| [7] F下腿前面の筋 |
- sizu - 2005年01月27日 (木) 19時08分
下腿の筋は主に下腿前面の筋(伸筋群)である、前脛骨筋・長指伸筋・第三腓骨筋・長母指伸筋と、下腿外側の筋である長腓骨筋・短腓骨筋と、下腿後面の筋(屈筋群)の浅層にある腓腹筋・ヒラメ筋・足底筋・膝窩筋、深層にある後脛骨筋・長指屈筋・長母指屈筋に大きく分けられる。今回は下腿前面の筋(伸筋群)である、前脛骨筋・長指伸筋・第三腓骨筋・長母指伸筋について挙げていく。
下腿前面の筋(伸筋群) 下腿前面の筋とは下腿骨間膜の前に位置する筋をいう。
前脛骨筋 tibialis anterior muscle 脛骨の外側面にある三稜形の筋 《起始・経過》 脛骨上方1/2の外側面、下腿骨間膜上方2/3の前面および下腿筋膜から起こり、下方に向かう。 《停止》 平たい腱となって下腿の前面下端で下伸筋支帯の下の内側部を通って、内側楔状骨および第1中足骨底の足底面につく。 《作用》 足の内側縁をあげ(内反)、同時に足を足背側に屈曲する。足を固定すると、下腿を前方に傾ける。 《神経支配》 深腓骨神経(L4、L5、S1) 《血管支配》 前脛骨動脈、前脛骨反回動脈 [メモ] 長指伸筋 extensor digitorum longus muscle 前脛骨筋の外側に沿って下方に走る。 《起始》 脛骨上端の外側面、腓骨の前縁、下腿骨間膜および下腿筋膜から起こり、下方に向かう。 《停止》 筋腹の前縁から起こる停止腱は4腱に分かれて、下伸筋支帯の外側部を通って足背に出て、第2〜第5指の指背腱膜に移行する。 《作用》 足および第2〜第5指を足背側に屈曲し、足の外(腓)側縁をあげる(外反)。足を固定すると、下腿を前方に傾ける。 《神経支配》 深腓骨神経(L4,L5,S1) 《血管支配》 前脛骨動脈
第三腓骨筋 peroneus tertius muscle 長指伸筋の一部が分かれて独立したもので、長指伸筋の外側にある小さな筋。 《起始》 腓骨の下部から起こり、下伸筋支帯の外側部を通り足背に出る。 《停止》 第5中足骨底の背側面 《作用》 足を足背側に屈する運動を助け、また足の外側縁をあげる(外反)。 《神経支配》 深腓骨神経(L4,L5,S1) 《備考》 長指伸筋および第三腓骨筋の停止腱は、足根洞と下伸筋支帯の間にあるワナ靭帯により固定される。
[メモ]
長母指伸筋 extensor hallucis longus muscle 前脛骨筋および長指伸筋におおわれて、下腿骨間膜の前方にある。 《起始・経過》 下腿骨間膜、腓骨中央部の内(脛)側面から起こり、内側に腱をもつ半羽状筋で、その腱は下腿前面下部で前脛骨筋の腱と長指伸筋の腱の間に現れ、下伸筋支帯の中央部を通り足背にいく。 《停止》 第1中足骨の背側面をへて、母指の指背腱膜に移行し、母指末節骨の底につく。また、その一部は基節骨につく。 《神経支配》 深腓骨神経(L4,L5,(S1)) 《血管支配》 前脛骨動脈
《備考》 伸筋支帯extensor retinaculum:下腿前面の伸筋群は、上伸筋支帯および下伸筋支帯によって固定される。上伸筋支帯は、内果および外果の上方にあり、脛骨縁から腓骨の前縁にわたっている。下伸筋支帯はY字形を呈し、2脚からなる。そのうちの1つは内果から踵立方関節に至り、他方は内側楔状骨から外果に至る。この靭帯の下には3つの管があり、内側から第1は前脛骨筋、第2は長母指伸筋、第3は長指伸筋および第三腓骨筋を通す。

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