鈴木健介さん（中川信夫監督「怪異談　生きてゐる小平次」の助監督、「地獄でヨーイ・ハイ！　-中川信夫 怪談・恐怖映画の業華-」の著者）に、4/23に觀た「日本残酷物語」に、ドキュメンタリーなのに川部修詩さんが出ていましたよ、話したところ、川部さんが4/3にお亡くなりになったとのこと。

奇しくも4/3は中川監督を偲ぶ集う「酒豆忌」が開催された日、沼田さんより一足お先に川部さんも中川さんの處へ行ってしまいました。

川部さんは「Ｂ級巨匠論 中川信夫研究」を著しており、中川組の一員です。三原葉子さんが官能的なbelly danceを踊った「女奴隷船」の陳役が印象に殘っております。心から御冥福を御祈り申し上げます。

沼田曜一さんが､亡くなられた事に対しまして､御冥福を御祈り致します｡本日､間も無く、告別式なんですね。御疲れ様でした｡

三原葉子ファンＡさん、新たなＤＶＤの頒布は未だですか。楽しみにしています。三原さん以外のグラマー女優の画像をプラスされても歓迎致します。

三原葉子ファンAさん、「三原葉子の本質」を愛視していますが、この2週間新たな画像の紹介が途絶えています。体調を崩されたのでしょうか。それとも何らかのトラブルがあったのでしょうか。とても気がかりです。復帰できるよう祈っています。

{　『炭火』昭和３２年４月

　　セット待ちの気分
　(最初から　こんなことを　云っては
　多くの先輩に叱られるかも　しれませんが)
　らしくなるのは
　夏よりも　冬だと思います｡

　　夏は　むーっと暑いので
　じっとしていることも　堪らないですが､
　冬は寒いので　もう体を固くして
　じっとしている以外　どうすることも　できませんし、
　時々　火鉢代りの石油鑵の炭火に手をかざして
　出を待つばかりです｡
　それが何か　夏に比べて
　本当に待っているような気持ちになるからです。

　　でも時間がなくて　結髪部屋から衣裳部屋へ､
　それから　息をはずませて　セット入りし､
　直ぐ　キャメラの前に立つと
　まだ役をいたゞくようになってから
　二年足らずの月日しか経っていない　わたくしなど
　一寸気が落着かないというのか
　面喰うようなこともありました。

　やはり　準備ができて
　セットの中で待つ時間が欲しい　と思います｡
　殊に　わたくしのような　まだ駆け出しに　とりましては。

　　どんなベテランの方も　そうであるように思えるのですが
　幾らかでも　自分の出を待つ時間が　あるということは、
　キャメラの前に立った時の平静さを作るのに
　是非必要なことではないでしょうか。
　
　　ですから　セット待ちしている時の態度は
　ぼんやりしているように　見えるかもしれませんけれども
　わたくし達にとっては　とても大切な時間なのです｡

　　これは　決して誇りではないのですが、
　わたくしは　セットの中には　
　台本を持って入らないことに　しております。
　入社当時　志村先生に　
　台本をセットに持ち込まないでも
　できるようにならなければ　いけない
　と御指導していたゞき、
　この言葉が　何時もわたくしの心の中に生きているからです。
　恐らく同じ道を歩く限り
　この心の掟は　決して破らないよう努力するつもりでおります。

　　セット待ちで　ぼんやりしている時なんか、
　わたくしは　自分のセリフを何度も繰り返し
　口の中で言ってみるだけです｡
　何時間も待ち時間がある時など、
　人によっては　別の本を読んだり
　編物をしたりする方がありますが
　絶対に　いけないことだと思います｡
　わたくし達の道は
　とても厳しいものです。
　でも　たとえどんなに厳しい道であるとしても、
　一歩でも上に登ることが　できれば
　とても嬉しいのです｡


　　　　　　　　　　　　　新東宝　前田通子　　　　　　　　　　　　　　　}


　　と、在りました｡
　

三原葉子ファンA様、新しく立ち上げた「三原葉子の本質」には、新東宝以降の画像を沢山提供なさっていますが、どれもとても貴重なもので、有難く拝見しています。新年も引き続きよろしくお願い致します。

三原葉子ファンの皆さん、先月下旬に講談社から発行された「甦る昭和脇役名画館」をもう読まれたでしょうか？この本では「生涯一エロ女優の心意気」のタイトルで我らが三原葉子さんのことを1章をさいてとりあげています。
僕がこの本が出版されてうれしいことは二つ、①本格的に三原葉子さんについて書いた本が出たこと。②三原葉子さんについてのこれまでの記事は、ともすれば「きれいごと」の記述が多かったが、この記事は三原葉子さんの本質にかなり迫っていることです。皆さんのご意見をお待ちします。

　『グラマー役から脱皮する？三原と万里』

{　新東宝の看板娘
　万里昌代と三原葉子の両グラマーの意見は
　どうだろうか？

　『デコボコ珍道中』に主演中の万里昌代は
　契約は　来年七月まで
　　
　「グラマーは　あたしの　ほんの一面よ｡
　　だから、今までの役に未練は　ありません」
　
　と前置きをして、

　「柔道をテーマにしたものを　やりたいし、
　　東宝カラーも魅力｡
　　テレビも
　　この間　ＮＨＫの『灰色のシリーズ』に出たけど､
　　面白かったわ｡

　自分から売りこむ　つもりは　ないが
　他社出演で　チャンスを　つかみ
　新境地を開きたいと　意欲的｡

　
　　また　三原葉子は　
　旅館を経営すると　いわれているが、

　「こんどのことは　全然関係無いのよ。
　　生活の安定､将来の計画という意味で､
　　一人の女性としての計画よ」

　その上､まだ実現したわけでなく、
　あくまで　デスク・プランに過ぎない、と打ち消すが､
　さすがに　ドライな肉体派だけあって、
　生活の設計は　なかなか　お見事｡
　当分苦しいと思われる新東宝に　あっては、
　慎重な布石　と　いえるだろう。

　　社長退陣に　ついては

　「東映との合併問題が起きたときには、
　　やはり　新東宝のマークを守りたいと思いましたね」
　　と　しみじみした口調｡

　　彼女は　新東宝九年生｡
　だから　たとえ　給料が三か月ぐらいストップしても
　再建に　つくしたい、と　いう。

　「他社主演も　演技の方から　みれば
　　いいことでしょうね。
　　テレビからも専属の　おはなしが　ありますけど、
　　あたしは　とにかく　新東宝中心です」

　　と　頼もしい決意を　みせている。


　　この二人は､
　これまで　肉体だけを売り物にする映画が　多かっただけに、
　良心的な今後の作風に、
　人一倍の期待を　よせている　ようだ。　　　　　　　　　　　　　　　}

　　と、在りました｡

ご冥福をお祈りします。
11/18　皆様に「撮影監督　髙村倉太郎　祝う会」をご案内した矢先の凶事
自分でも驚いております。11/25の会は中止となりました。

翌11/26から12/9まで池袋新文芸座で「撮影監督　髙村倉太郎」が上映されます。私は、和泉雅子さんがトークショーに來る12/4に行く豫定です。

『クロウト女に好評の　やわらかな男』

{　若い女優とか､キャバレーなどの　いわゆるクロウト筋の女性に､
　絶対的な人気があると　いわれる　男が二人いる。

　　その一人は､
　ファンファンの愛称で知られる岡田真澄､
　もう一人は、高島忠夫だ。

　　クロウト筋の女たちに言わせると､
　大川橋蔵､小林旭､石原裕次郎､加山雄三といった人気スターでも、
　カメラフェイスとナマの感じを比較したとき、
　この二人には　かなわない　と　いうのが
　もっぱらの評価｡

　　銀座の高級クラブの“エスポアール”のＹ子(24)に言わせると､
　「高島さんは　なんて　いうのかしら･･･
　　映画で見るときは　それほどイカされないけど、
　　直接会ってると､
　　ナマの性的魅力がグーッと　きちゃうから、不思議！･･･」

　　なんだそうである。

　　つまり、高島忠夫のナマの　ふんいきが
　女性にアピールするわけだが、
　それを具体的に分析してみると

　(1)背が高いこと。
　(2)肩幅がひろくて頼りになる感じ｡
　(3)キョロキョロしないで、
　　前をまっすぐ向いて　さッさッと歩く感じがいい。
　(4)口のきき方がザックバランで、
　　変な気どりがない。
　(5)背広をキッチリと着こなして､
　　ぜんたいが　清潔な感じ｡
　(6)銀座通りを歩きながら、
　　ヤキイモなんかを　ひょいと気さくに買ったりする
　　などがイカす感じ｡
　(7)ムードとして　お兄さまふうで、
　　何でも相談に乗ってくれる感じ｡
　(8)おもいやりがあって、　
　　女の気持ちを察して、こまかいところに気がつくので､
　　いやでもグッときちゃう。

　以上､ざっと　こんなところが、
　クロウト好みの、ボンちゃんの素顔という　わけである。

　ところで、クロウト筋がいう、
　高島忠夫における「おもいやり･･･」とか、
　「細かいことに　よく気がつく･･･」とか、
　「優しさが　わかる男性･･･」と　いうのは、
　いったい、どういうようなことか。

　　ここらになると、
　高島忠夫の天性の人柄とばかり言えない｡
　“色の道”の、さりげないテクニックを　男性側は感じる｡　　　　　　}

　と、在りました｡