投稿日:2013年12月12日 (木) 02時51分
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恐妻家と恐妻
恐妻家といえば妻に対して頭が上がらない夫のことである。大正時代にはできていた言葉のようだ。 「恐妻家」の「恐妻」は、語構成の点で、動詞「恐」と名詞「妻」が、妻を恐れるという意味で結合している。これは当然すぎるくらいに知られている事柄だと思われる。 ところが、この規則に合わない例を目にした。
恐妻ぶりで知られる松居(注:一代)は過去に、女優からのメールを発見し、嫉妬で怒り狂って船越(注:英一郎)の携帯を鍋で煮たことが週刊誌で報じられたことがある。 (Yahooニュース デイリースポーツ2013年11月25日 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131125-00000074-dal-ent)
この例の「恐妻」は形容詞「恐」が名詞「妻」を修飾する「恐ろしい妻」という意味である。同じ漢字が使われているにもかかわらず、意味が異なるの。このような例は初めて見たと思う。調べてみると、たいてい「恐妻ぶり」という形で使われている。こんな例があった。
友達の奥さんは、私から見てもかなりな恐妻なのです。http://okwave.jp/qa/q597517.html
恐妻家の主語は夫だが、恐妻の主語は妻である。 恐妻家にはほほえましさを感じるが、恐妻には恐ろしさを感じる。 (2013年12月12日) |
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