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[647]カナリア 投稿者:4/11塩田明彦 監督 メール HOME
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何処かで単館映画を見た際、予告編を見て発作的に前売りを買ってしまった数少ない作品である。映画の中ではオウムという言葉は使われず、ニルヴァーナというロックバンドみたいな仮名を用いているが、白い制服、尊師、という設定からオウムである事は明らかだった。 今から思いだすとかなり愚かだが、以前サリン事件が起きた時、オウムの仕業だという報道を聞いて゛決めつけるのはおかしいのでは゛と感じた事があった。実は事件直後東京駅近辺で信者らしき人間からある冊子を受け取った。中身は゛サリン事件や弁護士殺害事件に対して自分達の潔白を表明しているものだった。冊子は表紙以外モノクロ印刷であまりいい紙を使用していなかったが、文書力は見事で読んでいるうちに゛オウム゛を正当化している自分がそこにいた気がする。 すぐ冷静になりその冊子は翌日には捨ててしまったが、幾人ものの人が、楽園を信じ出家するのもあの時は仕方がなかったのであろう。 映画は、途中あまりにもロードムービーぽくなり、飽きさせるが、回想シーンで西島秀俊 が出てきた辺りから時代背景が、全面に出だしおもしろい。圧巻なのは少年の悲しくも強い目線だ。ラストはいささか曖昧に終わるのだが、今リアルタイムで元教団員が何処かで暮らしている事を考慮すれば、妥当な結末であろう。 是非小山卓治氏に見てもらい感想を聞きたいものだ。 個人的には妹役の女の子が、自分の娘とキャラがかぶりとても可愛かった。
投稿日:2005年04月12日 (火) 09時30分
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