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投稿日:2003年11月13日 (木) 18時52分
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おなら 動詞「鳴らす」の連用形「鳴らし」に接頭語「お」が付き、「し」が省かれたものとされる。女房詞(ことば)が起源だとか。江戸時代の雑俳などに使用例がある。 日常的な生理現象なのに、口にしにくい語だ。類義語の「屁(へ)」はもっとはばかられる。しかし、「へっぴり腰」の中に形を残し、民話の「へったれ嫁ご」「へこき女房」の名前にも使われる。「おなら」は「出る」イメージだが、「屁」は他動詞「こく」「たれる」「ひる」「ふる」などの目的語となる。 漢語で言うと「放屁(ほうひ)」で「屁を放(ひ)る」。高校生のころ、祖父が「放屁合戦」という複製の絵巻物を見せてくれた。庶民らが男女入り乱れてさまざまな格好で放ちあい、笑い飛ばしていた。 「おなら」は軽く小さく、「屁」は豪快。「ガス」はその中間か? (『毎日新聞』(大阪本社版)2003年11月13日夕刊) |
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