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投稿日:2005年05月01日 (日) 23時03分
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平安時代の和歌で許される字余りには法則があります。それは, 母音連続がある場合にのみ許される というルールです。皆さんもご存じの百人一首から拾うと,次のようなものです(*が付いている句が字余り)。 11 わたの原 八十島かけて こぎいでぬと* 人にはつげよ あまのつりふね(『古今集』) 48 風をいたみ* 岩うつ波の おのれのみ くだけてものをおもふころかな(『詞花集』) 57 めぐりあひて* みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかな(『新古今集』)
このルールについては,本居宣長が『字音仮名用格』の中で指摘しています。 「目には青葉……」の句は,江戸時代の山口素堂(1642〜1716)のものですが,やはりこのルールをふまえていたと見ていいでしょう。
むささび先生の原稿を「目に青葉」と直した担当者さんが私の教え子ならば,補習を命ずるところです。
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