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[255]
夢を見ようよ!S
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投稿者:Phewshin
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(2004年07月08日 (木) 22時43分) |
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[194]の続きです。
{ 「それでも、もし、 ある特定の人に愛情を もっていたなら、 その人と一緒に いるときに、 もっと永く、少しでも永く一緒に いたいって 気持ちに なるでしょう。 そんなとき忙しい仕事が あれば、 とても困ってしまう…」
「それは、愛情を、どのように処理するか、って ことで、 二人で大いに相談して きめなけりゃ…」
「そうすると、 相手の人も、 彼女の仕事の ためには、積極的に協力する そんな男性いるかしら、 自分勝手な人が多いんじゃ ありませんか」
へェ、おそれ入りました、と私は腹の中で お辞儀をした。
私から意見を出すならば、 女性も身勝手な人が少なくないが、 男のほうは、もっと、それに輪をかけた、 手前勝手ばかり揃っているような気がしたからだ。 もっとも 戦後の若もの達は、 われわれより、ずッと出来が いいそうである。 この点、誤解なきように。
「だいたい、小説なんか読むと、 愛情のために転落してゆく形のほうが多いようですね」
「そりゃァ、平凡に愛し合って、 二人で協力して、平凡で健康な家庭を いとなむ…なんてんじゃ、 誰も読んで くれませんもの… 売れなければ、書きません」
「映画でも、そうですね」
「…ときどきは“暖簾”みたいなものとか “裸の太陽”のような健康なのも ありますが、 まァ十本に一本、あるなしでしょうね」
「映画を みる人にとって、 やっぱり健康で平凡な人々だから、 せめて、くらがりの中で、 スクリーンの上だけで、 愛情の冒険や危機をみて、ハラハラしたりしている…」
「そうです。 自分でやると、身の破滅、ということに なるから… そんな点で あなたの臆病だというのは、 健全な考え方の、一つの あらわれ みたいな ものでしょうねぇ」
「もっと、冒険など、してみましょうか!」
「さァて、そう云われると、 ぼくなど、父兄の立場から困っちまう… なるべく、冒険なんかせず、 火中の栗を ひろって、火傷を おこしたり しないように、 と願いたい気になるから、妙なもんですナ」
どうも、自分の云っていることが、 ウラハラに なってしまって恐縮だが、 つい、そういうことに なってしまったのだから、 お許し願いたい。
「でも、考えようによっては、 恋の冒険も、 生きていることを 沁々と感じさせる、という点では、 たのしいこと だと 思いますわ… 臆病だって いっても、 そのくらいのこと判るような気がするんです…」
彼女の明るさは、将来がある。 新しい春の泉のような ものであろう。 陽光にキラキラ光っているように みえる。
仕事も、そして恋も 彼女たち若い人たちの ために あると いっていいのだ。 }
と、在りました。 以上で、『グラマー愛を語る』は終了です。
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[263] 通子よ > Phewshinさん、念のために確認致します。主人公のグラマーは万里昌代ですね。 (2004年07月15日 (木) 09時11分)
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