事務長の嫌がらせにより、ある森に棲息する全ての生物を調査する…という無謀な仕事を受けざるを得なかった仁子は、一度は森の中で途方に暮れるが、動物が食い破った木の実がたくさん落ちていた事から調査方法のヒントを得る。
木の実をかじった生物を推測し、更に地面の足跡や、食われた葉を調べれば、木に登らずとも調査が出来ると思いついたのだ。
嬉々として研究準備をする仁子に研究室の同僚は呆れる。仁子は道具を借りるために南原の元へ行き、思いついた調査方法を喋りまくり早々に引き上げるが、南原には自分より研究に夢中な仁子の様子が心なしか不満だった(教え子の成長を喜ぶ『理性』と、研究者としては自分より下にいて欲しいという『エゴ』が心の中で闘う)。
その後、仁子は精力的に森をくまなく調査し尽くし、綿密な論文を作成中にパソコンがフリーズ。南原に助けを求める。南原はパソコンを貸して欲しいだけと知り、またしても拍子抜けするが、そこは惚れた弱味でノートパソコンをデリバリー。あせりながら論文に取り組む仁子の頭をクールダウンさせ、帰って行く。
翌朝、完成した論文を事務長に提出に行くが、期限は前日だったために見向きもされない(もともと仁子を切る事が目的なのだから当然)。しかし、仁子が退出後に読み始め…事務長は目を見張る。
その頃、論文を読んだ南原も、その出来のよさを知る。
そして、事務長の元を訪れ『仁子を首にした上で研究を乗っ取るような行為は断じて許さない』と断言。
そのせいかどうかは知らないが、仁子の進退問題は解決する。
一方、仁子に興味がある勝田は『南原のアセスのせいで有明海が死に、全てのものを奪われたから、ひとつくらい何かを奪う(仁子のことだ)』と、南原に宣言していた。
そんな事は知らない仁子は、干拓事業反対派による農林水産省への集団直訴に同行したいと勝田に申し出る。当日、そこに事業推進派も現われ騒然とした状態になり、人垣に押された仁子はガラスの花瓶ごと後ろに倒れ背中を負傷してしまう。
そして『実は、アセス報告書は何者かにより改ざんされていた』と口走ってしまい…止まらない出血に動揺し、勝田に『教授を呼んで!』(これが本音だね)と訴え気絶する。
顔面蒼白で駆けつけた南原は、思いがけず仁子が元気にしている事に肩透かしをくうが、心から安堵する。そして二度と自分の側から離れるなと病床の仁子にプロポーズ。南原の気持ちを疑いながらも幸せ気分の仁子だった。
---つづく---