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[1594]新・ことばの路地裏 第372回 独断と偏見 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2014年05月15日 (木) 05時00分

独断と偏見

 二つの語「独断」と「偏見」を接続する形式として並立助詞「と」「に」「や」「やら」「だの」「か」などがある。このうち、もっとも多数の例が観察できるのが「独断と偏見」である。「偏見と独断」のように語順を入れ替えた例も、多くはないが、観察される。「独断と偏見」は慣用的な組み合わせと言ってもよさそうな座りの良さが感じられる。
 国会会議録検索システムを利用して第1回国会から最近のものまでを対象に「独断と偏見」を検索した。その結果、81件89例がヒットした。
 使用例を整理してみると、大きく二つの用法にまとめることができる。一つは用例数がほぼ半数の44例あったもので、発言者自身のこととして「私の独断と偏見」などと表現される。自分の意見が客観的ではないかもしれないという体裁をとって控えめに意見を述べるという気持ちを込めたものである。公の場での発言だから「独断」と「偏見」を額面通りに受け取るわけにはいかない。
 こんな例があった。

 ・あなた方内局は、このごろユニホームにどうも押されっぱなしであるという私は確固たる独断と偏見を持っておるんですが、その議論はしませんが。(昭和55年11月27日 参議院 内閣委員会 秦豊議員の発言)

 「確固たる独断と偏見」を持っているという、持論の表明における修辞的用法の極みともいえるだろう。

 もう一つは「独断と偏見に満ちた報告書」とか「独断と偏見に基づく不当な中傷」といった形式を使って意見や判断などの内容を批判するものである。これには修辞的なニュアンスはなく、客観性を持たない判断であり、バランスを欠いた偏った意見、つまり偏見であると断じるものである。
 さらに矛先が「大臣の独断と偏見である」とか「当局が独断と偏見でやってきた」として第三者や相手に向かう場合には痛烈な批判となる。次のような例があった。

 ・それは大臣の独断と偏見ではないか。(中略)これは大臣の独断と偏見である。(「国民的コンセンサスを見出しつつある今日、」こう言われているのは、それは大臣の独断と偏見ではないか。(中略)決して国民的コンセンサスを得ている問題ではない。これは大臣の独断と偏見である。(昭和59年7月5日 衆議院社会労働委員会 池端清一委員の渡部恒三国務大臣に対する質疑))

 ・それは全く事実と反しますし、ちょっと言葉遣いは悪いですが、先生の独断と偏見だと思います。(平成5年2月17日 衆議院予算委員会 小沢一郎証人の高沢寅男委員に対する答弁)

 「偏見」という語には差別といった意味合いを感じてきたのだが、「独断」と結びつくとその意味合いは感じられない。
(2014年5月15日)



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