投稿日:2012年10月04日 (木) 05時33分
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第288回 弱(じゃく)(接尾語)
接尾語「弱」は「端数を切り上げたとき、数を表す語の下に付けて用いる」(デジタル大辞泉)もので、「500人弱の聴衆」は例えば実際には492人だが、端数の92を切り上げて500にするものである。また、20万円弱の給料は20万円には達しない額である。一方、「強」は「数量を表す語に付いて、実際はその数よりも少し多いことを表す。数の端数を切り捨てたときに用いる」(デジタル大辞泉)ものである。「500人強の聴衆」といえば、500人を少し上回る、例えば510人くらいの聴衆を指す。20万円強の給料は、20万1300円くらいを指すだろう。これは常識だと思っていた。 ところが、こんな例に出くわした。 グラフの数値が41.0なのに、解説に「16〜19歳では(ア)を選択した人の割合が4割弱となっており、」と記述されていたのだ。(平成23年度国語に関する世論調査の結果の概要pdf版p.19) 常識的に言えば、41.0は4割強となるはずである。 「4割弱」の使用例を検索してみた。 38.1%を4割弱、4割近くと表現した例があり、37%、38%、39.2%はいずれも4割弱と表現されていた。40を超える数値に4割弱と表現した例は、ざっと検索した限りでは見つからなかった。単なる間違いだと思いたい。世論調査の書籍版が出るのを待って確認したい。 (2012年10月4日) |
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