投稿日:2013年11月14日 (木) 07時34分
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米びつ
こんな記事を目にした。
「かつては『いいとも』の裏番組のプロデューサーが田辺エージェンシーの幹部とすれ違いざまに“あんまり頑張りすぎるなよ”と声を掛けられたこともあるそうです。他局が視聴率でタモリを追い抜くと番組打ち切り説が流れるので、その牽制(けんせい)なのでしょう。『いいとも』が事務所の“米びつ”であることがよくわかります」(事情通) 日刊ゲンダイ 10月24日(木)10時26分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131024-00000008-nkgendai-ent
わざわざ“ ”で囲って目立たせている。『精選版日本国語大辞典』によると、「A生活費を供給する者、また、稼ぎ手をいう俗語。」と説明してある。歌舞伎・富岡恋山開(1798)の「此羊は俺が米櫃だ。」という例を掲げている。 この比ゆ的な意味と似た語として「ドル箱」がある。同じく『精選版日本国語大辞典』によると、「B収入の主要な源となるもの。金をもうけさせてくれる人。また、よく売れる商品。」として、『俗語辞海』(1909)を出している。 「ドル箱」は自分自身よく知っている語だが、「米びつ」は初めて見かけたように思う。辞書に記載されている意味はほとんど同じである。本当の「米びつ」は、備えている家庭も多いだろう。しかし、円高ドル安の時代、ドルの威光にも陰りが見える。そんな時代にあって、記事の「事情通」氏にとって「米びつ」は日常の使用語なのだろうか。「ドル箱」がすたれ「米びつ」が復権したと言えるかもしれない。 (2013年11月14日) |
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