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Re:声帯の手術後の人工発生器の声。西日を確認しながら、ゆっくりしゃべっている感じが、ひらがなの一文字ひと文字に読点をつけたことでわかります。しかも、これは相手に対しての声の確認ともとれます。
患者と看護婦、患者と妻、患者と友人,作者はどの立場の人でしょうか? 色々思いめぐらすことができます。患者は少し快方に向かって、四季の移り変わりに、一日の空の変化にさえ、目が届く余裕が出てきたのでしょう。
A 西日きれいねと人工発声器 B に、し、び、き、れ、い、ねと人工発声器
俳句は表記が重要です。漢字・ひらがな・カタカナそれぞれの表記でイメージが変わります。俳句での表記のルールはありません。「かぎかっこ」を入れて詠んでも問題はありません。ただ、俳句は省略でなりたっている文芸です。その表現が必要かどうかは、読み手に判断されると思ってください。上記 A の表記では選句されなかったと思います。
私が患者の立場とします。私は「に、し、び、が、き、れ、い、」と言うでしょう。 誰かがいても独り言風にいうでしょう。これは「口語」です。俳句はこの助詞の「が」をきらいます。「なになに が なになに」説明過ぎるといいます。よって、文字数をあわせるためにも「に、し、び、き、れ、い、ね、」となっています。
「西日」は夏の季語。読み方としては に し び き れ い ね と /人工 /発声器 と下五を意識して読めば、良いでしょう。
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