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投稿日:2012年02月23日 (木) 19時02分
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『橋本治小説集成1 桃尻娘』を読み始めた。1978年11月に講談社から単行本として刊行されたものがもとになっている。1997年2月に河出書房新社から出ている。 「桃尻娘 1」にこんな表現があった。
やだわ、女のアル中なんか。男だったらアル中だってもまだ見られるけど、女じゃねえ。(p.7)
太字で示した部分だ。 「だっても」を辞書で調べてみると、三省堂の『大辞林』に以下のように記述されている。 ****************** (連語) 〔係助詞「だって」に係助詞「も」の付いたもの〕体言またはそれに助詞の付いたもの、副詞などに接続する。 (1)特別と思われる場合を取り立てて示し、他も同様であることを言外に言い表す場合に用いられる。 「小さくたためば、ポケットに―入るよ」「日曜日―七時には起きる」 (2)不定称の代名詞に付いて、下の語と呼応し、全面的な肯定を表す。 「どこに―あるさ」「なん―できます」 (3)不定称の代名詞または数量の最少単位を表す語に付いて、打ち消しの語と呼応して全面的否定を表す。 「だれ―知らない」「彼はいつ―うちにいない」「一日―休んだことはありません」「一度―顔を出さない」 ****************** ウエブでいつもお世話になっている『デジタル大辞泉』には立項されていない。電子辞書の『広辞苑』(版が古いと思う)にも「だっても」はなかった。 「だっても」は書いてあるのを何回か見たことはある。しかし、耳で聞いた記憶はない。東京を中心とする地域の方言ではないかと思っている。 問題の箇所はボクなら「男だったらアル中でもまだ見られるけど、女じゃねえ。」のように「でも」を使うところだ。
練習してもこの「だっても」は自分ではモノにならないと思う。
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