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[1533]新・ことばの路地裏 第328回 鑑みる対象はニ格かヲ格か 投稿者:小矢野哲夫

投稿日:2013年07月11日 (木) 05時59分

第328回 鑑みる対象はニ格かヲ格か

 動詞「鑑みる」の格支配について調べてみた。基本的にはニ格支配で「時局に鑑みて決定する」(デジタル大辞泉)のように使う。ところが、「重要性を鑑みて」のように対象をヲ格で表現する例もある。
 国会会議録検索システムで、平成22年6月26日から平成23年2月9日までの間について検索した。「かんがみ」の形で1151件ヒットした。「をかんがみ」の形では227件ヒットした。「にかんがみ」の形では1016件ヒットした。これは奇妙な数値である。「をかんがみ」と「にかんがみ」の合計数が、1243件で、「かんがみ」の1151件を超えてしまうのである。全数を点検することが望ましいことは言うまでもないけれども、大雑把な傾向を見るだけに留めておく。
 「をかんがみ」の227件が「かんがみ」の1151件に占める割合を計算すると約20%である。これをひとつの目安として、小さいデータで検証してみることにする。
 平成20年6月26日から平成23年2月9日までで「かんがみ」が100件ヒットする。これを全件見てみると、1件に2例出現する例が4件あった。合計104例を全部当たってみた。
 その結果は以下の通りである。カッコ内に割合を示す。
  〜にかんがみ 86例(83%)
  〜をかんがみ 16例(15%)
  〜もかんがみ 2例(2%)
 15%という数値は、さきに見た「をかんがみ」が「かんがみ」に占める割合の約20%より少ない。しかしながら、無視することはできない数値である。
 なぜ対象がヲ格で示されるのか。
 おそらく「考える」と混同しているのだろう。
 「かんがみる」というのは「過去の例や手本などに照らして考える」(デジタル大辞泉)という意味であり、考えることよりも「照らす」こと、基準になるものと比べることのほうに意味の重点がある。従って対象をニ格で示す方が一般的である。
 次の例は明らかに「考える」という意味で使われている。
 「地域主権改革を進める上では、それぞれの地域性というもの、独自性というものをしっかりとかんがみまして、そういった上で行政サービスをつくり上げるということではありますが、」(平成22年11月19日の参議員予算委員会)
 このような格の交代は複合動詞の場合にも観察される。「読む」はヲ格を支配し、「ふける」はニ格を支配する。これが「読みふける」という複合動詞になると、「本を読みふける」とも「本に読みふける」とも表現される。基本はニ格支配だと考えられるが、ヲ格もかなり使われているように感じられる。
(2013年7月11日)



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