[357] 向日葵 |
- 結衣 - 2006年09月09日 (土) 13時35分
君が僕の事を忘れても
僕は君の事を忘れない
あの日の事も・・・
向日葵
B年前の事。季節は冬。雪が綺麗に降っていた。
ひかり「ねぇA雪降ってるよー!お外行こうよッ!」
和也「寒いけど良いの?」
ひかり「平気だよん♪」
和也「じゃあ行こうか。」
ひかり「うんッ♪」
〜公園〜
ひかり「くしゅんッ!」
和也「やっぱり寒い?」
ひかり「大丈夫♪」
和也「無理するなよ?」
ひかりは普通の子と比べて少し体が弱い
だから冬に風邪をひくと高熱が出たりする。
だから冬の外出はなるべく避けてる。
でもひかりは雪の降る冬が@番好きだって。
だから今日は特別に外に出したけど・・・・
出さなければ良かった・・・・・
ごめん・・・・
ひかり「ゴホッ。ゴホッゴホッ!」
和也「やっぱり家帰ろう?」
ひかり「やだッ!もう少し・・・。」
ひかりの顔は真っ赤で息づかいも荒かった
和也「ねぇ、家帰って温まろう?」
ひかり「嫌ぁッ!」
フラッ
ひかりが倒れて道路に出た
その瞬間
闇に落ちたようだった
トラックに跳ねられた
周りにいた人たちがざわめく
ひき逃げだよ
ひかりの周りが赤い
ただただボーッと立っていた
救急車が来てひかりが運ばれる
これは現実?
〜数日後〜
ひかりのお母さんから電話が来た
命に別状は無いって
安心した
ひかりの大好きな向日葵の花を持ってお見舞いに行く
和也「ココだよな。」
ガラガラガラ
和也「ひかりッ♪」
ひかり「・・・・誰?」
和也「えっ?」
ひかり「あなた誰?」
和也「誰って・・・冗談だろ?」
ひかり「ヤダ!近寄らないで!」
看護婦さん「ちょっとよろしいですか?」
和也「はい・・・。」
看護婦さん「ひかりさん。記憶喪失です。」
和也「えっ?」
看護婦さん「ちょうどあなたと会って@年ですよね?」
和也「はい。」
看護婦さん「@年分の記憶が彼女の中にはありません。」
和也「無いって・・・なんでだよッ!」
看護婦さん「そんなこと言われても仕方ありません。 死ななかっただ良かったでしょう。」
和也「そんな・・・。」
これは・・・・
夢?
現実?
夢ならはやく覚めろよ
病院の廊下で向日葵の花びらが散った。
雪のように。
君は今でも僕のことを思い出せないのかい?
向日葵の季節が終わって
また・・・
雪の季節が来るよ
赤い雪が僕の中では降るけれど
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