投稿日:2012年03月15日 (木) 20時14分
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ご参考ください
学生が「参考する」という言い方をレポートに書いたりすることがある。「参考」は名詞の用法と動詞の用法があるのだから間違いではない。しかし、違和感を覚える。自分では「参考する」という表現は一度も使ったことがない。「参考にする」か「参照する」かを使う。 ところで、表題の用語法について。ふだん事務からの通知は要点しか読まないので、これまで見落としていたのかもしれない。先日来たメール文書にこんなふうに書いてあった。
このことについて、別紙の通り配布しますので、ご参考ください。
「ご〜ください」という表現は、「〜」の部分に動作性の語が入る。「利用」「相談」「承認」「安心」「放念」など。これらの語はたいていスルを付けて動詞になる。和語動詞なら「お〜ください」となり、「お教えください」「お知らせください」「お考えください」などとなる。そもそも「参考する」には違和感を持っているので「ご参考ください」にも違和感がある。「ご参照ください」と書いた方が落ち着く。 ついでながら、「説明ください」とか「注意ください」のように、「ご」のない表現が使われているのに気が付く。「ご」がないと表現として落ち着きが悪く、「説明してね」「注意してね」といったニュアンスを感じる。和語動詞なら「教えください」「知らせください」「考えください」などが間違った表現だと解るのだが、漢語になると違和感が薄れるのだろうか。一考いただきたい。 (2012年3月1日)
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