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- すま - 2003年10月30日 (木) 21時55分
第三部では作者の重点がユスーポフ候にあるっていうのは、私もそう思います。作者の思い入れを、この人物に関しては確かに感じます。それに比べるとユリウスとアレクセイはもうおざなりの付けたしみたい・・・(しょんぼり)。 個人の愛や感情が政治や歴史の流れに押しつぶされていくというのは、ストーリーとしては歴史物ならまあ普通かなーと思うんですけど、問題はその描き方。たとえばベルばらでも全く別の視点から描けば悲惨な話になると思います。今までチヤホヤもてはやされていた宮廷では裏切り者・馬鹿者と嘲笑され、本人は戦死、家族も肩身の狭い思いをしてどこかへ逃げるしかない、というような。体制はバスティーユで一気に変わったわけじゃなく、まだしばらく王政はいちおう存続するんですから。オスカルの死は揺るがぬ愛と信念の立場から描かれているから感動的で、悲劇でも救いがあります。でもユリウスは・・・(しょんぼり)。
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