はじめまして。
いつも百物語を楽しく読んでいます。
突然ですが、僕も奇妙な体験を話してみようと思います。他の人に話すと大体の人には笑われるのですけれど。
二、三年前の事だったと思います。その日は火星が近づいているという事で、近くの大きな公園で望遠鏡を先生達が用意して、生徒たちに火星を見せていました。
夜、外に出歩くということは当時の僕にとってはとても珍しい事でしたので、僕は興奮してのぼせあがっていました。
友達と騒ぎながら望遠鏡を覗いていましたが、そのうち、僕はとてもトイレに行きたくなって、友達と二人でトイレに向かいました。
僕がトイレから出ると、友達はいなくなっていました。「先に戻ったのかなぁ」なんて考えていましたが、なかなかどうして、夜の公衆便所は怖いものです。早く出ようとした時でした。
トイレの窓いっぱいに四角いシャボン玉のような物が浮いていました。トイレの窓はくもりガラスになって何も見えないはずなんです。それにもし、見えたとしても大きな窓いっぱいに、しかも四角のシャボン玉なんてありえません。
僕は手を洗うのも忘れて、駆け出していました。何故か、どうしようもなく怖かったのです。
トイレの外で待っていた友達に何もいわず、僕は友達の手を引いて人の多い方へ歩いていました。何故か、誰とも口がきけませんでした。
ただ、それだけの話です。
これからもたくさん話を書いてくださいね。影から見守っております。