現「あたぼう」ではないかと考えるのである。一般的なルールを適用して「あたべら」となってもよかったのだが、結果的にはそうならなかった。

(注)『落語名人会 21 古今亭志ん朝13 「黄金餅」「大工調べ」』(ソニー・ミュージックレコーズ SRCL-3331 1995年10月21日発売 録音:1981年4月14日 三百人劇場ライブ)
(2013年4月4日)



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