{　　『「脱げ」と　いわれて　ブルブル』

　　日活に入社してから､
　きびしい基礎訓練を　していただき
　いわゆるチョイ役にも､二、三本出していただいて
　四、五ヶ月たった　昨年の二月、
　突然、私は呼びだされて
　『復讐は誰がやる』の
　ヒロインに　抜てきされたことを告げられましたが､
　それまで　ツラくて
　何度か　女優を　やめたいと思っていただけに
　嬉しくって嬉しくって。

　　ところが、いざクランク・インなって
　驚いてしまいました。
　
　のっけから
　猛烈なベッド・シーンだったからです。

　「筑波クン、裸に　なってくれないか。
　脱げるだけ　ぬいで　もらいたいんだがね。
　君の裸は､
　君が考えている以上に　魅力が　あるから」

　　そう　監督さんに、やんわり言われたとき、
　私は　頬が　カッカッと燃え､
　思わず唇を噛みしめて
　下を向いてしまいました。

　女ですもの、
　そう簡単に脱げるものでは　ありません。

　「どうしよう？」

　涙をみせまいと意識しながら､
　私は考えに考えぬきました。

　これでお断りしたら、
　もう売り出すチャンスが　ないのでは　なかろうか？
　よし　仕事は仕事だ､
　私生活とは　ゼンゼン別のことだ。
　たとえグラマー女優といわれ、肉体女優といわれようと、
　それは　ナマ身の私自身とは別の
　カメラに描かれた“女優”の演技だ。

　　そう割り切って、
　私は　下着を思いきりよく　脱ぎすてたのでした。

　しかし　恥かしさは　それからでした。
　裸で、ベッドの上で男優さんとラブ・シーンです。

　「もうすこし、お色気をだしてくれないかな、
　　こどもじゃ　ないんだし…」

　監督さんに叱られても､
　衆人環視のなかで　男優さんの首に､
　ワキの下を　まるだしにして　かじりついたりするのは、
　たまらないことでした。
　「恥しい」と思うと
　とめようと思っても　ひとりでに手足が　こわばり、
　つぎの瞬間には　ブルブルブルブル小きざみに　ふるえだす　しまつ。
　ほんとうに夢中で､
　ふっと気づいたときは　撮影が　おわっていた、
　というのが本音です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}

　　と、在りました。

　きっと、何方かは、続きを期待していますよね?

{　　信じられない愛する　わが子の死。

　　無理からぬ母親の涙であり､悲しみであろう。

　　　一方､親友の鈴木朗子さんも同様の意見である。
　　「小宮さんとは七年来、
　　　川村女学院在学中からの友人なのですが、
　　　とても自殺とは信じられないんです。
　　　あの晩(十九日)遊びに行ったときは　なんでもなかったし、
　　　ましてや、
　　　長い間､悩みを深刻に打ちあけるような　こともなかったんです。
　　　中華料理を一緒に食べに行ったときも
　　　“お酒のまない”といって　のみたい口ぶりだった。
　　　でも止めて､もりもり食べましたわ。
　　　別れるときも別段のこと　なかったし…。
　　　ウィスキーを　のんだとすれば
　　　飲み過ぎて意識が　もうろうとなり、
　　　ガスストーブに点火したと思ったのが､
　　　火が　ついていなかったんじゃないかと思うんです。
　　　自殺を　するような人ではないし、
　　　絶対に過失死だと思います」
　　　　と断言している。

　　　　そして東映の橘宣伝課長も､
　　　同じ見解を示しているのだ。
　　　「ビックリした。
　　　まさか自殺なんて信じられない。
　　　ベーリーとかの名前は　心当たりは　ない。
　　　なにしろ彼女は　外人ぎらいで通ってましたよ。
　
　　　早速かけつけて行ってみたら､
　　　その死に顔は笑ってました。
　　　絶対自殺するような子じゃない。
　　　演技的にも成長してきたし､
　　　これからという女優さんを失って惜しい」
　　　　と過失死説に同意している。

　　　　また長いつき合いの田中スチールマンも、
　　　「自殺とは　考えられない。
　　　　第一　そんなに物事をつきつめて考え､
　　　　悩むような人じゃなかった。
　　　　明るくて､お人よしで､
　　　　よく“いい人いない、結婚しようかな”
　　　　なんて　いってたよ」
　　　　　と　これも過失死を主張している。　　　　　　　　　　　　　　　}

　　　　　と、在りました。

{　『主役を　おりた　池内淳子』

　　「今後は外部から新東宝を応援する」と、
　　ついに　ワンマン社長と呼び声高かった大蔵氏も
　　辞意を表明した。

　　『映画の日』を明日に　ひかえた
　　十一月三十日午後の　ことだった。
　　その夜､新東宝社員は一堂に集まった。
　　スターから裏方さんまでが、
　　社長退陣後の再建について､真剣に議論を　たたかわせた。

　　　その結果､全員年末ボーナスを返上､
　　当分　月給三分の一で頑張ろう。
　　従来のエロ･グロ偏向を排して､
　　芸術的な作品を制作していこうと申し合わせた。

　　　だが、“乾杯したい気持ち”という気持ちは同じにしても､
　　一人一人の胸のうちや、今後の去就については、
　　なかなか微妙なものが　あるようだ。

　　　その一人が池内淳子。

　　　今後の方針が　どうあろうとも強引にスタートするはずであった
　　『契約結婚』の主役を、
　　池内淳子は　突然おりてしまった。

　　『契約結婚』は、由起しげ子原作を､
　　若手監督中のホープ渡辺祐介が
　　池内淳子をイメージにおいて脚色した期待作だった。
　　折も折だけに　この問題は　
　　ちょっとした波紋を　なげかけている。

　　　新東宝きっての　お姫様女優と　いわれた池内淳子は､
　　柳沢真一と離婚して､話題になったあと、
　　昼下がりの　よろめきドラマとして話題をよんだ
　　『日日の背信』(フジテレビ)のヒロインとして
　　クローズアップされているのだが。

　　『女王蜂の逆襲』の撮影を　つづけながら
　　日本テレビの『今日を生きる』に出演中の、池内淳子を
　　東京六本木の　けいこ場に　たずねて
　　その理由を聞いてみた。

　　　偶然なことに、
　　池内淳子の契約ぎれは　十一月三十日。
　　「寝不足のせいか、肝臓を　こわしちゃって」

　　　立げい古中の池内淳子は､
　　グリーンのチェックのブラウスに黒のスカートという、
　　スポーティな装いが　すがすがしい。
　　「やるからには全力で　やりたいけれど、
　　今の私には体の自信が　ありません」

　　　主役を　おりたことは申しわけないが、
　　自分としては　やむを得なかったと苦しそうな表情だ。

　　　テレビの方へ転向するのではないか、
　　という噂については、
　　「いまの段階では　何とも　いえません。
　　ただ　残る､とは　断言出来ない…」
　　　と　あとは伏目になって言葉をにごす。

　　　お世話になった新東宝だが、
　　いたずらに　ひきずられて
　　自分のチャンスは失いたくない。

　　　最後に　ひとこと、
　　はっきり　つけ加えた。
　　「あたしは自分を大切にしたいと思っています」　　　　　　　　　　　}

　　　と、在りました。

　　面白くなるのは､此れからです。

当方、たぬきHPを開いているものですが、この度、ふつうのリンク頁をUP、敬愛するこちらサイトに勝手にリンクさせていただきました。
今もNECOチャンネルで、三原姫の映画はちょくちょく。たぬきも好きですが、三原姫、新東宝映画も大好き。よろしくおねがいします。
まずはご挨拶ということで。
お暇なとき、またこちらBBSにでもお立ち寄りください。

チャンネルNECO11月放映の「ようこそ！新東宝の世界へ」は「犯罪捜査」シリーズです。リアルタイムで何本か觀た記憶がありますが、タイトルと内容が一致しておりません。
今回下記10作品が放映されますので樂しみです。データの檢証もします。

「悪魔と拳銃」、「女の決闘」、「消えた私立探偵」、「群衆の中の殺人」、「強奪された拳銃」、「殺人と拳銃」、「脱衣室の殺人」、「犯罪地帯を捜せ｣、｢麻薬街の殺人」、｢野獣群」

　[261]の続きです。
　
{　『片恋に破れて女優を志願…』

　　慶応の女子高校に　はいった理由は､
　次兄の実が　たまたま　慶応大学に在学して　いたからです。

　　皆さんに笑われるかも　しれませんが、
　試験勉強は　ずいぶん　やりました。
　寒いときで、
　母（ハツ）が　おこたに　はいるよう　すすめてくれるのでしたが、
　私としては　もっと　セッパつまった気持ちだったので断り､
　大げさな表現ですが　寒稽古でも　する気で
　勉強を　したものでした。

　　高校二年のとき、
　私は新東宝のニューフェイスの試験を受けました。

　運よくパスしたのですが、
　内緒で受けただけに､
　採用通知をみた両親に　泣いて　とめられました。
　せめて高校だけは出てからに　してくれ、
　と　いう　わけです。

　　このころ　慶応の　ある学生クンに　片思いを　しました。

　私が　その気になれば　話すチャンスは　ありましたし、
　彼のほうでも
　それとなく　私の恋心を察していたようでしたが､
　なんとなく　お互いにテレあったまま
　彼は　やがて大学を出て
　関西のほうの商事会社に　勤めていってしまいました。

　ほんとうに淡い初恋でした。

　　それで、なんとなく気落ちしているところへ、
　すすめる人があって
　日活に入社する決意を固めたのでした。
　ロマンチックにいえば、
　片思いに破れて撮影所入りした
　と　いうところかもしれませんね。

　一昨年の九月十日の　ことでした。

　いつのまにか
　私は女優に　なっていたのでした。　　　　　　　　　　　}

　　続きは､其のうちに。

{　『久保菜穂子の友情の真相？』34.9。

　　「一にスピード､二にスピード､
　　　三は　すなわち　タイム・イズ・マネー」
　　　と　いうのが新東宝のモットーだから、
　　安易なセックス映画で勝負しようと､
　　“セックス週間”なるものまで設け､
　　大蔵社長みずから　ハダカ映画でヌード演出にあたる
　　と　いう　熱の入れ方だ。

　　　一方､こういった会社の露出症に　イヤ気が　さして
　　スターが　続々と　やめていく。
　　若山富三郎、中山昭二に　ついで、
　　久保菜穂子が　三月フリーを宣言､
　　近く東映専属となる。
　　また　宇治みさ子も　十月にフリーと決った。
　　このなかには　円満退社といったケースは
　　ほんの数えるくらいで、
　　ほとんどが　喧嘩沙汰で　やめている。

　　　最近　久保の家に､
　　新東宝をクビにされた元社員が借金しにきた。
　　話の内容をきいて
　　久保は　大いに同情し　三万円を包んで渡したという。
　　これは　同じカマの飯を喰った間柄と　いうこともあるが、
　　実のところ　在社中に受けた　会社の冷たい仕打ちに対する
　　ササヤカな反抗だ　と見る人もいる。

　　　ハダカ映画に社運を賭けるのも　いいが、
　　もちっと考えてもいい問題が　あるのでは　ないか。　　　　}

　　　　と、在りました。
　

{　『私の生活』31.10。

　　私は　この間､「女真珠王の復讐」で
　全裸で　キャメラの前に立ちましたが､
　それは　映画女優が裸になった最初だったので､
　世間から　いろいろな批判が　ありました。

　同じ仕事に　たずさわっている人の中からも､
　裸ぐらいなら　私だって　なれる
　という蔭口を　ききました。

　私は　何も
　人と競って　裸に　なったのでは　ありませんから、
　その事葉を聞いて　悲しくなりました。
　仕事だからこそ、その必要に　よって
　すすんで　裸に　なったのです。

　　考えてみますと
　映画に出るなどとは
　夢にも思わなかった素人の私が､
　一年ちょっと前に誘われて　女優に　なって…。

　そして、やった役は
　みんな一風変ったもの　ばかりでした。
　初めて出演した「三等社員と女秘書」では
　二号で若い男を口説く役でしたし､
　次の「息子一人に嫁八人」では芸妓の役で
　宇津井健さんに岡惚れして
　口説いて振られてしまう…。
　「母ふたり」の時には夜の女に扮して、
　女だてらに掴み合いの大格闘を演じ､
　「君ひとすじに」では
　純情な裁縫師でしたが、
　ポンポンと　ものを言う役だったのです。
　次の「黒猫館に消えた男」では、
　悪人の情婦で　お金を狙う女､
　「大学の武勇伝」では　娘役だったのですけれど、
　残念なこと少しイカレポンチで男を追いかける役､
　「社長三等兵」は、
　芸者で他の朋輩を　かきわけて
　キドシンさんを獲得する強心臓の女､
　「駆け出し社員とチャッチャッ娘」では
　ダンサーで悪の一味､
　「栄光とばく走王」では　
　ストリッパーで全裸に近い踊り子でした。
　その次が「続　君ひとすじに」で、
　これは前篇と同じ役､
　その後が　今度の「女真珠王の復讐」なのです。

　　私は　なんとなく女優に　なったのですけれども、
　いままで　やった役が　普通の娘役では　なくて、
　みんな変ったもの　ばかりなので、
　こんな役をやる要素が　自分に　あったのかと、
　今更自分で驚いているのです。

　しかし、私自身も娘役という…
　ただ　おとなしい、純情な役より
　個性の強い、強烈なものが好きなのです。

　外国の映画で云いますと､
　「悪魔のような女」の、シモ―ヌ・シニョレ、ヴェラ・クルーゾォとか、
　「肉体の怒り」のフランソワズ・アルヌールとかに憧れていた私ですし､
　好きな女優といえば、
　マルチ―ヌ・キャロル、モンロー､マリナ･ヴラディ、
　マンガーノさん　たちでした。
　　また西部劇の激しい荒々しさに夢を躍らせていました。

　　私は、今後の行く道が　よくわかって来たような気がしました。
　これまでの日本映画に少なかったタッチの荒いものをやって、
　自分の道を歩いていきたいと考えています。
　そういう面に、
　私の生活の全部､今後の青春の　すべてをかけて行きたい
　と考えている私です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}

　　と、在りました。
　

ご無沙汰しております。
８月にグアムに行っておりました。
葉子様がグアムに住んでいるという情報がありましたので、現地のグアム日本人会のメンバーに確認したところ數年前に住んでいたが現在は所在不明、日本に帰っているかもしれないとのことでした。その他何人かに尋ねましたが手がかりはありませんでした。葉子さまのインタビューが取れれば、本は出版できます。

グアムでは、キャット・ウーマン、アイ,ロボット（日本では昨日公開）、スパーダーマン２の3本の映画を觀てきました。朝一に行けば、わずか４ドルです。
女主人公ペイシェンス（オスカカー女優ハル・ベリー）が猫によってキャット・ウーマンとして生まれ變わるシーンは、「花嫁吸血魔」でお琴さま（私の好きな五月藤江）が白井藤子（池内淳子）を生き返らすシーンを髣髴させました。「花嫁吸血魔」は私が子供のころリアルタイムで觀たので、非常に
印象に殘っております。

下記でセクシー地帯が觀れます。ただし、9月をもって終了。
　http://1coin.cplaza.ne.jp/toho/

８月ＣＳで放映した「人間魚雷回天」に葉子様が「待合碇荘の女」役で出演していました。今まで氣が付きませんでした。

こんにちは。

{　『忍者姿で　はりきる　前田通子』　39.10。

　“スソマクリ事件”で　新東宝を追いだされた
　前田通子が、七年ぶりで　芸能界にカムバック、
　十月四日から　ＮＥＴテレビで放映される
　山田風太郎原作『江戸忍法帖』(監督志村敏夫)に、
　女忍者の役で出演している。

　“五社協定”に　しばられて、
　地方のキャバレーで　うたったり、
　台湾の映画に出演したりと､
　ながらくドサまわりで　苦労してきた彼女だが､
　さすがに、黒い忍者衣裳を　ぬいで
　イキな姐御姿に　かえると、
　こぼれるような年増女優の　お色気が　ただよう。

　「この番組の出演を　きっかけに
　これからは　テレビや映画で　大いに活躍したいわ」
　と　彼女は語っていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}

　　　と、在りました。