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| 名前 |
MUTUMI
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| 題名 |
57 |
| 内容 |
(どうにかして足留めしないと!) 焦りながらメイファーは思考を巡らせた。だから、それに対する反応が遅れてしまったのだ。 「メイファ!!」 気が付けば先を走っていたはずのテリーが、メイファーを横抱きにして屋上を転がっていた。 「!?」 メイファーとテリーは、雨に濡れたコンクリートの上を二転三転し、給水パイプの影に逃げ込む。メイファー達を追う様に、雨の中をレーザーの光が走った。 ヒュン、ヒュン。ヒュン。 短い連続音が響く。テリーの腕の中でメイファーは状況を確認した。どうやら狙撃されたらしいと気付き、共犯者の存在に愕然となる。 (援護者がいるの!? それもスナイパーが!?) 「最悪……」 小声で呟き、先程からメイファーを抱えたままピクリとも動かないテリーを顧みる。 「テリー、不味いわよ。スナイパーがついてるみたいよ。……え? ちょっとテリー!?」 メイファーが思わず悲鳴をあげた。テリーは体を丸め、必死で苦痛を堪えていた。メイファーを庇った為だろう、テリーの左肩は被弾していた。血が雨に流され赤い水溜まりをつくる。真っ赤な血が止めどもなく流れていた。 「嘘……、しっかりしてよ!」 |
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[78] 2005/10/03/(Mon) 23:17:11 |
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