投稿日:2013年08月29日 (木) 04時52分
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ですな。ますな。
終助詞の「な」と「ね」との間には、共通点もあるが、相違点もある。「あのね。」「あのな。」「よく降るね。」「よく降るな。」「暑いね。」「暑いな。」「にぎやか(だ)ね。」「にぎやかだな。」「雨(だ)ね。」「雨だな。」「降る(暑い・にぎやか・雨)だろうね。」「降る(暑い・にぎやか・雨)だろうな。」地域差や男女差もあるようだ。聞き手が自分と同等か目下かの場合、自分と親しい場合に使われる。 丁寧な物言いは、聞き手が自分より目上の場合や親しくない場合に丁寧語を使う。「あのですね。」「よく降りますね。」「暑いですね。」「にぎやかですね。」「雨ですね。」などのように、「ね」は丁寧語と相性がよく、自然に使える。ところが、「な」はどうだろう。 「あのですな。」「よく降りますな。」「暑いですな。」「にぎやかですな。」「雨ですな。」などは、若い人が普通に使う丁寧表現にはならない。かなりの年配者、しかも特に男性が使うという印象を伴う。「よう降りまんな。」「暑いでんな。」「にぎやかでんな。」「雨でんな。」などは大阪では女性が使っても違和感がない。 「ですな。」「ますな。」には尊大な感じも伴う。『国会会議録検索システム』で検索してみた。「ですな。」は、昭和が5545件、平成が933件だった。「ますな。」は、昭和が1583件、平成が246件だった。どんな議員が使っているかとの興味で発言者を入れてみた。
人名の後のカッコ内の数字は生年。 麻生太郎(1940) ですな。24件、ですね。210件、ますな。3件、ますね。150件。 石原新太郎(1932) ですな。11件、ですね。34件。ますな。8件、ますね。14件。 鳩山由紀夫(1947) ですな。0件、ですね。27件、ますな。0件、ますね。7件。 渡部恒三(1932) ですな。0件、ですね。29件、ますな。0件、ますね。11件。 角田義一(1937) ですな。35件、ですね。76件、ますな。20件、ますね。36件。 穀田恵二(1947) ですな。22件、ですね。316件、ますな。3件、ますね。93件。 谷川秀善(1934) ですな。13件、ですね。56件、ますな。2件、ますね。35件。
1947年生まれの鳩山と穀田以外は1930年代生まれである。年齢が関係するかとも思われるが、必ずしもそうとはいえない。穀田は多用する人のようだが、「ね」の形もたくさん使い、そのほうが多い。個人的な問題とみなすこともできるだろうが、「な」と「ね」をどのように区別しているのかという興味もある。 (2013年8月29日) |
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