投稿日:2014年04月10日 (木) 07時12分
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「破る」と「破く」
「破る」と「破れる」とは、それぞれ他動詞と自動詞として、形態的にも意味的にも対応関係がある。また、「破る」の類義語に「破く」がある。「破く」は「破る」と「裂く」とが混交してできた語だとされる。そして、他動詞「破く」に対して自動詞「破ける」が形態的にも意味的にも対応している。 「破る」は子どものころから使っていたが、「破く」は長じてから使うようになったと思う。いつごろだったかはっきりとは覚えていないが、大学生のころからだったかと思う。「破く」を使うときには、個人的な印象だが、ちょっと気取った感じを伴っている。ところが、「破る」の自動詞「破れる」は、これも子どものころから使っているのだが、「破く」の自動詞「破ける」も、子どものころから使っている。「破ける」の使用に当たって気取った感じはなく、俗語的な印象で使っているようだ。 個人的な語感で、「破く」が気取った感じ、「破ける」が俗語的というのは、形態的、意味的な対応関係にあると思われる一対の語としてはアンバランスである。もしかしたら「破く」の使用に気取った感じを伴うのはきわめて個人的な事柄なのかもしれない。 「破る」と「破く」、「破れる」と「破ける」は類義関係にあるのだが、それは具体的な事物に関する場合であって、抽象的な事物の場合には「破く」と「破ける」は使えない。「破る」の対象となる抽象的な事物として「約束」「おきて」などがあるが、これらには「破く」が使えない。「破れる」の対象となる抽象的な事物として「夢」「競争」「結婚」「均衡」などがある。これらには「破ける」は使えない。 こういった使い分けは何歳のころからできるようになったのだろうか。 (2014年4月10日) |
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