汎用掲示板
討論など結構ですが、荒れないようにお願いします・・・
[182] 題名:復活 名前:ひでお(管理人) MAIL URL 投稿日:2006年01月04日 (水) 05時33分
取り敢えず年間のまとめと掲示板だけ復活しました。本格復活ではないので悪しからず。
[181] 題名:Re: メリークリスマス 名前:ひでお(管理人) MAIL URL 投稿日:2004年12月28日 (火) 10時20分
しみずさんのベスト・ワースト拝見しました。
いきなりであれですが・・・
>・リンデン トリスタン(バレンボイム、フランツ,マイヤー)
これポラスキでしたよね?(笑)確かに1・3は悪くなかったですね。ポラスキも何であんなヘビーな声しているのかと。もう声だけで聞かせました。
>・リンデン ワルキューレ
これは良かったですか!羨ましい。クプゥファーも今一度見たかった・・・。シュースター(Schuster)のジークリンデもいいなあ。バレンはカルメンなんてリンデンでやっていたのですね。
>・コーミシェ ムツェンスク郡
う〜ん、コーミッシェはこうなるといよいよ潰せないですね。新しく決まったオペラ財団のダイレクターも「潰す為に来たのではない」といってますね。この人ところでシュータージに身を置いていたとか?
>・ハンブルク モーゼとアロン
これも行きたかった。メッツマッハ―は近現代ですか、やはり。ヴォツェック断章とか良かったですし。ゴルトベルク(Goldberg)も年ですから今聞いておかないと。コンビチュニ―の演出ももう一度見て見たかった。
>・ゼンパー ジークフリート+黄昏
・・・・・。
もう1行ワースト経験に加えさせる気ですか?
これ迷っていかなかったのは今年最大の後悔じゃ〜〜〜(笑)
>・ノット/バンベルク響
あれ、来年これはジークフリートですか?!HPどこだ・・・?
>・レヴァインMPO退任記念 マーラー 大地,復活
これも行きたかった。パルジファルもマイク垂らしていたのにCD作らないのか・・・。そう言えばジークフリート3幕は大きいCDボックスに入ってますね。モリス、ワトソン、ヘップナー。この面子ならXンキーでも良かろう(笑)
>・ペトレンコ/コーミシェオパー管
そうですか、そんなにいいならこのコンビのケルン演奏会行ってみます。6月チャイ5です。今年9月何気にデュースブルク・フィルに客演してラフマニノフDie Toteninsel?とかプロコ3やったのに見落としてました。
>・ラトル/BPO マラ5
>2003年就任披露公演の輝かしさとは大違い.指揮も楽団もおっかなびっくり。どうした.
これは今年の七不思議の一つ(笑)同じの演奏会聞いて私は結構感動したのに。もっとも管弦楽曲は不勉強ですが。
>今年印象に残った・・・
>●指揮者
>ペトレンコ、ルイージ、サレムクール(リンデンのアシスタント)
これは全員同意見。「後宮」はモーツァルトでも気に入りましたよ。躍動感あるし、非常に生き生きしてました。これだけのモーツァルト、ドイツでなかなか聞けない(笑)ルイージはぜひオペラで聞きたいですね。サレムクールと書くと覚え易い(笑)私も年末年始のリンデン魔笛でしたが通常公演とは思えないしっかりした音楽作り。デュースブルクでのシェ―ファー・リサイタルのピアニストでもありました。
>●歌手
>シュスター、バルクミン
シュースターはいいですよね。6月シュトゥットガルトのブランゲーネも非常に優秀でした。今でも指折りのワ―グナー・メゾですよね。DVDになったシュトゥット・リング黄金のフリッカですが日本での知名度はまだまだでしょう。クンドリやジークリンデ、ぜひ聞いてみたい。しみずさんご推薦のバルクミン。いつか聞くチャンスがあるといいですが。
ここで訂正します。バーデンバーデンの収容人数ですが、2500人(自称)でした。席数だけ数えると2300から2400ですが大体2500なのでしょう。
[180] 題名:メリークリスマス 名前:しみず MAIL URL 投稿日:2004年12月27日 (月) 07時11分
どうもご無沙汰してます。
ヒデおさんの本年総括,拝見いたしました.パルジファル好きとしてはベストの2つを両方とも逃したのは痛い(だけならまだしもナガノやブーレーズなんて贋物(失礼)を掴まされてしまってるのはもっと痛い).まあこういうのはしょうがないんでしょうね。
私の2004年はこんなんでした(全て順不同)。
(オペラ)
●ベスト
・DOB FROSCH(元旦)
ヒデさんの仰るとおり。いやああれは素晴らしかった.
●次点
・リンデン トリスタン(バレンボイム、フランツ,マイヤー)
・リンデン ワルキューレ(バレンボイム,ポラスキー、ギャンビル,シュスター,トムリンソン(シュトルックマンの代役)他)
フェストターゲその他の大型イベントではあんなにやっつけ仕事(もしくは逆に頭に血が上った非音楽的恣意)を撒き散らすバレンボイム,普段のレパートリー公演ではいい指揮してます。これら2つはさすが元バイロイトの主と思わせる,素晴らしい演奏。歌手もこれだけのをコンスタントにそろえられるのはさすが独統一の「勝組み」劇場.バレンボイムはスペインの太陽なんか糞食らえ的な重苦しいカルメンも良かった.
・コーミシェ ムツェンスク郡のマクベス夫人(シナイスキー/ノイエンフェルス)
レニングラード(後述)でも見せたオケの超絶技巧、凄まじい集中力に唖然。ベルリン響もだが、旧東独のオケは特にショスタコになるととんでもない馬力を発揮する.ノイエンフェルスの演出もカテリーナのあがきを明確に描いている。
・ハンブルク モーゼとアロン(メッツマッハー/コンヴィチュニー,ゴールドベルク他)
「思想(芸術)」⇔「大衆の実利(大衆への受容)」の関係をコン氏は労働者の拝金主義に置き換えて表現。ワーグナーやショスタコでは今のところ「よく纏めました」程度のメッツマッハーもシェーンベルクではもう一歩踏み込む.音楽面ではリンデン(サレムクール指揮,フォーゲル,ゴルドベルク、オケはこのプロダクションでオペルンヴェルト「今年のオーケストラ賞」受賞)に一日の長あれど,モーゼで大劇場を満員にしてスタンディングオベーションを引き起こすのは,ゲンダイオンガクの普及に尽力してきた彼の手柄.
・ゼンパー ジークフリート+黄昏(シュナイダー,デヴォル,エーベルツ、リドル、W.シュミット他)
ヘアリツィウスがデヴォルに,フランツがエーベルツに急遽変更.ビシュコフ降板やら洪水やらに祟られた「呪われたドレスナー・リング」を象徴するチクルス公演.しかし代打は全て成功.デヴォルの堂々たるブリュンヒルデ,エーベルツの重〜いジークフリート、SKDのような味のあるオケだと俄然安定感を発揮するP.シュナイダー。演出は紙芝居ですが.
・DOB ペレアスとメリザンド(M.アルブレヒト/マレッリ)
DOB久々のヒット.ピットを浅めに取ったからか、オケがびっくりするほどしっとり繊細に響く.歌手陣(Pelléas Richard Croft、Golaud Laurent Naouri、Mélisande Véronique Gens)もまとまりよし,確信犯的にオーソドックスな演出も文句つけられず,
・DOB 西部の娘(ティーレマン)
歌手は小粒,コンヴィチュニーの弟子の演出家は見ててこっちが恥ずかしくなるような陳腐な発想、でもティーレマンのプッチーニはやはり非常にいい.
・エッセン 影(ショルテス)
ヒデさんのとおり.こういう得意分野のある中堅劇場って頼もしいですね.
・ノット/バンベルク響 ワルキューレ(シュナウト,シュスター,トレリーヴン、ゼーリヒ他)
ノットは「ドイツ的」な演目の時にはオケにかなりの程度自由に任せ,近代の時は逆にぐいぐい引っ張る.このコンビがワーグナーを演奏するときはいつも両者が絶妙にブレンドされている.今シーズンに一挙に黄昏まで行って欲しかった・・・(このコンビは既にジークとトリスタンを全曲取り上げ済)
(コンサート)
●ベスト
・レヴァインMPO退任記念 マーラー 大地,復活
レヴァインのパルジファルを諦めた代償がこれ。ワルターのような世界.
・ペトレンコ/コーミシェオパー管 バルトークVn2(ブラッハー)、レニングラード
2004年のオペラ・コンサート含めたベスト・オフ・ベストを挙げるとすればこれ。バルトークの物憂げな感触からして特選ものでしたが,レニングラードはそりゃもう一生の思い出.
・インバル/ベルリン響 シベ3,1、フィンランディア
・ウェラー/ベルリン響 チャイコ5他
この指揮者が人気が出ないのが不思議でならない.スヴェトラ(あるいは晩年のクナ)を聞いているかのような悠揚迫らざる巨大,かつ繊細なチャイ5.
・ヤノフスキ/ベルリン放送響 ハルトマン悲劇交響曲、ヤナーチェク シンフォニエッタ他
このコンビ,当たるときは本当に大当たり.興奮のあまり鼻血が出そうでした.
・フランク/SKB 幻想,ショーソン 愛と海の詩(マイヤー)
若き巨匠フランクの独壇場。インテンポで遅め,幅広く歌わせつつここ一番で怒涛の突撃を行う(そういうときに大抵図ったかのように立ち上がって指揮する)フランクの完成されたスタイルはフランス音楽にも通用.
●次点
・スクロヴァチェフスキー/ハンブルク・フィル ブル8
オケが最低.ブルックナー演奏する資格本当になし.スクロヴァの解釈が最高だっただけに,本当にもったいない。
・ルイジ/MDR 聖歌四編
・ノット/バンベルク響 リゲティ レクイエム,マーラー10アダージョ他
・ドホナーニ/NDR ブル4、ジークフリート牧歌他
・ハイティンク/SKD 未完成,タコ8(未完成のみ特選)
たんに上品、というのを超えて,究極の美の域に到達していた未完成。タコ8はちょっと穏健に纏めすぎたか.
・ヤノフスキ/ベルリン放送響 ドイツレクイエム
・ラトル/BPO ブル4他
なんで良かったのか分からない(どうみてもこのコンビにあわなそうな曲)、でもほんとに良かった.フィナーレのコーダで「闇が光りだす」瞬間といったら・・・
・小澤/サイトウキネン 弦チェレ、悲愴(弦チェレのみ特選)
弦チェレはめったに聞けない名演.焦らず叫ばず,でもメッセージは痛切かつ自然に伝わる,いいときの小澤.でも悲愴はブンチャカドンドン、チンドン屋大会.ああもう。
・インバル/ベルリン響 ブル3原典版他
・インバル/ベルリン響 我が祖国
・ナガノ/ベルリン・ドイツ響 ロメジュリ,プロコP協2(ヴォロドス)、ボレロ
今年のがっかり
●オペラ
・バイロイト パルジファル(ブーレーズ/シュリンゲンジーフ)
・バーデンバーデン パルジファル(ナガノ/レーンホフ)
・コーミシェ 後宮(ペトレンコ/ビエイト)
モーツァルトをダシに己を語ろうとする,そのビエイトの姿勢が許せん.ペトレンコは結構当たり外れのある人なのでしょうがない。彼はファルスタッフは絶品だったし、椿姫もメリーウィドウも良かった.
●コンサート
・ラトル/BPO マラ5
2003年就任披露公演の輝かしさとは大違い.指揮も楽団もおっかなびっくり。どうした.
・マッケラス/BPO シンフォニエッタ,モーツァルトP協22(内田光子)他
去年のベルクルントもそうですが、なんでBPOって高齢のこの道一筋系の専門家が客演するとだるい演奏になってしまうんでしょうか.とはいえマッケラスはもともと余り好きではないですが.
・ハイティンク/BPO ブラ4他
ハイティンクは素晴らしい指揮者だと思います.少なくともウィーンやドレスデンでは.でもベルリンだと何でこんな退屈な人になってしまうんでしょう。ドヴォ7やマラ3はまだ許せましたが,この日はさすがに許せなかった.
・ナガノ/ベルリン・ドイツ響 マラ8
頭でっかち,企画倒れ.ナガノには良くあることですが.
・ブーレーズ/BPO バルトークVa協(バシュメット)、Vn協1(クレーメル)、不思議な役人他
豪華布陣,大好きなバルトーク,で完全な期待はずれ.「役人」なんて、他でもないブーレーズの指揮で目覚めたのに・・・
今年印象に残った・・・
●指揮者
ペトレンコ
ルイージ
サレムクール(リンデンのアシスタント)
●オケ
バイエルン放送響
ミネソタ管
●ソリスト
テツラフ、F。P.ツィマーマン(Vn)
ヴォロドス(P)
●歌手
シュスター
バルクミン
後半めんどくさくて説明を大分はしょりましたが,こんなとこです.なんか思いつくことがあったらまた書きます.
コンサートで当たりが多かった割には,オペラはちょっと打率が悪かったかな.
[179] 題名:2004年総括 名前:ひでお(管理人) MAIL URL 投稿日:2004年12月26日 (日) 16時55分
今年も残すところ数日。皆様に置かれましては良き年末・正月を迎えられるようお祈り申し上げます。以下、本年度接したオペラ、コンサートを総括してみました。
・ベスト・ワンの公演
ベルリン・ドイツ・オペラ ティーレマン 「パルジファル」
ミュンヘン・フィル レヴァイン 「パルジファル」(演奏会形式)
芸術は主観的であるとか、主観的でなく客観的に見る或いは論ずるべきだ、という意見、また芸術は好悪の問題だ云々する見方がありますが、ズバリ、芸術とは先ず「水準」である、と私は見ます。芸術や音楽は畢竟、「芸術性」乃至は「音楽性」が高いか否かで決まる。芸術は唯々高い芸術性を追求すべきだし、芸術を巡る言説では高い芸術性こそ論じられるべきであります。主客観の問題、好悪の問題は二の次でしょう。優れた芸術作品の持つ高い芸術性は、主観や好悪で左右されるほど脆弱では、ない。
この二つのパルジファルはある意味では違った方向性にあり、好みや嗜好で言えば全く反対であったものの、甲乙の付け難い、非日常的な、極めて芸術性の高い公演でした。色々な形で芸術・オペラ・音楽に関わる者として、これまでのそして今後の芸術体験全体の中で確実に一つの頂点を為すであろう経験でありました。こういった体験の為なら、一公演見るために海外渡航をしても全く惜しくない、そう思わせる上演水準。一言で表すなら、ティーレマンは「劇性」、レヴァインは「達観」だったと言えるでしょうか。ティーレマンは今後もまだ伸びるでしょうが、レヴァインはパーキンソン氏病という噂を証明するような様子で、メト92年パルジファルの映像では棒をブンブン振り回しているのに対してミュンヘンでは殆ど腕しか動かせない状態でした。「レヴァインの遺言を聞かされた」とは知人の評。
歌手陣は因みにDOBでケルルは高水準、リオバ・ブラウン、ペーター・ヴェーバーは何とか合格、ローテリングに不満が残りました。レヴァインの方はドーメンが素晴らしいアムフォルタスを聞かせ、ウルマーナ、ボータ、パーぺが少々個性の薄いものの水準以上の歌を聞かせてくれました。
・ベスト・ツーの公演
DOB ティーレマン 「影の無い女」シュナウト、ヴァレル、ヘンシェル、
シェーネ、モーザー
非日常的な二つのパルジファルが無ければ文句無しにダントツは元日の「影」でした。仕方なく一位次点とでも言ったところでしょうか。シュトラウスらしい女声3人の「主役」が弩級の歌手陣、シェーネ、モーザー合わせて現在この5役で世界最高レベルの人達を揃え、鬼神が乗り移ったようなティーレマンの棒は凄まじかった。2幕終盤はまさに「絶演」でありました。
・ベスト・スリーの公演
バイロイト ティーレマン 「タンホイザー」S.グールド、ネメス、トレーケル
DOR フィオーレ 「リング」シュミット、ワトソン、ケーニヒ、ベヒト
DOR フィオーレ 「エレクトラ」(楽日)E.マルトン
バイロイトのタンホイザーでもティーレマンは凄演でありました。序曲のフィナーレ、終幕の追い込みは圧倒的。歌手に不満あり。ラインドイツオペラのリング・チクルス、去年末のチクルスをキャンセルした次期バイロイトのブリュンヒルデ、リンダ・ワトソンが本年は3夜通しで歌い(恐らく初めて)、今年で13年連続主役のみでバイロイトに出場したシュミットはローゲ、ジークムント、若きジークフリート(これは見れず)、黄昏ジークフリートと全夜に登場、バイロイトにもデビュー予定で今後世界的なワーグナー・バスになっていくだろうハンス=ペーター・ケーニヒがハーゲンなど重要なリングのバス役を務め、脇もパンプフ、ベヒトに加え無名だが優れたDORメンバー、今後出世が楽しみなDORシェフ、ジョン・フィオーレ指揮の下、中堅劇場でも突出した出来映えの「リング」でありました。年末見た新演出エレクトラ3公演は楽日が突出した出来。女声3歌手が登場からして「ドラマ」を作っており、指揮もオケも舞台に敏感に反応するという理想的な上演。ゲストのマルトンが年齢を感じさせない素晴らしい歌唱、傍役のDORメンバーの何と層の厚いこと!クリゾテミスのヴァルトナーの若々しいが力強い歌唱、誇張したクリテムネストラのモルロック。オレストやエギストまでしっかりしていてフィオーレも巨匠にはまだまだですが、全員が一丸となり「ドラマを作る!」という目標に向かった、久々DORの名演でありました。
・その他感銘を受けた公演
ドルトムント、エッセン ヴァルトラウト・マイヤー・リサイタル
ドルト ヴァイケルト 「神々の黄昏」シュナウト、マイヤー、リドル
バイロイト フィッシャー 「ワルキューレ」
バイロイト フィッシャー 「神々の黄昏」シュミット、ヘルリツィウス、ベーア
エッセン ショルテス 「影なし婦人」グルントへ―バー、
デヴォル、アンソニー、セ―ニー
リンデン バレンボイム 「モーゼスとアーロン」
リンデン エップル 「アリアドネ」マリス・ペーターゼン
ハンブルク メッツマッハ―「パルジファル」シュナウト、ブレンデル、ゼーリヒ
ケルン テイト 「ワルキューレ」シュナウト、ゾッフェル、ラング
DOR テヒェット 「ノルマ」ネイグルステッド
DOR シュテーア 「ウリッセの帰還」
エッセン ヴァイル 「オランダ人」カペラ・コロニエンシス
コーミッシェ ぺトレンコ 「後宮からの逃走」
ケルン ルイージ=MDR響 ブラームス2番
バーデン・
バーデン ティーレマン ワーグナー・ガラ・コンサート
ルール地方で2回あったマイヤーのリサイタル。一つだけ挙げるなら兎に角シューベルト「魔王」。父親、子供、魔王の演じ分けの見事さ、魔王のゾクッとする恐ろしさは素晴らしいと言う他無し。極めてオペラティックな解釈でした。またヴェーゼンドンク・リーダーもマイヤーの実演としては貴重でした。ヴァラット・リングの最終日「黄昏」で肝心の本人が病気キャンセル、ワーグナーとしては初めて聞く代役ラルフ・ヴァイケルトがカペルマイスター的演奏を聞かせ、この人のワーグナーなら聞きに行きたいと思わせる数少ない指揮者の一人となりました。シュナウトのブリュンヒルデが兎に角素晴らしかった。ここ数年でシュナウト、ポラスキ、ワトソン、デヴォルや中堅でヘルリツィウス、ベア―ド、カッセルマンなどブリュンヒルデをチクルス通しで聞いていますが、現代最高のBは声もあり、演技も優れたシュナウトか。最近では重要であるが小さい役で歌う機会のないマイヤーのヴァルトラウテも素晴らしい出来で、この二人の対決は見事と言う他無し。リドルも言葉の本当の意味で立派な歌唱。現代最高のハーゲンの一人では。ブリンクマン、カンネン(嫌いだが)と脇も固めていたのに唯一そして最悪のジークフリートはステッグ・アネセン。現代とは言えどこのような歌手でのワーグナー矮小化は許されない。バイロイトで見たリング・チクルスはフリム・リング最終上演。シノーポリに代わってタクトを取ったフィッシャー・リングの最終回でもありましたが、チクルス全体では非常に冷静だった表現もワルキューレでは楽員も興に乗ったのか、熱の篭った出来(と言うよりチクルスではこのフィナーレだけ良かった・・・後は概ねオケを鳴らすのに冷静だった)。
躍進を続けるショルテス率いるエッセン・オペラの「影」はスター歌手を揃え、一流歌劇場並みのアンサンブル、演出も低予算ながら素晴らしくショルテス得意のシュトラウスで中堅劇場ではあり得ない極めて高い水準の公演でした。リンデン「モーゼス」は作品的にバレンボイムの体質に相応していることを示した上演。「エレクトラ」などもワーグナーやるより合っているか。同じくリンデンの「アリアドネ」では元DOR専属ペーターゼンのツェルビネッタが聞けました。中堅劇場出の歌手の出世を目の当たりにして感慨深かった。ペーターゼンは「Opernwelt」誌で今年の最優秀歌手に選ばれました。リンデン専属の脇役も優秀。私の経験の限りではドイツの劇場中、DORとリンデンの専属歌手アンサンブルが極めて層が厚い(当然にドイツ物で。ただしDORは劇場二つ分の専属歌手がいるのでダメな歌手も ― そして良い歌手も ― 多い)。エップルという中央では無名の指揮者(ハレGMD)もなかなかしっかりした音楽作り。ケルン「ワルキューレ」はシュナウトを初めとして「女声上位」。ラング、ゾッフェルと3人のワーグナー歌手を聞けただけでも感謝。ハンブルク「パルジファル」ではシュナウト、ゼーリヒが良し。メッツマッハ―はまだパルジファルでは甘いかな・・・。DORノルマではシュトゥットのネーグルステッドが飛び入り。初めて聞いたウリッセも地元古楽団体をバックにモンテヴェルディ作品に接しましたし、新装したエッセンのフィルハーモニーではヴァイル指揮、カペラ・コロニエンシス(ケルンの古楽団体。CDも多数)のオランダ人は古楽オケによる恐らく史上初のワーグナー全曲演奏。これはCDにもなります。またベルリン通の間で評価の高いぺトレンコの「後宮」を聞けたのも収穫。ルイジはイタリア人のくせにカペルマイスター型の指揮。いずれワーグナーを聞かねば。MDRの古い響きには旧西側では失われたドイツの伝統を再確認。締めは12月ティーレマンのワーグナー・ガラでした。
・指揮者
ティーレマン・ファンとしては今年もDOB、バイロイトその他で彼の活躍を目の当たりにしてきた訳ですが、「発見」ということなら今更ながらラルフ・ヴァイケルト。相当なベテランのはずで大きなハウスでの経験多数なのに、有名とまではいかない人。最近はあまりワーグナーを指揮しませんけれども、彼ほどオペラというか全てを「分かった」指揮が出来る人も今少ないのでは。これまでケルンでリゴレット、ウィーンでホフマン物語といった非ドイツ物にしか接してませんでしたが漸く真価を確認。ヴァラットもそうですが、現代では少なくなった伝統的、巨匠的「カペルマイスター」。無名の優れたカペルマイスターはしかしまだ何人かいるはず。
・ベストシンガー
個人的な体験に基づく評価ですが今年は偶然ガブリエーレ・シュナウトを幾つか聞く機会に恵まれました。前年までドレスデンのトリスタンやミュンヘンのジークフリートで耳の信頼できる筋からの情報とは違った実演に接し不思議に思ってましたが、本年聞いたバラック妻、ブリュンヒルデ(ジーク除く)、クンドリで実力を漸く確認。強靭な喉に加え基本に確かな声楽、そして演技・演唱。真の意味で職人歌手、また「歌役者」と言えるでしょう。近年相当数のドラマティック或いはワーグナー・ソプラノ、乃至は「一応ワーグナーを歌う歌手」に接しているはずですが、方向性や基準は色々あれ、総合的にシュナウトが「現代最高のドラマティック・ソプラノ」と言い切っても良いのでは、と推測しています。ここ数年積み重ねたワーグナー通いから、近年ドイツにおけるワーグナー上演の全体像(指揮者、歌手などまで)が朧気ながら見えてきた気がしますけれども、「シュナウト最高」説、かなりの確率で言えると思います。さて、舞台では典型的な女丈夫のシュナウトですが、偶然ケルンの楽屋裏で見た彼女の素顔は何と優しく穏やかなこと・・・。女性歌手は美人がいいに決まってますが、今更シュナウトの外見がどうのこうの言いますまい、次はいよいよ評価の高い「エレクトラ」を聞かねば!
・演出家
バイロイト シュリンゲンジーフ 「パルジファル」
エッセン フレート 「影なし婦人」
評価は別として少なくとも話題を集めたという意味ではシュリンゲンジーフでしょう。これほど賛否が分かれたのもシェロー以来か(シェローもそれ程革命的だったとは思えない。寧ろ現代演出の元凶かも知れない)。私はシュリンゲンジーフの、少なくとも「パルジファル」では支持派ですから、あの厳粛な映像の挿入を先ず評価します。若干の部分は除いてもシュリンゲンジーフはワーグナーを大きく逸脱してはいなかった。彼の一貫した世界があった。エッセンのベルント・フレート演出も優れた舞台処理に大変感心しました。「影」に特有の難しい場面展開に対応した、舞台美術家出身らしい周り舞台を用いたスピーディーな舞台転換、衣装・舞台美術デザインの日本趣味、台本を逸脱しないメイク・ドラマの手法(皇帝の石化を色付きの透明な箱に入れて表現したり、皇后が「生命の水」を拒絶する場面での暗転)などなど、優秀な演出でした。シュリンゲンジーフを誉めておいて何ですが、演出とは自分の主義主張を表明したり、自らの思想信条を前面に押し出すことよりも、台本や台本作家の本質的なものを汲み取り、リブレットを舞台に上げる処理・仲介といった職人仕事こそ本来の役割ではないでしょうか。演出家は本来的に芸術家であるべきかどうか、そして実際そうであるかどうか、疑問です。
・番外
今年は合計40本を超えるワーグナー上演(ガラを入れると45前後)に接し、遅刻、早退など数回あったもののほぼ9日間に1本の割合でワーグナーを聞いた事になりました。その中でもバイロイトの全7演目(ローエングリン、マイスタージンガー、トリスタン以外)制覇はワグネリアンとして一つの区切りとなりました。ただ、最早バイロイトは聖地ではない、というのが最終的な感想。やれヴォルフガングが勝手だの、本当はグードルーンが仕切っているだの、どうでもいいですがワーグナー上演において勿論音響やオケの特性はあるものの、その他の芸術面では若干の例外を除き、特別なものは何も無い。勿論、例えば弦の音響は確かに奇跡的としか言い様が無かったし、パルジファルではその威力を発揮したけれども、「音響」だけではどうにもならない。音楽劇として感動できた公演は唯一「タンホイザー」だけ。要はここでも「芸術性」。私にとっては個々の優れた芸術家による、個々のオペラ劇場によるワーグナー上演こそ、真の意味でのワーグナー体験であります。バイロイトは今や最高のワーグナー上演の聖地ではなく、歴史的、博物館的性格が強いのでは。
・今年のワースト、最大の不愉快
DOR クラ―マー 「トリスタン」
ミュンヘン メータ 「マイスタージンガー」
ドルト 「黄昏」 アネセン(ジークフリート役)
通常公演にせよ、DORのワーグナー、それも大作トリスタンでクラ―マーのような指揮者を出すのはあんまり。ワースト・オブ・ザ・イヤー。来年が最後のシーズンとなるミュンヘンのメータ。ご当地のワグネリアンはメータをどう考えているのだろうか?!?!あの歴史的劇場のシェフとして。今頃メータ批判?という声も海千山千の音楽ファンから聞こえてきそうだがミュンヘンに「お上り」までをしてやっぱりメータは、ない。それにしてもアネセンという歌手、どうなっているのか。金輪際ワーグナーから手を引くべき。エギストでもやっていればいい。ハンブルクでパルジファルを歌ったクラウス=フロリアン・フォークトもこのまま行くとアネセン系になりそうな予感が。
さてこのHPの処遇を考えておりますが、正直更新が面倒ですので今流行っているというブログへの移行や現在の(半ば)非公開を公開にする、など検討してます。突然変更の場合でもご了承の程を。
[178] 題名:Re:ティーレマン 名前:ひでお(管理人) MAIL URL 投稿日:2004年12月06日 (月) 02時30分
本日バーデン・バーデンより帰りました。
ヤマダさんお久しぶりです。敬服して頂くには及びません、
まだまだこれから。来日は来年確か新国でマイスタージンガー
ありましたね?これと絡めて行きたいですね。
ワーグナーガラは近日アップ予定です。
[177] 題名:ティーレマン 名前:ヤマダ コウイチ MAIL URL 投稿日:2004年12月04日 (土) 12時53分
なかなか臨場感あって、その場の雰囲気まで伝わってきました。
熱心に理解を深めていらっしゃりますね。
敬服いたしました。
来日予定などいかがですか?
[176] 題名:久方振りの更新 名前:ひでお(管理人) MAIL URL 投稿日:2004年11月27日 (土) 10時19分
久しぶりに更新しました。HP作ったはいいが、更新が面倒になるという現象は50パーセント以上らしいですね。私も当HPの存在意義を考え続けております。結論は出ませんが。せめてワーグナー関係だけは続けていく・・・かな?ワーグナー関係ではバイロイト前にもDORのリングもありましたし、ミュンヘンのマイスター、シュトゥットのトリスタン、バイロイト後はハンブルクのパルジファル、ケルンのリング、ドルトの黄昏、再演でDORトリスタン、タンホイザーがありました。あ、レヴァインのパルジファルもアップしていなかった。今後はティーレマンのワーグナー・ガラ2発をバーデン・バーデンまで聞きに行きます。1日目パルジファル2幕とワルキューレ3幕。歌手はヴォットリヒとデヴォル、ヴェルカー。そしてヘイル、ワトソン、アンソニー。二日目はワルキューレ1幕と黄昏抜粋。アンソニー、グールド、ワトソンが歌手陣。DOBのオケです。
[175] 題名:Opernwelt, Jahrbuch 名前:ひでお MAIL URL 投稿日:2004年10月07日 (木) 05時31分
ドイツのオペラ雑誌「Opernwelt」に2003/2004先シーズンの年報がいつの間にか出てます。色々複雑な感想はありますがご紹介しておきます。(ネットでの情報)
それぞれ「〜des Jahres」であり、訳し方様々でしょうが「年間最優秀」とか「今年の〜」という意味でいいでしょう。最優秀とは言えど実際には話題性が相当程度加味されているのでは。因みにこれは「Opernwelt」誌が50人のジャーナリスト、批評家にアンケートを送って出された結果です。
・最優秀指揮者
「ウィリアム・クリスティ」
ヘンデル「Radamisto」など主にチューリヒ・オペラでの活動が評価されたようです。ここのオケはバロックなどでは古器楽も使用、とのこと。私の周りでも評価が高いので1度チューリヒに行ってみなければ。アーノンクールもかなり客演してますね。彼はそう言えば当地在住か。
・最優秀オーケストラ
「ベルリン国立歌劇場管」(Staatskapelle Berlin)
私もここに通ってはいないし、昔を知りませんがいいオケであることは間違いないのでしょう。特に古臭いドイツ音楽をやらせるにはうってつけの楽団と思います。最近では今年バレンボイムの「モーゼス」、アシスタントのJulien Salemkourが振った「魔笛」は素晴らしかった。メンバーはまだまだ多くがドイツ人のようですね。
・最優秀歌手
「マリス・ペーターゼン」
正直これが一番びっくり。主にハンブルクの「ルル」題名役で評価されたよう(またコンビチュニーか・・・)ですが急速なキャリアも言及されてます。「カッセル、デュッセからコヴェントガーデン、メットへと」というようにデュッセのメンバーから一気にミュンヘン、ウィーン、ハンブルクのルルや夜の女王などコロラトゥーラ役抜擢の勢いはすごかった。ロンドンではデセイの代役でツェルビネッタを歌いました。思えば2、3年に満たない彼女のデュッセでのキャリアで殆ど一番最初に聞いたのがツェルビネッタ。巷ではグルヴェローヴァとかデセイでしょうがいやいや、装飾歌唱のテクニック云々よりもペーターゼンのドイツ音楽、テキストへのセンスはグルヴェ、デセイ如き完璧凌いでいるでしょう。コロラトゥーラと言えど音を並べ、キレイに発声するだけが能ではない。基本的な歌唱能力に加え表現力、後は演技も含めると総合的には確かにペーターゼンは極めて優れた歌手と思います。夜の女王、ルル然り。DORで他には何を歌ったでしょうか。「こうもり」のアデ―レ、「後宮」のコンスタンツェ、ノリーナ(題名失念)、「ばら」のゾフィー。後は記憶に残っていない「パルジファル」花の乙女。彼女が歌うだけで駆けつけた公演もありました。ここで触れた全ての役を私はDORで聞いてますが、一つ挙げろと言われればやはりツェルビネッタでしょう。10月にはベルリン国立歌劇場で同役を歌います。
・最優秀演出家
「クリストフ・ロイ」
フランクフルトの「後宮」、ミュンヘンの「ロベルト・デヴリュー」が高く評価されたようです。ロイはデュッセとも関わりの深い演出家。DORでは「ランメルモールのルチア」「ドン・カルロス」「パリアッチョ・カヴァレリア」の他に先シーズンはモンテヴェルディ・チクルスをやりました。文字通り「オルフェオ」「ウリッセの帰還」「ポッペアの戴冠」。先シーズンの「ポッペア」「魔笛」がロイによるプレミエでしたが、今シーズンは10月下旬「ホフマン物語」の新演出もあります。因みに私は上の中で「オルフェオ」「カルロス」「魔笛」以外は見ましたが、彼の演出正直ピンと来ません。
・最優秀の歌劇場
「ドイツの市立劇場」
この部門では今年は具体的な劇場のノミネートが散らばっており、苦肉の策でこういう結果になったようです。アンケートにはこの欄が空白のアンケートも多かったとか。「市立」というよりは私の分類で言う「中堅」「中小」の劇場、所謂「地方劇場」の健闘が評価されたのか。
・最優秀上演
「ハノーヴァー歌劇場ルイージ・ノーノ「Al gran sole carico d’amore」(コンヴィチュニー演出)」
またコンヴィチュニーですか。好きですな、ドイツの批評家は。まあコンヴィチュニーも勉強すると嵌るのかも知れませんが。上演を一瞬も見ていないので確かなコメントは不可。
・最優秀合唱団
「ハノーヴァーオペラ合唱団」
上の上演の合唱が評価された。
・最優秀初演
イェルク・ヴィトマン「Gesicht im Spiegel」(鏡の中の顔)
バイエルン国立歌劇場における上演。
・先シーズン最大の「再発見」
カヴァッリ「Eliogabalo」
ブリュッセルのモネ劇場でのヤコブスによる上演が評価されたようです。バロックは苦手なのでノーコメント。
・先シーズン最大の「不愉快」
「ティーレマンのDOB退任」
ベルリン政治の「愚行」とティーレマンの不可解な行動、「芸術上の傲慢」等の理由が挙がってますが、ティーレマン・ファンからするとある意味喜ばしかったのですが。彼がああいう音楽をやる人間なら今回の騒動も全然不可解ではない。ドイツの批評家はまともな判断力すら持ち合わせていないのだろう。如何に愚かな批評家が多いか実証したようなもの。「傲慢」というイメージも音楽から来ているのだろうが、他方では反発者も多いくらいでないと個性的な芸術は出来ないでしょう。ワーグナーの人格・芸術と全く同様に。確かこの部門では前回もティーレマンが選ばれ、「評価され過ぎ」という声もあったかと思いますが、愚かな批評家の歯軋りが聞こえてきて面白い。
[174] 題名:諸々 名前:ひでお MAIL URL 投稿日:2004年10月07日 (木) 05時29分
更新が滞っております管理人です。
去年末からHP更新怠けております。間に二回のデュッセリング、小澤のオランダ人、ブルーノ・ヴァイルのオランダ人(カペラ・コロニエンシス)、アーノンクールの天地創造、マイヤー・リサイタル2発、フレミングのリサイタル、ケルンの演奏会「ダフネ」、「黄昏」、ミュンヘンの新演出マイスタージンガー、ルル、シュトゥットガルトの新演出トリスタン、特大場外ホームランだったレヴァイン=MPOのパルジファルから最近のバイロイトなど、また今シーズンに入ってゲルギエフ=VPO、カサロヴァのリサイタル、ケルン新演出のサロメなどなど・・・ネタはあるのですが。今後ハンブルクのパルジファル、ケルン・リングも行く予定ですが・・・更新は全く未定です。ご了承下さい。
さて古い情報ですがDOBのシュトラウス音楽祭(Strauss Tage)ですがティーレマンが予定通りばらの騎士、影無き女、ダフネ、それから1.30の演奏会は振るとDOBから9月上旬に発表されたらしいです。(劇場のHPにも名前があります)
http://morgenpost.berlin1.de/archiv2004/040909/feuilleton/story702431.html
記事にはばらを5回振るとありますがこれはミスでしょう。どうやら予定通りばら、影を3回、ダフネを二回振るはずです。
それから10月半ばから下旬にかけて2チクルス上演されるケルンの「リング」ですが、私の情報間違っております。「黄金」もジェフリー・テイトが指揮です。実際に当初ケルナー・リングHPの発表がソースでしたが、変更後も私のHPでは変更せず大変失礼致しました。この場でお詫び致します。
[173] 題名:Re: 名前:ひでお MAIL URL 投稿日:2004年09月09日 (木) 09時20分
Dufayさんどうも、管理人です。
パルジファルのレポート追加・訂正・推稿、タンホイザーの記事アップしました。
ルイージはなかなかこの地方には客演しないので残念。アーノンクールは今シーズンはケルンで(毎シーズン来てます)モーツァルトの「Zaide」(未完のジングシュピールK344?)をコンツェントゥス・ムジクスとやるので私としては必聴。ほんとはチュ―リヒとかでガンガン振ってるので来年辺り行きたいのですが。
バイロイトの総括もいずれしたいと思いますが、今思いついたことだけ書くと今のバイロイトは特別ではない、ということです。ワグネリアンの聖地バイロイトということで世界で唯一の音響、祝祭オケはここでしか聞けないのですが、登場する芸術家(演出、指揮、歌)は「全体的」には昔の水準には遥かに及ばないと推測します。正直今年の演目全て接して、特別な芸術体験ではありませんでした。勿論音響やオケは素晴らしかったのですが、これらはある意味「一つの楽器」に過ぎず、寧ろ指揮者に因るし、歌手も以前掲示板で批判した通りです。ベルリンなどでの優れたワーグナー上演の経験、況してや中堅劇場で体験した全部ではないが、多くの優れたワーグナー上演の方が上 ― 例えば日本でしか聞いて・見ておらず、本場で碌に聞いてもいないのに自分が社会的に一流だから名前のある劇場しか評価しない耳のレベルの低い輩にはわからないことだろう。こういう連中は死ぬまで耳も目も育たない。勿論Dufayさんのことではないので(笑)― でした。要するに劇場に因らず、優れた芸術家による上演でこそ本物のワーグナーが体験出来ると思った次第です。
またここで今夏のバイロイトを批判的に書いた手前もありますし、改めて実演を聞いた上での総括なりそれを踏まえて書いていく積りです。