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(75) K中しゅるけん物語   8章・・・新人戦一回戦 投稿者:しゅるけん MAIL URL
今日はいよいよ新人戦第一回戦。
俺はベンチに入れないが、一生懸命応援するつもりだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
主審:「プレイボール!」
主審の右手が上がって試合が始まった!
K中は後攻で先発ピッチャーは岡内。
岡内、振りかぶって第一球!!
ザッ・・・ビシュッッ!!ズバーン!!!!!!
主審:「ストラーイク!」
内角低めにストレートが決まった!
村山:「ふむ、岡内の調子は良さそうだな^^」
西川:(・・・!・・・ンス・・おいらも投げたいでヤンス・・
    おいらも投げたいでヤンス・・おいらも投げたいで
    ヤンス・・・おいらも投げたいでヤンス・・・) 
続いて第二球!!
ザッ・・・ビシュッ!ガキッ!!
外角高めのストレートは詰まってファーストのほぼ定位置の
ふらふらっと上がったフライとなった。
植松:「ワンダーン(ワンアウトのこと)!!」
野手:「オウッ!」
キャッチャーの植松がマスクを取って人差し指を
立てて、激をとばす。
その後、2、3番打者は1番打者への直球を見せだまに、
カーブで内野ゴロに打ち取った。
村山:「よーし!ナイスピッチンじゃ!
    さあ、打撃もしまっていけよ!ええか!?」
ベンチ入り選手:「ウイ!」
西川:(く〜!おいらも
    「ナイスピッチン!お前は天才だ!
     プロだ、メジャーだ!神様だ〜!!」
    と言われてみたいでヤンス〜!
    ・・おいらも投げたいでヤンス・・・おいらも・・・)
その後はK中ペースで試合は進み、5回表終わって、4−0
しかし、その裏の攻撃で事件は起きた・・・!
5番、6番と凡退して2アウト。
ウグイス嬢:「7番、ピッチャー、岡内君。」
相手ピッチャーが振りかぶって・・・投げた!
ビシュッ!カキンッッ!!!
歓声:「ワ〜〜〜〜!!!!!」
かなり大きなあたり!右中間を抜けていく!!!!
中本:「3つだー!いけ〜!!」
岡内が二塁を蹴った時、ようやくライトが追いつく!
上原(3塁コーチャー):「スットップ!オーバーラン!」
しかし、上原が両手を大きく上げた時、
外野の返球がショートバウンドになって、
中継のセカンドがファンブル!
上原:「・・・!!ゴー!ゴー!!ゴーー!!!」
上原の右手が大きく回る!
上原:(2アウトだから回した方が得策だ!)
岡内が激しく3塁ベンチを蹴る!
っと同時にセカンドがファンブルしたボールを素手でつかみ、
バックホーム!!タイミングはきわどい!
しかし送球は微妙に右にずれている。
上原:「よっしゃ!いける!!」
岡内は正面から滑り込んだ!キャッチャーもボールをキャッチ!
ガシャッ!ドガッ!ボゴッ!!ガシャーン!
一同:「どっちだ・・・・・・?」
一瞬場が静まる・・・
主審:「アウッ!!!!」
K中ベンチ:「あぁ〜、おしい・・・」
相手ベンチから歓声が上がる。
岡内のスライディングはキャッチャーのブロックに阻まれた。
村山:「あほがっ!!送球それとんのに
    なんで回りこまんのじゃ!ほんまに!!」
しかし、ホームベース付近の様子がおかしい・・・?
なんと、岡内が足を抑えてかがみこんだままだ。
表情はとても痛々しい・・・。
村山:「おいっ!西川!ピッチング用意しとけ!」
村山がそう言って、ベンチから飛び出す!
救急医:「ダメですね・・・右足をねんざしています・・・」
村山:「そうですか・・・仕方がない、ピッチャー西川。」
岡内:「・・・!ちくしょう!!」
村山:「起きてしまったことは仕方がない・・・
    お前にはまだ先がある。
    野球が出来なくなったわけじゃない
    その悔しさがさらにお前を成長させるだろう。」
岡内:「・・・はい。」
西川の祈り、いやねたみが通じたのか、それとも、偶然なのか、
西川が投げることになっ(てしまっ)た。
西川:(岡内には悪いでヤンスが、ここで良い所を見せて、
    いっきにエースでヤンス〜)
投球練習・・・意外と低めのいい球がいっている・・・!
主審:「プレイ!」
西川:(ふっふっふ。ついに記念すべき中学野球の
    第一球でヤンス!!!)
サイドスローから第一球!!!
ザッ・・・ビシュッ!!ドガッッ!!!!「ハウッ」!!!!!
西川:「エッ・・・(汗」
初球からデッドボール・・・
植松:「落ち着け、西川。楽にナ。」
西川:「お、おうでヤンス・・・。」
そして、ランナー一塁からセットで投球!!
ザッ!ビシュッ!!!
内角低目へのスライダー!!!のはずだったのだが・・・
ドガッッッ!!!!!!!!!!!!
主審:「ボール、デッド!」
西川:「そ、そんな、でヤンス・・・」
相手中ベンチ:(おいおい。わざと当ててんのか〜?)
       (ノーコンは困るね全く・・・。)
西川:(ムキー!聞こえてるでヤンス!!むかつくでヤンス!)
植松:「西川落ち着いて、リラックス、リラックス。」
西川:「がってん!承知でヤンス!!」
しかし、西川はその後調子を崩し・・・・・・・
ストレートのファーボール、ツーベース、
シングル、ファーボール、ツーb・・・・・(以下略・・・^^
この回7失点!4−7
村山:「・・・。(怒)」
西川:(一目で機嫌が悪いと分かる出ヤンス・・・)
村山:「まだ3点差だ!!喰らいついていけよ!」
一同:「ウイッ!!」
西川:(うう〜、オイラのせいでヤンス〜・・・)
しかしこの回、中本先輩の3ベース、沢中先輩の2ベースなどで
2点追加。一点差となった!
村山:「よし!いけるぞ!!西川頼んだぞ!!」
西川:「ハイ!」
が、しかし!!!
またもやファーボールから自滅し、3失点!
村山:「・・・。(怒)仕方ない。
村山がベンチから出る・・・
村山:「おい、植松、中本を呼べ。」
植松:「中本せんぱ〜い!先生が呼んでまーす!!」
中本:「・・・!?!?」
中本先輩がセンターからホームベース近くに走ってくる。
村山:「ピッチャー交代。中本。」
中本:「えっ!俺っすか!?」
村山:「‘ピッチャーの西川をベンチ’センターに上原。」
西川:(が〜ん!!しっかりと聞こえたでヤンス〜)
その後、落ち込む西川をよそに中本先輩が1点で抑えたから
西川もたまったもんじゃない・・・
しかし、反撃もなく、「11−6」K中の大敗に終わった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、帰り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しゅるけん:「にっしゃん、もう泣くのやめろよ・・・」
西川:「あのまま岡内が投げていれば、
    きっと勝っていたでヤンス・・・」
しゅるけん:「・・・そんなの・・・分からないよ・・・
       もしかしたらもっと打たれてたかも。」
西川:「ありがとうでヤンス・・・
    でも気休めはいいでやんす・・・
    一人にしておいて欲しいでヤンス・・・」
しゅるけん:「そうか・・・わかった。
       でも、気にしすぎるなよ。」
西川:「ありがとうでやんす・・・」

以下しゅるけん
:(悔しかっただろう、しかし、その悔しみは、
俺にはわからない。西川しかわからない。
だが、俺のベンチにすら入れなかった悔しさも
レギュラーたちには分からないだろう・・・
絶対にいつか、俺も試合で活躍してやる・・・!!)
    
こうして、新人戦は1回戦惨敗に終わった・・・。

       〜9章に続く〜     

2002年11月14日 (木) 17時12分




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